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《通過シナリオ》 ・脱獄は乙女の嗜み HO2 5月21日生まれ/A型/カラーコード：ed6d3d 一人称：わたし/二人称：あなた 5-2. 斜め上からの発想…狂気に陥った場合、探索者は独特の発想により、原因となった恐怖に対して秘められた真実を見抜くことができる。キーパーはクライマックスで宇宙的恐怖の一端を教えてくれるだろう。ただし、クライマックス以外の場面では、何も教えてくれない可能性がある。 吹奏楽部でアルトサックスを担当している図書委員。 背が低いのがコンプレックス。 ↓↓↓脱獄は乙女の嗜み HO2バレ↓↓↓ 幼い頃から使用人である“御舟カガリ(みふね-)”に片思いをしていた。仕事で自身に接してくれているのだと知っていても、クールな見た目とは裏腹な優しい言葉や、そばで守ってくれる事実が嬉しかった。一生この想いを伝えることができなくても、彼のそばで彼を慕うことができれば幸せだと思っていた。 しかし、甘夢の父はそんな甘夢の御舟への気持ちを知ってしまった。甘夢の父は人のよい性格で、「甘夢がそんな想いを抱いて接していたら、御舟の人生を縛ってしまうよ。断れば働きにくくなってしまうかもしれないと、無理に自分の気持ちを曲げて甘夢の恋を叶えようとするかもしれない」と甘夢を宥めた。そうして、甘夢はこの恋が許されないものなのだと知った。 御舟に似合う女性になるために買った香水、少し背伸びをした洋服、彼と並んだ時に恥ずかしくないヒールの靴。そのすべてを甘夢は封印して、恋心をなかったことにした。 高等部にあがれば、新しい恋ができるのだと思っていた。けれど、思い浮かべるのは御舟のことばかり。彼よりも愛しいと思える殿方が、本当に自身の前に現れるのだろうか。そんな悩みを抱えながら、甘夢は高校生活を送っていた。 ある時、生徒会長の雲野のことを知った。雲野は御舟のようにクールな大人の男性ではなかったけれど、声が御舟にとてもよく似ていた。次第に雲野に興味を抱くようになり、甘夢はこれを新たな恋だと思い込んだ。(実際は御舟の影を追いかけていただけなのだが) 雲野に告白され、その言葉に酔いしれた。御舟がしないだろう言い回しは聞かなかったことにして、都合の良い言葉を切り取って胸にしまった。恋が叶った心地だった。 しかし、甘夢は雲野からの手紙を受け取る。そこに書かれていたのはショックな言葉だった。 ＿＿＿君の家の執事にも話は通してある。 御舟に、自身が許嫁のいる男性と逢引をしているような女だと知られてしまった。その上で、その男性と自身が結ばれるように御舟が協力するという。そうしてようやく甘夢は気がついた。雲野のことを、ただ御舟の身代わりとしてしか見ておらず、あまつさえ彼の存在に御舟が嫉妬してくれるように望んでいたということに。自身の浅はかさに嫌気がさした。死んでしまいたかった。 けれど、殿方の作戦を反故にしてその顔に泥を塗るのは悪いことだ。甘夢は仕方なしに作戦を決行した。もう雲野への感情は南極レベルに冷めていた。いっそこの作戦中なんらかのアクシデントで自分が危険な目に遭ったら、御舟は焦ってくれるだろうか。くれるといいな。もうそれだけしか考えてない。 要するにめちゃくちゃ恋愛がド下手くそ。やっちゃいけない禁じ手ばかりに手を出す女。やばいやつ。 しかし御舟に対する感情や愛情は本物。御舟と結婚したい。いや無理やろな。そもそも身分差激しいし、人の男に手を出すような女だし。自暴自棄になっている。 HO1先輩に対してはなんかもうこんなことになってしまって申し訳ない気持ちが強すぎるのでちゃんと謝りたい。謝って許されるとは思ってないけどそのへんは人としての道理を通さなきゃいけないでしょ。わかってる。 HO3先輩については……よくわからない。付き纏ってるって言ってたけど……？ まぁでも私にはもう関係のないことなので……。 ▽ HO2：秘匿情報 あなたはお嬢様である。 あなたは高等部進学後、恋に落ちた。その相手は生徒会長の雲野大良だ。 しかし、彼には許嫁がいる。それはHO1である。 けれども、学園内での二人の関係は恋人とは思えない程に冷めていた。 校内では「政略結婚でお二人とも乗り気じゃないのかしら……」なんて、噂が流れているぐらいである。 夏休みに入る前だろうか、あなたの下駄箱に手紙が入っていた。 それは呼び出しの手紙だった。 あなたが呼び出された場所に行ってみると、そこには雲野がいた。 「君の事を入学式の際、壇上から見て、一目惚れをしてしまったんだ。 俺は許嫁が居るが、知っての通り…とても恋人とは言えない関係でね。 互いに親が決めた方針に沿わねばならないのもあるが……。 だが、俺は君の事を好いてしまった。どうか、俺と付き合ってはくれないだろうか。 …いずれ、許嫁との関係は解消する。俺を、信じてくれ！」 と彼は真っ直ぐな眼差しで伝えてきた。 彼のその言葉に、胸に恋情と少しの背徳感を覚えながらも、あなたと彼の秘密の交際はスタートした。 時は流れ……。 夏休みも終わりに近づく頃。あなたの家の執事が、あなたに手紙を渡してくる。 「ごきげんよう。 暑い日が続くようになってきたが、体の方は大丈夫だろうか？ 待たせてしまって、悪かったな。婚約解消の良い方法を思いついたんだ。 しかし、君の協力無しにはこの計画は成功しない。情けないのだが、俺に力を貸してくれ。 俺が彼女の許嫁で居られるのは家柄と、俺の大人に見せている顔のお陰だろう。 俺の本質が情けない物だと、相手の家に伝われば、許嫁の話しもご破算となるだろう。 計画はこうだ。俺達は四人で誘拐される。その誘拐されて囚われた場所で俺が男らしくない態度を見せれば、二人も興ざめしてくれるだろう。 誘拐されたと言う異常な状態であれば、あとで何を言われようと「仕方ない」の一言で片付くだろう。 安心してほしいのだが、君の家の執事にも話しを通してある。必ず安全に脱出は出来るさ。 …上にて二人と言ったのだが。実は去年から俺に付き纏ってくる後輩が居るんだ。 彼女も今回の一件に巻き込んで、幻滅して離れて行って貰おうと思っている。 手順なのだが、夏休み明けの文化祭。その打ち合わせの場に君と、件のもう一人を呼ぶ。新入生の意見を取り入れたい…と言えばそこまで違和感もないだろうからな。 君はお茶の用意をする許嫁の手伝いをしながら、睡眠薬を塗ったティースプーンと上手く入れ替えてくれ。 もし、難しいようなら茶菓子か、何かに混ぜてもいいだろう。 年下の君にこんな事を手伝わせてしまって、申し訳ないのだが、どうか協力して欲しい。 愛する君へ、心を込めて大良より」

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