タグ： 彩光の射手

「ねえ、蚕って知ってる？蚕は人間にとらわれちゃって野生に帰れなくなっちゃった虫なの・・・人間の庇護がないとすぐ死んじゃうの、私もいっしょ、私も組織の下にいないと生きていけないの」 私はもともとugnに所属していたugnチルドレンだ、両親は私がオーヴァートであることを知ると私を半ば捨てるようにugnのホームに入れた私はとても要領が悪くみんなができることもこなせなかった、任務に行けば足を引っ張り、訓練中もドジばかりして無駄弾を使うような子で自然とホームの中でも孤立していった 教官たちは私によく「訓練中足を引っ張ったから」だの「言われたことしかできないんだから」だの「我が強すぎる、だから何やってもうまくいかない」だの言い 私は私自身の意志で自分の欲望と感情を殺してきた、殺すのは簡単だった、ほしいとか食べたいとかいやだとか思ったらその気持ちを箱にしまいカギをかけ、鎖で縛り付け、埋めてしまうのだ、やりすぎたせいで私が私じゃなくなってしまった、私自身がどこかに喪失してしまったみたいだ・・・でもそれすらドウデモイイ・・・ チルドレンの訓練課程を終えてなお修行が必要と言われレネゲイドに理解のある寺に預けられた、そこではけなされることはなかったが「人間味がない」「欲望とか感情とかそういった類のものが一切感じられない」と言われた。なんでも言われたことはきっちりこなすし、修行態度もまじめで、だれよりもさぼらないいい子ではあるのだが自由時間にまで「何やったらいいのかわからないです」ほしいものはないかと聞けば「自分が何をほしがってるかわからないです」 ゲーム機を与えても「これ、何をやればいいかわからないです」とすぐに投げ出してしまい（3DSとどうぶつの森、アトリエを渡したらしい） ２～3日の休暇と外出許可、お金を与えて「しばらく外の空気でも吸ってくるといい」と言ってあげた日には部屋の押し入れの中にこもり「私捨てられたのかなぁ どうしてみんな私を捨てちゃうの？私、好きにしていいって言われたら名にしていいかわからない・・・組織の下にいなきゃ生きていけないし自由なんて有毒なのに」と泣きじゃくったくらいだ 和尚さんは「お前に人間らしい欲望と人間らしい感情、人間らしい意志を学んでほしい」と言い、私をFHのセルに預けた、FHのセルが所有する一室に寝泊まりさせていただいている

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