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父親が昔不倫で蒸発し、小さい頃から片親の家で育つ。 そんな中、昔誕生日に買ってもらったトワールバトンからバトンの世界にハマり、バトントワラーを目指していた。 高校もバトントワリング部がある有名公立校に入りコンクールでもそこそこの成績を残していたが、高校二年生の時の予選大会で高く投げすぎたバトンが劣化した機材に当たり落下、不運にもチームのトップの腕を潰してしまう。 幸い命に別状はなかったものの、被害者には後遺症が残る結果となってしまう。 被害者の子から恨まれるようなことはなかったものの、責任の重さとバトンを投げることに対する恐怖、そして人と接触することに対する恐怖で競技を続けることが難しくなってしまった。 また、貧乏家庭で育ったため医療費を払うだけの財力もなく、被害者やチームメイト、そしてクラスの子と顔をあわせることができなくなり高校を中退した。 それからというもの、バイトを転々として医療費をかき集める毎日を過ごしていたが、やっとその中の一つから正社員にならないかと声かけをされ月給が安定した。その為、通信教育で高校の勉強をし直そうかと模索中。 ダンスは自分は『もうできなくなった』=『嫌いになった』と考えているが、実のところ暇な時があれば無意識にバトントワリングの動画を眺めていたりする為、心の底から嫌いになったわけではない。しかしもう一生バトンは触れないということは自覚している。 彼女にはただ、もう一度舞台に立つ気力と、新しく何かを始める情熱が足りないだけなのだ。

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