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特徴:受け身、急速な回復力 職業特記事項: 言いくるめまたは説得に+10％のボーナス。(クトゥルフ2010 ビジネスマン) 旧姓は瀬川(せがわ)。二万円天呀といろはの母で、職業は会社員。 妖艶でどこか儚さもある美女。押しに弱い控えめな性格をしている。大人しいながらもコツコツと健気に働いており、容姿の美しさもあってか男性社員からのアプローチが絶えない。 日中は真面目な会社員そのものだが、夜は不特定多数の男と遊び回っている。会社でアプローチをかけてくる男性社員たちはもちろんのこと、深夜の繁華街で出会った行きずりの男であっても平気で抱かれてしまう。 彼女は自我をほとんど持っておらず、誰かに必要とされ、抱かれることによって初めて自分の存在価値を実感する。相手は誰でも良い。愛されたい。自分を欲してくれる人間が居ないと苦しくて気が狂いそうになるのである。しかし、欲求が無尽蔵に湧いてくる彼女を心の底から満たしてくれる人間はほとんどいない。そのため、一晩で三人以上の男を相手にすることもザラである。それでもやはり満たされない。満たされないまま朝が来て、不完全燃焼な気持ちのまま出勤する。そんな日々を送っている。 しかし、一人だけ、彼女を心の底から満足させる男がいた。それが二万円詩聖である。 彼もまた、繁華街で出会った行きずりの男に過ぎなかったが、彼と寝て過ごした夜は今までのどの男とも比べ物にならないほど、刺激的で満ち足りたものだった。それだけではない。初めて心の底から愛されているような気持ちになれる、そんな優しさや温かさが彼からは感じられたのである。彼女はすっかり詩聖の虜になってしまい、その日以来、他の男には目もくれなくなり、毎晩毎晩彼と身を重ねるようになった。そして男の子を身篭ったことをきっかけに、結婚を決めた。 詩聖、そして第一子である天呀に囲まれ、彼女はやっと自分の居場所を見つけ、幸せを掴んだ ………かと思われた。 詩聖は天呀が生まれてもなお、他の女を片っ端から抱き続ける日々を送っていた。一夫多妻制なのは分かっていたことだ。詩聖は天呀の面倒も見てくれているし、求めれば自分の相手もしてくれる。不満なことなどない。頭ではそう思おうとしていた。しかし、少しずつ、心の底からじわじわと染み出す「寂しさ」に支配されていった。 「私には貴方しかいなかった。でも、貴方は……私じゃなくても良いんじゃないですか。」 芽生えてしまった感情は徐々に肥大していった。そして、詩聖が知識を身につけるために海外へと飛び立ち、家を開けるようになったことをきっかけとして、ついに歯止めが効かなくなった。彼女はまた以前のように、不特定多数の男にひたすら抱かれる日々を送るようになってしまったのである。「ごめんなさい天呀……だめな親でごめんなさい……」そんな罪悪感に苦しみながらも、そこにあるはずもない愛情を求めて夜の街を彷徨った。どれだけ抱かれても、満たされることはなかった。それでも抱かれ続けた。 それから数年後、詩聖は旅から一時帰宅する。彼女は声を上げて泣きながら、今までの寂しさを全てぶつけるかのように、有無を言わせず彼を襲い、激しく愛した。その行為によって彼女は再び身篭り、第二子である女の子を出産することとなった。 現在詩聖は船で旅に出ており、彼女はまた取り残されている。夫に似た優しい愛情を持つ息子に慰められ、自分とは正反対の無邪気で天真爛漫な娘に励まされることで救われている部分あるが、それでも寂しい気持ちは留まることを知らない。彼女は今日もまた、昼は会社に、夜は街に繰り出す日々を送っている。

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