タグ： 楢月サクヤ

米国人の父親と日本人の母を持つ。大学までは父に言われるがまま米国で育ち、23歳の頃から日本に住んでいる。 父親の持つ工場付属の事務所に所属しつつ、日本で整備や設計チームの一員になるなど、様々な仕事を請け負っている。 自分の頭がいいことを理解していて、かつ仕事への責任感や誇りも強い。 それ故に、エンジニアには少ない女性であること、身長が低いことなどから周囲に舐められないように男装をしており、口も悪い。 ただ、親の七光りと言われない程優れた技術があるのは確か。 淡白そうに見えて情に脆かったり、本当は心が脆い事をチームの同僚達は知っている。何より「男装していた理由」を彼女の母直々に聞いているので、程々の距離感を保ってくれつつも気にかけてくれている。忍と交際を始めた気配を感じた時は謎に皆喜んだそうな。 最近はもう髪の毛も伸ばしているので、男装という男装はしなくなった。職場や父の前での一人称は「私」、夫である神宮寺忍や母の前など、プライベートでは「わたし」。 〈過去〉 本人は無自覚だが、父親から強い刷り込みを入れられていて、「言われるがままに、望まれる結果を出す人形」のようになっている。 かつてエンジニアを目指していたものの、頭脳が足りず代わりに資産で工場を構えた父親(神宮寺・ブラッド・メイソン)が娘の才能や価値に気付いたのは彼女が9歳の頃だった。学校での成績が常にトップクラスであった事や、勉強の為に与えていたパソコンの不具合修正や改造なんかを、娘は1人で成し遂げた。教えてもいないのに、自分で調べて遊びのように、楽しげに。 けれどこの時点では、妻であり日本の工場の管理者でもある「神宮寺聖」とも、娘は自由にさせるつもりであった。 しかし、両親2人揃って過ぎるくらいに過保護であり、それ故に名門私立の一貫女子校に入学させ、箱入り娘のように育ててはいた。 その、中学時代に、凌はトラウマとなる事件に合うことになる。 かつては小物や服など、可愛いものが好きだった。 母が「娘にお洒落をさせる」のが好きだったのもあるが、何より凌本人が、そういった物が好きであった。母が褒めてくれる、金糸のような自分の髪も好きだった。 けれど。14歳の頃だった。 彼女の成績の良さを妬み、「両親が裕福だからだ」「どうせ何をするにも親が金を出して解決してくれるんだろう」と、同級生達からの謂れもない陰湿なイジメが始まった。ものを隠す、勝手に捨てる、など日常的で、暴力ではなく精神的に追い詰めるような事を彼女達はしていた。 それでも凌自身は両親を悪く言われることも、悲しませることも嫌だから、と黙っていたし、相変わらず成績は良く教師達にも気に入られてもいた。 それがまた同級生達に、火をつけてしまった。ある日、「目障り」「教師にも取り入っているのか」「大して可愛くも無い癖に」などと、彼女は長く伸ばしていた髪を無理矢理に切られてしまった。初めて、親の前で涙を隠せなかった日だった。 全ての事実を聞き出した父は、丁度高校に上がるタイミングであった為、即座に違う学校への入学をさせた。そこもまた女子高であったが、マナーに厳しい学校であった事や、同級生らに恵まれた事などから、イジメ等は起きなかった。 けれど、凌は上記の件があった為に「可愛い」とされるものを避けるようになってしまった。自分には不釣り合いなのだと思うようになってしまった。 そんな様子を見兼ねて「善意で」気晴らしの為にと「スミソニアン博物館」に連れ出した父は、そこで娘が一番興味を示したのがやはり「技術」の部分であった事から、「そちらの方面に進みたがる」ように最初は無意識に、段々と意図的に、レールを敷くようになっていった。 電子工学分野を専攻して4年間大学に通い、地頭の良さや本人の努力もあって、凌は卒業後すぐに「米国プロフェッショナルエンジニア制度」のもと、資格の取得をした。 それもこれも、今度は周囲に「女性」が少なかった事、エンジニアという分野は男性が大半であることを大学で知ってしまったからだった。