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17歳にして日本チャンピオンに上り詰めたクルーザー級のプロボクサー。 彼の人生は壮絶なものであった。 彼が3歳の頃、彼の出産と同時に病気がちになってしまった母は他界。 父によって男でひとつで育てられる。 しかし、彼が９歳になった誕生日。彼の父は職場で自殺。原因は職場内でのいじめであった。 この時、彼は父の死の悲しみよりもいじめられ、自殺した父への哀れみを抱いていた。 ここから彼の｢強さ｣への探求が始まったのである。 鉄棒、バレー、バスケ...身長が高くなると言われていたことは全部やった。牛乳も毎日1本のみ、ミロも飲んでいた。 そして彼は誰にも負けることのない大きな大きな肉体を手に入れたのである。 ボクサーに勧誘されボクシングも初めてみた。 しかし、大きいのは肉体のみ。彼には鍛え上げられた筋肉はなかった。そのため彼は、常に相手のポテンシャルを、弱点を見抜くようにして戦ってきた。すなわち、心理戦を得意としてきたのである。 こうして若き天才プロボクサー丹下力が誕生した。 しかし、23の彼に大きな転機が訪れる。 車に轢かれそうになった子供を助けた彼は、その時の傷が原因で左目の視力を失ってしまったのである。 彼はボクシングが出来なくなってしまった。しかし、その結末に悔いはなく清々しささえ覚えたと後に彼は語る。 その後彼はセコンドへと転身。現在は若きプロボクサーをサポートする天才セコンド丹下力として活躍している。 「沼男は誰だ」

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