キャラクター保管所
バックアップ
リスト
モバイル版
ヘルプ
ログイン
Twitterでログイン
登録
トップ
Webサービス
キャラクター保管所
クトゥルフ PC作成ツール
Markl
ID:4834158
MD:2cbbd5c84c40bb6fdeddcd4b56a0fdf9
Markl
タグ:
#し宅
非表示
簡易表示
通常表示
生まれ・能力値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
能力値
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
↑ページ上部へ
その他メモ
607D8B 3/16 0:42:07 12 (1D12) 3/16 0:42:17 24 (12D3) 開始前SAN減少 まるくる 回って愛称がこれになってたらいい 長い方 Malkuth dur Yesod'art まるくと でゅー いぇそだ(ー)る 言語ごっちゃ!言語ないし姓名の区切りもそんなに気にしないのかな~と言うような印象 偏見 ネッ! 最後の剣にして強き基礎の炎(これは造語です) ★Malkuth 王国 第10のセフィラ(生命の樹)。最後の剣。守護天使が一応対応してるのはこれはサンダルフォンとかいう説はありますがまあそこはそれで…… 栄光→王国のパスは審判のカードと対応しているらしいし いいですね(?) ★Yesod 基礎 第9のセフィラ こっちがガブリエル。 マルクトが女性でイェソドが男性の面が強いが 女が腹を痛めて子を成さない世界ならそのへんもフラットでしょう なのかな? ★ガブリエル 音の天使 受胎告知もそうだし審判のラッパもそう 音は「光あれ」よりもさらに先、「言葉」として世界に存在した原初の現象 剣とガブリエルといえばローランの歌で聖剣デュランダルを指示したり……そのへんがあるな ちなみに大アルカナ審判のカードも火属性だったりするそうですよ 俺たちやっぱり強火組なのか!?(コロコロコミック爆発オチ) ★デュランダル(Durandal)ゲルハルト・ロルフスは、"dur + end'art"(「強き炎」)と語源を定義した 折れない剣 死に際のローランが折りたくても折れなかった剣 火を尊ぶお国柄なのでそんな意味も込めた名前がつけられているのだろう ----------------------- イフのほうのモチーフ ★ワイルドハント ヨーロッパの伝承 空を進む狩猟団 英国のある場所では、この狩猟団は、宗教上の大罪を犯した者や、受洗していない者を追いかける地獄の猟犬であると言われている。(中略)サマセットではガブリエル・ラチェッツまたはレチェッツ(犬)、デボンでは特に、ウィストマンウッドで見られ[18]。、ウィストハウンドという名もある[10]。このガブリエル・ラチェッツ(ラチェットは犬のこと)、またはガブリエルハウンズとは、古い表現で「死体」を意味する。(Wikipedia) 戦争の嵐との印象があったり…… ヴィルヘルムライヒ オルゴンボックスとクラウド・バスターの話本当に好きなのでよろしくお願いいたします 地理的に死ぬほど現代設定センシティブかもしれない すみません 剣の赤い騎士は戦争だから…… *** 職業技能以外の技能 回避:動物に嫌われるせいで……こちらからも避ける。そうして触れることなく、平定。 隠れる:ゆっくり寝たいので隠れて寝る。昼寝とかも。 聞き耳:ぼーっとしてるようで耳には入ってきている感じ。 精神分析:数学としての精神分析と心理学、心理学がそこそこ数字でどうにかなるが精神分析は……うーん。 追跡:興味持ったものは追いかける、が、それ以外は飽きる。 芸術(トランペット):大好き!なんて数学的な芸術なんだろう 音階もハーモニーも、計算でいくらでも究極の美に近づくんだよ 物理学:主にトランペットのために使われている。 *** ▼アポカリプスの天使として 常に眠そうでぼんやりしている。ように見えて、話しかけたらしっかり返事はする。 頭を常に稼働させていると使いすぎてしまい、疲れてしまうので、普段はクールダウンしているというのは本人談であるので真偽は不詳。 流石に授業中には寝ていない……が、休み時間などになるとよく隠れて眠っているのを発見される。昼寝は心地いい。 その割には朝は早い。高いところでラッパを吹いているのが見受けられる。 数理系の授業が得意。