「また、両親の力だと言われたくない」「また、二人を悲しませることがあってはいけない」と、死に物狂いで彼女は勉学に勤しんだし、それを見た父もより、「やはりこの子はエンジニアの分野で生きるべきだ」と思うようになった。何より、凌自身電子工学の分野を自ら好いていたから、丁度日本の工場の経営権を母である聖及び、見合いの末に婿入りした神宮寺家に譲渡したのもあり、日本の工場付属の事務所に所属させる事にした。 資格だけでは、実績が無ければ意味は無い、と、この頃の凌はもう既に、「完璧主義者」になっていた。その為には、他者との交友関係は必要最低限広げずとも良い、と思っていたし、日本語を知り、「可愛い」や「綺麗」がどんな意味かを知った彼女は、「その逆になればいいのだろう」と、男装するようになった。実力で、自分の才能や努力の結果を示すために。弱い自分の本心を悟らせないように。 それなのに、工場で出会った「光明院忍」という男に、初めは無意識にだが惹かれていた。学生時代はとにかく必死で、色恋沙汰を気にしている暇など無かったから、それが「恋慕」だとすぐには自覚出来なかった。けれど、向こうの技術が優れたものだと認めてもいたし、どれだけ不遜な態度を取ろうとも、「完璧主義者」故にズバズバと言ってしまう性格であろうとも、言い返してくる、言い合いできる関係が、むしろ「一定の距離を保つ」チームの同僚達よりも、無意識に居心地よく思っていた。 その後、「ヴィータ」という可愛らしい少女との出会いや、東京を襲った大災害を乗り越えた末に、彼女は恋心を自覚したし、共に2度の死線を潜り抜けた2人は、結果として「交際」を始めることになった。 そうして、一緒に外出をしたり、彼や彼の家族と関わったり、忍自身について知っていくうちに。「もっと好かれたい」「日本の、他の可愛い女の子達に、負けたくない。取られたくない」という思いが強くなった。 ─そうして、彼女は再び髪を伸ばし始めた。口調も、柔らかなものへと変わっていった。かつて好きだった、1度避けるようになってしまった「可愛い」ものに、なりたいと思った。そう、思われたいと、願ったから。 そして、唯一両親にすら言えなかった彼女のトラウマを全て話せたのは、彼だけだった。受け止めてくれると、救い出してくれると分かっていたから。 父の刷り込みも自覚して、それでも「エンジニア」でいる事を誇ってはいるが、今は「自分のために」そうある事が出来ている。ありたい自分で居ていいのだと、教えてくれたのが貴方だったから。 そうして。とある街での事件に巻き込まれた後の事。彼女は、「光明院忍」と結婚式を挙げた。 〈その他事項〉 神宮寺忍について…夫。大好き。一番大切なひと。優しい眼差しも、気遣い上手な所も、撫でてくれる大きな手も。抱き締めてくれる時の、力強い腕も。いつでも、自分を守ってくれるところも。可愛いと褒めてくれる声も。全てが、愛しいと思っている。 背中を預けられる唯一の相手でもあるが、これ以上危険な目にあって欲しくない、今度は自分が支えてあげられるようになりたいとも、本当は思っている。 彼が望むことなら、なんだってしてあげたい。彼が悲しんでいるのなら、自分がずっと傍に居て、立ち直れるまで尽くしたい。そんな無二の相手であり、守られてばかりではなく、自分だって彼を守れる存在になりたいと思っている。 一度は「嫌われたくない」と遠慮がちになっていたが、今は素直過ぎるぐらいに甘えたり、怒ったり出来るようになった。しかし、本人が言いたくない事は無理に訊こうとはしない。言ってくれると信じて、待っている。 いつか、彼が泣き方を思い出せるよう、そしてそれが悲しみではなく喜びによるものであるよう願っている。 …あと。シノブみたいな大家族に、ちょっと憧れてるから、わたし、頑張る。マミィが建ててくれた家、大き過ぎるもん。 甘える時は「Darling」と呼ぶが、人に紹介する時等は「夫」と言う。