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「昔はね〜。すべてを知りたい、と思ってたの」 「でも、それよりもっと大切なことがあるな、って思うようになってね〜？」 「えっ？　どうしてそう思うようになったか？」 「ふふ、秘密よ。」 「でもそうね〜。ちょっとした秘密がある方が、人って魅力的なのよ？」(ここでウィンクをする) …… 淡島諒子 身長/体重:秘密(プロフィール通り) 好き:人間観察、散歩、辛いもの 嫌い:孤独 N市UGN支部長で、一見すると柔和な雰囲気を持つ女性。 普段はカヴァ―施設である探偵事務所で依頼受けから実地調査からあらゆる雑務までこなしており、 特に失せ猫探しには評判がある。「ネコちゃんの気持ちになるのよ~」と言っているが、 単にマタタビに類似した化学物質を生成しておびき寄せているにすぎない。 かつては日本支部のエージェントとして活動していたが、上層部に乞われ支部長として配属された。 現在3年目。支部員とも割と打ち解けているが、 一部の支部員からは「あの人、いつもにこにこしてるけど何考えてるかわからないことあるから怖い」と言われていることがある。 ちなみに当人はちょっと傷ついている。 彼女の能力の核となる力は2つ。 1つは自らの周囲に展開した【因子】を通じて力を増幅させるものだ。 レネゲイドウィルスの活性化、神経伝達速度の向上、一時的な脳のリミット解除など、その効能は多岐にわたる。 いま1つは、神経を操作し恐ろしい幻影を見せる業。 彼女は【記憶探索者】と呼ばれる特異能力者であるが、その力を併せて用いることで効果的に恐怖を呼び起こす。 なお、彼女は恐怖の幻影を見せる力をあまり好んではいない様子だが、 有事となれば躊躇なくその力を振るう。 チルドレン養成所の出身であるが、それより過去は語りたがらない。 また、チルドレン時代の同期と結婚している既婚者でもある。 夫は現在UGN本部に所属しており、一度のろけ話を話し始めると止まらない。 …… その子供は、ただぼうっとして何かを見ていた。 友達と遊ぶことはしない。それどころか、家族と話すこともほとんどなかった。 ただ、言葉を発さないまま、人を見て、景色を見て、空を見ていた。 「宇宙人」。それが彼女についたあだ名だった。 何かを問えば、少しの間を置いて、首を縦か横に振った。時にはとつとつと言葉を返すこともあった。 けれど少女は、自分から問うことはなかった。 そんな子供だったから、親は彼女を疎んでいた。 友達もいない。時折気にかける人間はいたけれど、それ以上のものはない。 だから、彼女がいなくなったことに、すぐに気づく人は誰もいなかった。 行方不明になった少女の名は、大口諒子。 今もずっと行方知れずのままだ。 …… FHによって攫われた子供たちの覚醒実験で、 ジャーム化することなく、優秀なオーヴァードとして覚醒した1人の子供がいた。 「記憶探索者」と呼ばれる彼女の特異な能力は、FHにおいてはもっぱら情報収集、あるいは洗脳に用いられた。 その少女が、行為をどう思っていたのか定かではない。ただ、他人の記憶を見て、あるいは操るたびに、 彼女はよく笑い、よく泣き、そしてよく喋るようになった。 喋る内容は、彼女の見た記憶の中身について。 それはもしかしたら、彼女が壊れないようにするための手段だったのかも知れない。 …… それからしばらくの月日が過ぎた。 UGNによって所属するセルが壊滅に追い込まれたことで、 彼女はUGNに保護されることとなる。 UGNの襲撃に際し、彼女は自ら戦闘行為を行うことはなく、 FHの仲間たちが敗走するのをただ見ていた。 それゆえに危険因子とみなされることはなく、チルドレンとして養成されることになったのである。 元FHという肩書きは、同じチルドレンたちの反感を招いたが、彼女はその能力の出力ですべてを黙らせた。 爆発的な薬品生成による自己強化と、徹底した人間観察/記憶探索による確実な『恐怖』の現出は、あらゆる防御を無にする心への刃であり、 ノイマン特有の飲み込みの早さもあり、程なくして彼女はチルドレンたちの中で最も優れた成績をおさめるようになる。 しかしFHで感情表現を得た彼女はコミュニケーションに難があり、孤立を深めていった。 そんな彼女に手を差し伸べた、ひとりの少年がいた。 模範的で、優秀で、心優しい少年。 少女に次いで優秀なチルドレン 彼の名は、淡嶋優といった。 …… 淡島優の仲介もあり、徐々に彼女はチルドレンたちと打ち解けていく。 同時にコミュニケーションに関しても改善され、各支部に配属されるころには、一般人の中でも問題なく過ごせるようになった。 友人たちもできた。 「ひとのことなんてわからないわ。結局、他人はずっと他人だもの」 「わたしたちは、わたしたち自身のことさえも、ちゃんとは理解できていないくらいだから」 「それでもヒトは独りでは生きられない。そういう生き物だからかな」 「それなら、わたしは知りたいと思う」「あなたがどんな人か。何が好きで、何が嫌いか。大切なものはなにか」 「だって、せっかくなら、仲良しになれたら嬉しいと思うから」「あなたは、どうかしら？」

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