ついでに音楽もトランペットと概論だけは得意。勉強だけに見えて、実はソードも得意。 常に眠そうな彼が唯一しゃっきりと動いているのが見えるのが剣術の授業だろう。座学になると瞼が降りてくるが。 天使としては、満喫して「少年」をしているように見える。 ガブリエル寮の名に恥じぬ合理主義的思考・効率厨といえばそう。睡眠は思考のリセットと記憶の定着には有効なんだけれど、知っていたかい。 (眠いのではない、寝ているのだ) ▼出身 ・「北の国」 寒冷な気候で1年の大半は雪か曇り。晴れの日を見ることはあまり無い。造酒業や漁業、毛皮を主とした狩猟が盛ん。厳しい気候に耐える為に人々は分厚い衣服を纏い、火を大事にする傾向にある。(概要より引用) 小規模な街の、造酒を営む家の息子としてヨハネに生を受ける。 大柄で人のいい父親と肝の据わったたくましい母親を持つ。 おおらかなわりに信仰に厚い両親で、十戒と預言者様への祈りは叩きこまれて育ってきた。 結果、数字を愛する合理的な思考と、信仰に厚い精神が両立することとなる。 どちらかというと外で駆け回るよりは家で本を読んだり酒の発酵を見守る方が好きな少年だった。 北の国の子どもとして狩猟にも参加はしていたが、猟犬との相性がすこぶる悪く、狩猟どころではなくなってしまうこともしばしば。 結局、角笛の代わりにラッパを吹く立ち位置に落ち着くこととなる。 真面目で合理的、あまり人付き合いは得意ではないが気が弱いわけでもなく、頭が固くて図々しい部分もある。 どことなく伝統が抜けない効率の悪い狩猟方法に疑問を持ち、もっと効率の良い方法を……と提案するもなかなか受け入れてもらえない。 酒造蔵の偏屈野郎、というのが周囲の印象。不服なので自分一人で試してみたり……も、ううむ。やはり人数ありきの形態である。 太陽の光も弱いこの国では明かりが非常に近しい存在である。ゆらめくろうそくの光こそ何よりもの子守唄といえる。 ……それに眠りに誘われずに、本を読むようなものもいるが。 暗いところでも気にせず字を読み書きした弊害で近視気味になり、眼鏡をつけることになり、いよいよ前線から遠のくことになる。ううむ。 筋は悪くないはずなのだけれど。 それでも性根は狩猟民族の子なのだ。チームワークはあまりもっていないけれども。 ならばと逆に、一人でも成立する狩猟の方法を生み出してやろうじゃないかと図面に向かう日々が始まる。 なかなか思う通りのものは生み出せない。副産物はできてくる。効率よく酒蔵を回すための換気計画だとか、雪解け水を使用して真水を抽出するための樽だとか、少ない燃料でも持続するような調合方法だとか、厳しい隙間風を防ぐための建築方法だとか……ああ!違う!こんなものを造っている場合ではない、ないのだが……それなりに周囲は喜んでくれたりしていたので複雑な心境である。 そんなこんなで過ごしていれば三十路である。 付き合いの長い酒場の年の離れた娘(16)が差し入れを作ってくれたりもして、まあ、それなりに快適な生活ではあったのだが……自分の望みは叶わぬのに、周囲は幸せそうになっていく。それはなんとも不思議なものである。 それなりに悪くない、と思って、最近では皆のために物を作るようになってもいいと、思えるくらいには。 ある日窓辺に届いたのは黄金の招待状。 こんな夜中にいつもの娘かと思いきや、封を切った途端に空に架かる光の道。 ああ、招待状だ。 偏屈に過ごしてきたようにも思うが、行いとしては、善い行いだったのだろうか。 成程。ううむ。人のために在ることは悪くなかったように思う。 それに、これが届くということは、この地には自分の道具は十分なのだろう。 小さい子にもものを教えていたし……あの子供たちが本当に理解をしていたかは怪しいが…… 脳裏にあの娘の顔がよぎったが、まあ、これでいいだろう。年も離れていたし、彼女も仮の兄離れの時間だ。 そうして一人の男は、誰も起きていない夜に、天に昇っていった。 寒い国のあたたかな街で、朝を告げる喇叭と共に発展をもたらし愛された、地元の発明家の工房は、今もそのままに残されている。 ……開き直っていますとも。 そもそも年齢の概念がないのだから。 精神性?適当であるとも。 元々は、皆と狩りがしたかった、一人の少年なのだから。 -------------------------------------------------------- 以下イフ 長いので3行要約 出身はフィンランドとロシアの境(出身地としてはフィンランド)、近隣諸国の戦争に巻き込まれて少年兵としてゲリラに拾われたよ 戦争のせいで芽が出る前の天才児の才能が偶然出会ったパソコンのおかげで爆速で開花したよ 戦争を終わらせるために善意でしていた研究が真逆の方向で使用され戦犯としてやり玉にあげられたよ 死! ▼とある世界での、とある人間の話 - もしくは、皆と一緒に狩りをした少年 *** 冬の風が吹いて、ユールの火がともされる頃は、家の中にいるべきだ。 暗闇の小道からも、野生のヒースからも閉ざされていて安全だ。 ユールの夜にあてどもなくうろつく者は、樹上からのさらさらと言う音を耳にする。 それは風の音だろう、でも他の木はしんとしている。 でもその次に、犬の吠える声を聞こえる、軍団の首領が舞い降りてくる。 目から火を吹く黒い猟犬、黒い馬のいななき。 —クエルドルフ・ハーゲン・グンダルソン、マウンテン・サンダー、(Towrie 2005) *** その場所は酷く寒く、冷たく、寂しい場所だ。 続く戦火に踏み荒らされた地には花は咲かない。降り積もる雪は泥と混じって斑模様を造り上げる。 唸りを挙げるのは強い風と砲弾だけだ。鳥の囀りは聞こえない。 その場所に、温もりはない。吹き抜ける風を防ぐ、家もない。 ──ああ、ワイルドハントがやってくる。 *** 小規模な街の、一般的な家庭に生を受けた。何をしていた家だったか……よく、思い出せない。 物心ついたころに、家はなくなってしまった。家だけではない、住んでいた街は瓦礫の山と化した。 ああ、なにか、とてもおそろしいものがとおりすぎていったのだと思った。 ぼんやりと、立ち尽くす自分に声をかけたのは見たことのない服を着た、知らない人だった。 何も、何も考えることができない頭では、彼についていくことしかできなかった。 そこには同じくらいから、少し上まで……怯えたような、それでいてどこか飢えた獣のような目をしたこどもがたくさんいた。 きっと、自分も同じ顔をしていたのだろう。 立派な服を着て、自分たちの前に立った大人が告げたのは、自分たちの町が戦場になったこと、そして、そこで生き残った自分たちは既に死んだも当然であること。 しかし幸運なことに、こうして集まることができたこと。一度死んだその命は、ここで有効に──国のために、争いのために活用されるべきだということ。 だから、名を捨て、故郷を捨て、思い出を捨て、我が「ワイルドハント」の一員として戦うのだということ。 幼い頭には、何を言っているのかをすべて理解することは難しいことだった。周囲もそのような様子であったと思う。 ただでされ家が家族が町が奪われた直後なのだ。……誰かが泣きだした。耐え切れなくなったのだろう。それくらい、男女問わず幼い子供たちが集っていた。 静寂を切り裂くようなその泣き声は、すぐに静かになった。脇に控えていた大人が彼もしくは彼女を殴打したのだ。 それを聞きながら、ぼんやりと理解した。ああ、本当に自分たちは死んだも当然の子供なのだと。 そこからの日々は、灰色だった。 心が躍ることもなく、楽しみも、喜びもそこにはない。 一日中人を殺す練習をして、薄いスープと硬いパンを食べ、雪の夜を過ごすには薄すぎる布にくるまって寝る。 熱を出して寝込む子供もいた。ひとしきり泣いて、壊れたように動かなくなった子供もいた。そんな状況でも昔の話をする子供もいた。 それでも、自分たちにはそこで、そうやって命を使う以外に生きる方法がなかった。 少し年齢が上の子供、体格のいい子供は練習だけではなく戦場に駆り出されていった。夜になっても、戻ってきたのはすべてではなかった。 自分は背が低く、まだ幼かったから、実戦に駆り出されるまではしばらく時間があった。 戦争は───長く続いた。隣国同士の戦闘だったのが、周辺国を巻き込み泥沼化したらしい。7つだった少年も二倍の年齢へと成長をした。 まだ、生きていた。あの頃から知っている顔はずいぶん少なくなったが、子供の数は減らなかった。故郷を失った子供はむしろ増えていたくらいだ。 皆一様に表情の薄い顔をして、目だけが、獣のようにギラギラと飢えていた。人を殺すことへの抵抗もなくなっていた。それが生きていく方法だった。 7年も過ごしていれば狭い視野も狭い世界を見渡すことができるほどには成長する。 粗末な銃と粗末な装備。近代兵器の恩恵など末端の少年兵には与えられない。