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米は会津藩の米問屋の娘として生まれ、金肥である胡麻油や菜種油のカスを売る油屋に嫁いだ。 男子を1人と女子を2人もうけ、無事に長男が家を継ぐ事になり、2人の娘も良縁に恵まれた。 そう。 一見すると米の人生は順風満帆そのものだろう。 しかし米の内にはいまも赤く燃え続ける信念があった。 -- 天保四年から始まった冷害は毎年その規模を増し、ついには百万人以上の死者を出す大飢饉となった。 米が天保飢饉を生き延びたのは、単に米の実家が米問屋であったからに他ならない。 米の実家は、どうか米をわけて欲しいとすがる人々を拒み続け、見殺し続けた。 幼い米は先日家の戸を叩いた親子の死体に花を手向ける度に「冷害に強い米を作る」と誓ったのだった。 -- 油屋に嫁いだ米は豪農たちを説得し、米作りの改良に情熱を捧げた。 金肥の改良、米の品種改良、農業用地の改良、村同士の取り決め。 飢饉を生き延びた人々は米の「冷害に強い米を」という思いに強く共鳴してくれた。 こうして米が作った米はのちの世のササニシキなどに受け継がれていく。 -- 「さあて、いくとするかね」 旅支度を終えた米は京への道のりを歩きはじめた。 この新しい米を西の商人に見せるためか、はたまた今日の学者さんに呼ばれたのか。 そこらへんはGMが決めてくれるだろう。 米の新たな冒険(東海道)がいまはじまる！

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