けれど普段の呼び方はずっと「シノブ」。 ヴィータについて…妹のように感じていて、ただの人工知能だったとは思っていないし、彼女が眠るスマートフォンは大切に家に飾っている。いつか、自分の技術を今よりももっと高められたなら。彼女を再び起こして、また色んな景色を見せてあげられる筈だと信じている。 朝、気だるげにベッドから起き上がりつつも、「Hello、ヴィータ」と声をかけることが日課になっている。 …子供が生まれて、子供達が大きくなる頃までには、何としてでも。そう密かに思っている。 ヴィータに、今の自分が変われたのは、幸せなのは、あなたのお陰でもあるんだよと、伝えたいから。 母(神宮寺聖)…勝てない。敵わない。とにかくその経営の手腕にも家庭的な部分にも尊敬を抱いているし、良き母であり良き相談相手。シノブの話をする時凄く嬉しそうに聞いてくれるので、何かと頼ってしまいがち。家を貰ってしまったので孫は頑張ろうと思ってる(？)。 少し簡単なものから、料理を習ったりしている。目標は和食も作れるようになること。シノブが洋食好きなのは分かってるけど、日本に居るからには出来るようになりたい。 (聖は婿入りした忍君をえらく気に入っているし、光明院家の母である結さんとも「経済格差」など一切合切気にせずな仲良し。そして娘が結婚した相手の弟妹たちが可愛くて仕方ないので光明院家の後ろ盾は任せろとも思っている。) 父(神宮寺・B・メイソン)について…自分の意思を自分で伝えて、シノブと結婚を選んで。それからは、無意識の恐怖心も無くなって、少し強めに出れるようになった。「私の方が現場仕事は理解出来てる」の一言で黙ることを最近覚えた。実は母には逆らえない事も察した。最近態度が妻に似てきていると嬉しそうに零していたのを知っている。関係は家族としても仕事の雇い主としても、以前よりも良好になりつつある。 (何だかんだシノブと話が合いそうだなって薄々思ってるので時々日本に来る時はなるべく顔を2人で見せに行きたいと思っている)。 趣味技能について キック、拳銃…例の事件の後、気晴らしかつ護身術として父に勧められて、長期休暇中などに母の実家に来る度に、とある道場に通って習った。銃は反動に当時身体が耐えられなかったので上手くはない。 目星、聞き耳…父母から周囲に気を付けるように言い含められているため。 変装…男装をするため。最近は、お洒落をするためにも気を使っている。 日本語…日本で暮らすため、最低限は母から習った。最近は、仕事中は多少固いものになるが、随分と女性的な口調に変化した。 料理…まだまだ練習中ではあるが、妻として最低限の事が出来るようになりたいと、母や姑である結さんに色々教わっている。 特徴表…1-4 オシャレ いつも身だしなみに気を使っている。APP+1。 5-3 失敗は発明の母 96以上の出目で失敗した場合、ただちに経験ロールを行い成功で技能値が1成長。 〈通過シナリオ〉 ハロー、ヴィータ→さよならを言いに来た-東京境界防衛戦-→ダンス･ウィズ･ストレンジ→AND/HAND→紺碧に堕ちるサナトリウム→私が父です→どっちが好きなの？→イチャつけ！→R.I.P.→奪還せよ！バレンタイン！→レナトゥスの弾丸 取得呪文 ≪光と闇の目≫：基本ルールブック 6 版 p.278 掲載の呪文 ≪旧き印≫：基本ルールブック 6 版 p.280 掲載の呪文 誕生日…4/9 猫が好き、猫舌。和菓子も好き。 好きな季節は夏。寒いのは少し苦手。納豆も苦手。 口癖は「うぇ」「んみゅ」「むー」。 好きな色は緑、好きな花は向日葵。 意外とお酒も好きだが弱い。 ＡＦ：感情搭載型ＡＩ　ＭＡＺＩＮＡＩ 　ネットの海で日々様々な情報を仕入れている妙に俗世慣れしたＡＩ。一日一回だけ、探索者の【図書館】を成功にしてくれる。

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