効率の悪さを人材の使い捨てでカバーする現場。 ゲリラ戦を主とする非公式小規模部隊ワイルドハントは、どう考えてもジリ貧だった。 争いが通り過ぎた町を、銃を片手に散策するのも仕事だった。目的は金目の物、新たな戦力になりそうなもの。 死んだ街に管理者はいない。簒奪を罪に問うものももちろんいなかった。 倒壊した家屋に立ち入っているときに、偶然それを見つけた。 隠されたように作られた地下室で光る画面、整列した四角のボタン。薄く青い光を保っていたその機械を見て、本当に久しく、心が動いた感覚があった。 その部屋の持ち主は、どのような仕事をしていたのだろうか。壁にはられた地図、並ぶ薬品の瓶、計算機の画面に表示される数字はまだ生きていた。 気が付けば銃を放り捨て、画面に向かっていた。 画面を流れていく数字は、文字は、聞いたこともない話をしていたが、夢中で眺めているうちに、ある一定の法則を持っていることに気が付いた。 遠い記憶で受けた人並みの教育で、そういえば、数字は好きだったように思う。 彼らはときに日常で使用する言語よりも雄弁で、いつだってたくさんのことを教えてくれた……ああ、どうして忘れていたのだろう。 初めて見る、数字と記号の並びも、こんなにも──雄弁に”話をしている”のに! 視界がクリアになった。 まるで世界が変わったようだった。なぜ、なぜ、今まで自分は考えることを放棄していたのか。 その町の付近に滞在している間はずっと、人目を忍んでこの部屋に通い続けた。 情勢。戦況。現代の世界の景色。数式。元素配列。弾道の描く軌跡。A (a, b) B…… エネルギー資源の枯渇。貧困。寒冷化による著しい不作と食糧不足。人の戦う理由。──【国】が戦う理由。 ああ、こんなことの。こんなことのために、この戦争は終わりも見えないまま続いている。 こんな、解決方法が、視えているもののために。 時間が必要だった。少年兵としてゲリラで動く傍らで、この計算機数台で開発に挑むのは無謀に近かった。 それでもやるしかなかった。だって、解は既に見えていたのだから。 絶対に死ねない、と思った。この部屋が遺したことをやり遂げられるのは今、自分しかいない。 起きている間はずっと脳内で計算を続けていた。前よりも注意散漫に見えたのか、上官に殴られることが増えた。 それでも耐えた。頭を殴るのは勘弁してほしかったが。 夜に眠る間も惜しんで考えた。寝不足の身体には重労働はしんどいものであったが、脳はずっと起き続けていた。 計算。実験。試行錯誤による失敗の日々。そこから1ミリでも前進するものがあれば、それは成功への道となる。 ずっと、ずっと、考え続けていた。 16の時、計算に気を取られた一瞬の油断が原因で左足を撃ち抜かれた。何、計算通りである。前線を退くことになるのは、かえって好都合だ。 とうに帰る故郷もない。他に生きていく道はない。だから覚悟を決めて、本隊のトップに直談判に向かったのだ。 自分の存在と、行っている計画の構想について。戦争を終わらせるための開発と、それに必要な設備と環境について。 絶対に無視はできない話だと、確信していた。これは祈りなどではない。計算だった。 自分が計算を違えるはずがなかった。冷徹で冷酷、有能さで恐れられた将軍の口元に浮かんだ笑みに、勝負に勝った、と感じた。 ゲリラから本隊に移動し、研究施設での生活が始まった。 不自由な左足はハンデではあったが、この頭さえ残っていればどうということはなかった。 弱冠16という年齢で軍を挙げた研究を始めることになった無名の少年に、良い顔をするものはそう多くはなかったが、それすらも眼中になかった。 隠れて画面をのぞいていた時とは違う。あの将軍に認められたという事実は本物だ、だから何人たりとも、この研究の歩みを止めることはできない。 陰で笑われているのは知っている。慣れ親しんだ砲弾と火薬で耳は遠くなっていたが、それでも他人の情動の変化くらいはこの目で読み取れる。 どう思われていても関係ない。自分が成し遂げられればそれでいい。 足が悪いのをいいことに、あからさまに嫌がらせとしてひっかけてくるような同僚もどうでもいい。相手をしている時間が無駄である。 研究データが故意に破壊されていた時は流石に怒りすら覚えたが、それで頓挫するような研究はしていない。 自分にしかわからない方法でバックアップを取っているに決まっているだろう。馬鹿め。 食欲不振、繰り返す嘔吐と吐血、年齢に対して著しく悪化している健康状態でも、頭が動き続けている限り望みはあった。 