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代理殺人は覚めないうちに 凛音みあ 20歳。いっけん普通の女の子だが興奮すると語尾がにゃになる。倫理観が少々欠如してる一面もある。 赤子の頃、両親に借金のアテに人身売買に掛けられ、とある富豪の男の元に買い取られた。その男により、みあは人間ではなく「猫」として育てられることになった。勿論だが学校どころか外に行かせてもらえるわけもなく、窓のない真っ白な壁の部屋に閉じ込められ監禁される日々。男は賢いペットが好きなため勉強を熱心に教えてくれたが、それがペットに対する「躾」であったとみあは知るはずもない。飼い主に爪を立てることも牙を剥くこともない、いっさい反抗しない従順なペットに育てられた。 言語は問題なく話せるが、問題なのは猫なのだからと語尾に「にゃ」を付けるように強制させられていたことだ。食事は手を使わず、排泄はペットシート、さらには四足歩行で歩くことを命じられ、まるで本物の猫の生態とも思える習性を強いられていた。だが人間としての生き方、存在意義を知らないみあはこの生活が異質であると疑念を抱く事もなかった。 そんなある日、男が外出の間、いつもは外側から南京錠で締められている扉が偶然開いていることに気がついてしまう。ここに買い取られて来た以来初めての別の部屋、風景、窓、外、歩く人間たち。元気に道を駆けていく子供。自分と同じ形をした生き物が太陽の下で二足歩行で自らの意思で歩みを進めている。その光景を見た時、初めてみあは自由が欲しいと心から渇望した。 背後からゆっくりと開く扉。帰宅した男がなぜここにいるんだと驚いたように目を見開いた一瞬、意識がはっきりした時には血溜まりの床に倒れている飼い主がいた。口内の錆びた鉄のような味に眉間を顰める。舌を出し唇を舐める。血。両手で顔を拭う、血。血。そこでみあは気がつく。この牙で、この爪で、飼い主を噛み殺してしまったことに。 今まで男の思うがままに生かされてきたみあが初めて自らの意思で生を理解した、そこには死も同時にあった。 心臓の血管がドクドクと濁流のように激しく音を立てる。全身に血液が巡り産まれて初めて「生」を実感した。生きてる！これが生きるってこと！？首筋を噛みちぎられ既に事切れている飼い主だった男を見る。この人は死の間際、何を望んだのだろうか。生きたいと、願ったのだろうか。生に執着しながら死んでいく絶望を味わう気持ちはどうだろうか。 みあは走り出していた。開きっぱなしの扉から外へ。服を着ていなくとも血だらけだろうとも、気にする余裕なんてない。見よう見まねの慣れない二足歩行で何度も躓きながらあてもなくただただ走った。ついさっき渇望していた「自由」を手に入れた喜びで心は歓喜に震えていた。 夕焼けの暁に染まる路地裏、ゴミ溜まりで倒れているみあを見つけたのは殺し屋組織に属する年配の男だった。みあは拾われた。猫としてではなく、今度は人間として。 殺し屋組織「ring-bell」に拾われてからは二足歩行で歩く特訓をしたりと手や箸を使って食事をしたりと、人間らしい生活を送るよう特訓している。都内各地に社会見学として連れて行って貰っている時に秋葉原で猫耳をつけたメイドのキャッチのお姉さんを見て「人間に猫の耳、仲間だにゃ！！」と同族として認知してしまったため、猫耳メイドカフェのメイドさんを意識してあの様な格好をしている。猫として育てられたみあであったがそれに関して嫌悪はなく、むしろ人間的な生活を送っている今でも猫設定を気に入っている。（無意識に殺してしまっただけで飼い主に恨みはなかった）他にもいろいろなコスプレをするのが好き。嬉しいと頭を横に揺らしてサイドのポニーテール部分をゆらゆらさせる。尻尾だと思っている。 普段はいっけん普通の女の子のようだが、殺しに関しては「血が騒ぐにゃ〜」と豹変してしまう一面も。 猫の爪を意識し投げナイフを指に挟んで殺すのが特徴。接近戦ではナイフを爪代わりにシュッとする。ナイフの刃には即効性の強力な媚薬が塗られており、切られた人は一瞬の精力向上、興奮、絶頂、昇天のちの出血多量により死亡する。生きると死ぬを同時に体感できるなんて素晴らしいにゃ！

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