タグ： 琴音 NPC

　　　　　　　　　　　　「どんなに世界を渡っても、いつだって君はとても綺麗だった。」 　 　 ニャルラトホテプの一人で、現在は中井槐という実在していた人間にとり憑き肉体を得ている。 普段は穏やかで人間が神話生物などから被害を受けていたらそれを助けてしまう、異端の邪神。 人間を愛おしくも護るべき存在であると認識している。 しかし、きちんとお互いの縄張りであるかどうかは区別しているので無差別になにかを救おうとすることはできない。 自分の管轄であるのならば惜しみのない援助と温情と守護を与える。 現在は雪白台という神の集う場所にて守護者の一人である月城優希を嫁として過ごしている。 雪白台の地でIT企業の代表取締役を普段はしている。会社はめちゃくちゃホワイト。最近は子供もできた。 やはり、邪神ではあるため「力」と「執着心」は他の邪神よりも強い。 　　　　　　　　　　　「なぜ、受け入れない。なぜ、泣く。なぜ、哀れむ。なぜ…………。」 この世界に現界した７番目のニャルラトホテプ。 彼の宿す力は暴力であった。生まれ始めた仮面の中でもおぞましいほどに力を宿しそれは他の追随を許さなかった。 そんな力の権化はとある人形に興味をもった。それは人間でもなかった。ただの人形でもなかった。 まがい物で、中途半端で、どこか歪なそれは繰り返し繰り返し言葉を反芻するだけの存在だった。 神はそれに繰り返し繰り返し言葉を投げかけた。 しかし自分に関心を示すことはなかった。人形は兄の言葉ばかりを反芻する。それがたまらなく不快だった。 自分のモノにならないモノは今までなかったから。どうすれば手に入る？そればかり考えた。 人形にもいつしか自我がはっきりと芽生え始め感情をもつようになった。 そして、その人形と初めて言葉を交わした。 しかし、人間と交流などほとんどしたことのない神はその場で誤って人形を壊してしまった。 神は残念に思い、きまぐれで仲のよかった神格ヨグ＝ソトースの力も借り、別の世界へと渡った。 それが、この物語の序章であり、開幕の合図でもあった。 ２回目の世界は拒絶され ３回目の世界はその兄に妨害された ４回目の世界は初めて目が合い ５回目の世界は漸く声が届いた ６回目の世界は悲しみにあふれていて ７回目の世界は全てが敵だった ８回目の世界は彼女の存在が変質していた ９回目の世界は他者に奪われ １０回目の世界はまた再び会おうと彼女の亡骸を抱きしめて １１回目の世界は狂おしいほどの愛を拒絶された １２回目の世界では……、彼女は目の前で喰い殺された。 次の世界に行く前に。友人は言った。 　　　　　「これで最後だ。今までよく保ったほうだ。これ以上の世界は、もう渡ることはできない。」 その言葉に頷くと神達は門をくぐった。 長くに渡り世界を、時空を移動してきた。それの代償に肉体を保てるほどの力は残っていなかった。 神は一時的に人間の体に宿ることを決意した。 生まれる前の胎児の魂をのっとり、その身に神を宿した人間はすくすくと育っていった。 そこで神は学ぶ。人間の感情、人間の生活、価値観に幸福を、笑顔を、愛情を……。 そこで形成された「中井槐」という人間。 　　　 　　　　　　　　　　　　「大丈夫、今度こそ。僕が君を守るから。君はそこで笑っていて。」 世界を渡るたびに邪神に魂をさらされ続けた月城優希は「癒しの魂」というものに変化していた。 本来宿ることのなかった人形の魂はとても純粋で真っ白で穢れのない魂。 それを取り込めば神であろうと妖であろうと異形のモノたちの能力を底上げし、更なる力を与えるほどの力をもっていた。 神話生物からみたら、極上の餌であった。 そうしてしまった原因は自分にあると、彼は彼女に負い目を感じた。 けれど彼女は自分の腕の中で微笑んでいた。そしてささやく。 　 　　　　　　　「怖くないです。あなたのことは、怖くないです。だから、泣かないでください。槐さん。」 その言葉に、どれほど救われただろうか。彼女の優しい心に幾度となく救われた邪神は 白い歪な人形に恋をした。 　　　　　　　　「貴様ァ……、思い上がるのは其処までにしておけ……。我の花嫁に手を出すとはなァ！」 他のニャルラトホテプに自分の花嫁を寝取られかけたとき、それに気づきそのニャルラトホテプを消滅させた。 全身の皮が剥がれ、そして化け物の血袋に漬け込まれた花嫁を見たとき、そのニャルラトホテプが拠点としていたその地を 感情の赴くままに破壊の限りを尽くした。 雪白台にいる邪神たちもその破壊行為には参加し、一度世界が滅びかけた。 　　　　　　　「大丈夫。僕がずっと、君を守るから。……、だから、そんなに泣かないで優希。」 その後、幾度となく異変や怪異に巻き込まれ続けたが雪白台という地に結界を張ることにした。 それの贄として適正になったのは案の定花嫁である彼女だったが契約がある以上彼自身も贄として守護者の一人となった。 　　　　　　　「君がオリジナルであろうと、僕にとっては彼女こそが全てだ。彼女こそが僕のオリジナルだ。」 襲い掛かった月城優恵を軽くいなし、その力を一時的にでも封じることに成功している。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