他の全てを犠牲にして、その頭脳は稼働していた。 花を咲かせる研究だった。 二度と栄えぬ土壌を栄えさせる研究だった。 大地を豊かにして、人を豊かにする、充足という平和をもたらすための研究だった。 自然界に存在するものは多かれ少なかれ放射線を発していると言ってもいい。 宇宙からもそれはやってきている。大地にも存在している。 放射線は人体に害を及ぼす物質ではあるが、それを逆手に取れば……生物学的にも利用できる有益なものとなる。 医療にも使用されている。決して害だけの物質ではない。 今現在知られているよりも、これは、もっと、もっと!人類に可能性をもたらす物質であることを、立証しなくてはならない。 一刻も早く、これ以上、無益な犠牲が戦争によってもたらされる前に。 18歳。科学者として異例の若者ではあるが、実力は確かにあった。 だが、まだ、なかなか、なかなか最終地点に辿り着くことができない。数式は間違っちゃいない。 ああ、誰が邪魔しているというのだろう! この計画を、この研究を、邪魔するということは世界の損失を招く行為に他ならない。 *** 若き科学者の健康状態は、この頃には著しく悪化していた。視力が急激に低下し、裸眼での生活は困難になった。 足を引きずって歩くことができていたのが、杖なしでは歩くことはできなくなった。 強迫観念のような研究への熱意は睡眠時間を著しく奪い、食事を摂っても吐き出す日々。 失敗しないはずの研究で行き詰っていることへの焦燥が睡眠不足に重なり、肉体面だけでなく精神の方にも支障をきたしていた。 元々人付き合いが良い方ではなかったが、このころには研究チームのメンバーとすらもまともなコミュニケーションをとらず、言動にも暴力性が見受けられるようになる。 彼の助手のような立場にいた女性に暴力を振るうなど、素行の悪化が目につき、研究所での立場は芳しくないものになっていた。 *** 19歳。それまでの不摂生がついに祟り昏倒する。 とはいえほんの数時間、彼の健康状態からすれば奇跡のような時間だった。 しかし、その数時間の空白が彼の運命を決定的に変えるものとなる。 目が覚めた時は数秒、何が起きたか理解できなかった。気を失っていた、ということに気付いた時、──ああ、そんな数時間、されど数時間、なんたる損失! 寝かされていた自室を飛び出し向かった研究所、彼のテリトリーに……彼の研究成果の一切が存在しなくなっていた。 嫌がらせもここまでくると悪質を通り越して犯罪だ。喚き散らす彼に、同僚はただ目を逸らし口を閉じたまま。呆然とする彼の背中にかかった声は、自分の才能を見込んだ将軍のものだった。 「よくやった」 「君は我が軍にとって望ましい成果をあげてくれた」 「これで戦争は終わるだろう」 そんなはずはない。まだ完成していない。人を平和にするための機械は…… 「君のおかげで、欧州は人の住まぬ地になるだろう」 温度のない笑顔を浮かべて告げる将軍の横で、目を伏せている助手の女の表情は見えなかった。 その存在は秘匿されているはずだった。 あまりの危険性に。あまりの効力と威力に。 研究の望まぬ副産物として誕生してしまった放射性物質散布装置……核爆弾の数倍の放射能を、ひとつの爆発もなく発することが可能になる未曾有の大量破壊兵器。 破壊するのは物理ではない。人と、人の営み。 歴史でも戦争に使用されることを際で逃れてきたそれは、決して、世に出ては行けない存在だった。 それが。 何を言ったか覚えていない。叫んで将軍につかみかかったところを、護衛に取り押さえられ……後頭部に強い衝撃を覚えたところまでを、記憶している。 *** その日、ヨーロッパ諸国、主に北欧から東欧の、多くの人間の人生が壊された。 協力な放射性物質の無差別な散布により、被爆者数は数万人を超え、建物や自然に残留する放射能の濃度も人体へ著しく影響を与えるものとなった。 非人道的なこの作戦を実行した軍への批判が世界中から集まり、国連は異例の事態として、該当国に対する強制的な国力の剥奪という手段で戦争を集結させた。 この作戦を実行したのは軍の中でもひと握りの独断であったことが判明し、更に世論の怒りは集中する。 「放っておけば、ヨーロッパ諸国だけではなく、世界中が放射能に染まった死の土地になっていたでしょう。犠牲が出てしまったのは非常に許されざることだが、防ぐことができた犠牲もまた存在する」 そう語ったのは該当国と戦闘状態にあった隣国の陸軍、特殊作戦部隊将軍だ。 彼は敵国の将軍として入り込むという驚くべきスパイの手腕を発揮し、この兵器の使用をここまでで食い止めたという。 世界史上でも最悪の作戦を執り行ったのは、当時19歳という異例の年齢にして秘密作戦研究所所長の座についていた■■■■■■■■■■■。 その若さに驚きの声が上がると共に、このような責任能力の低い若者に権力を与えるということが招いた事態を重く受け止めるべきだという意見が多く挙がった。 被告は逮捕当時支離滅裂な言動が見受けられ、精神的にも非常に不安定であったことが報告されている。研究所の職員も被告が独断、独裁的に研究を進めていたことを証言しており、被告の助手を勤めていた女性は暴行のあったことを認めている。また、被告は研究の為と称して非合法薬物を使用していたであろうことも血液検査で判明した。 国際刑事裁判所はこの事態を受け止め、被告を人道に対する罪として有罪判決を下す。処罰は死刑を持って執り行われることとなった。 こうして、12年間続いた戦争は漸く終結を迎えたのである。 *** ああ、どうして、こうなったのだろう。 数字も、科学も、機械も、人の為にあるものであるべきなのに。 自分はただ──人を救いたかったのだ。犠牲が増え続ける度に増えていく、かつての自分のような子供たちを…… 戦争という冬の嵐から、解放したかった。それだけ、だったのだ。 ううむ。ままならぬものだ。 しかし、もう少し、人と話すのがうまければ、こんなことも、なかったのだろうか。 情けない、ものである。 ―――――――――――――――――― 4-4(D) 動物に嫌われる(ボーナス1d6→6) 2-5 鋭い洞察力(目星+30) ――――――――――――――― 天使で少年ゾーン ♪Walhalla/Siip https://j-lyric.net/artist/a06330a/l056660.html https://www.youtube.com/watch?v=06evYHgl09c ↑これすごいてんもく(すごい偏見) ♪神々が愛した楽園 ~Belle Isle~/Sound Horizon http://mamesound.web.fc2.com/shounen/shounen03.html ―――――――――――――― 偏屈おじさんゾーン ♪黄昏の賢者/Sound Horizon http://mamesound.web.fc2.com/roman/roman10.html 偏屈理系おじさん こんな恋愛相談(ではない)は受けませんが ガブリエル(受胎告知天使)なのでこの曲が産む産まないの話してるのいい(この世界に妊娠はないので、ない話) ♪La Fate/ZABADAK https://www.sarkisozum.gen.tr/en/zabadak/la-fate-lyrics https://www.youtube.com/watch?v=rs9E0pdskf0&list=OLAK5uy_no0Bs8JKtW683EX3ESLo7uoY3eq4KmVbY&index=2 I (don't know) want (to know) how (to go) I (want to) go to winterland…… ♪論理空軍/P-MODEL https://petitlyrics.com/lyrics/962793 ――――――――――――――――― どこかの科学者ゾーン ♪機械/筋肉少女帯 https://j-lyric.net/artist/a002b56/l00b75f.html ♪ワダチ/筋肉少女帯 https://j-lyric.net/artist/a002b56/l00ce8d.html ♪NEO-FUTURE/相対性理論 https://mirairecords.com/stsr/2048 超余談 東方なら旧作 推奨技能:探索技能、天使見習いの職業技能、精神分析 天使見習いの職業技能:目星/図書館/説得/心理学/人類学/医学/芸術(トランペット)/ソード(初期値20)
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ
エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
クトゥルフ神話TRPG