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紗倉千都世の兄。紗倉家長男。高卒で学校事務員になり小学校で働いている。実家住みで、家事は万理がやっている。料理は得意というわけではないが、母が亡くなってからなんとかしなければならないと思い覚えた。しかし特別美味しかったり見目が良いわけでもなく、微妙な料理ばかりを食卓に並べてしまうことに関しては申し訳なく思っている。いつか千都世がおいしいと笑顔で言ってくれる料理を作れるようになりたい。 物腰柔らかで優しい性格。怒ったりすることはほとんどない。千都世に対して良い兄でいられるよ心掛けている。まだ幼かったとはいえ、父の死により「自分がしっかりしなければならない、母や妹に心配をかけるようなことをしてはいけない」という気持ちが芽生え、同年代のほかのこどもよりもしっかりした性格に育つ。高卒で働いていることに関しては特になにも思っていない。勉学が得意なわけでも特別好きなわけでもない。スポーツができるわけでもなくこれといって趣味や特技はなかった。だから、早くに就職して家にお金を入れられるほうが万理にとってはよほど良かった。 千都世に写真を撮られるのは嫌ではない。少し照れくさいが、練習になるなら…と好きにさせている。自分を撮ってもつまらないんじゃないかなぁとは思っている。 一人称は「俺」、妹のことは「千都世」と呼ぶ。 「俺は紗倉万理。年は26歳。妹が1人いて、今は2人で暮らしてる。最近は、料理が上手に作れないのが悩みかな…もうすこし器用だったら、千都世に美味しいって言ってもらえる料理を作れたのに……」 そこそこの得意料理は肉じゃが。煮物はまだ美味しい方。オムライスの卵が上手に巻けないので悲しい。好きな食べ物は甘いもの。嫌いなものは特には無い。 高卒で就職したことは構わない。でも少しだけ後悔があった。もともとは教師になりたかった。万理の夢はそれだけだった。父が亡くなってから心配をかけまいとしていたが、将来の夢を母に聞かれて思わず「先生になりたい」と答えてしまった。母は喜んで背を押してくれたが、家計は厳しくなっていくばかりであった。大学へ行くには奨学金を貰わなければならない。母はそれでも夢をかなえればいいと言ってくれたが、万理から諦める選択をとった。それは母のため、妹のため。万理の行動理念のすべてが「家族のため」であった。…家族のため、なのだ。万理は家族のために生きなくてはならない。それは嫌になるほど万理自身が分かっている、紛れもない万理自身が自分にかけた呪いだ。なのに、千都世を、愛してしまった。可愛いたった1人の妹を。兄としてあまりにも相応しくない、あまりにも愚かな感情を、妹に対して抱いてしまった。微笑んだ笑顔もすっと鼻筋の通った横顔も、眼鏡のレンズ越しに見える丸い瞳も、カメラに夢中になっている姿も、すべてが愛しかった。千都世を守るためなら、なんだってする。だけどそれは家族を守る兄として？それとも1人女性を愛した男として？万理は真面目な性格だった、だからこそ妹を愛してしまったことを深く悔やんだ。常にその気持ちに苦しめられている。それでも、「兄」として「妹」を。ではなく、「紗倉万理」として、「紗倉千都世」を愛したい。そんな細やかな祈りは、決して届くことなどない。 千都世に写真を撮られることがとても好き。レンズ越しの瞳が熱心に自分だけを見ている。ぎこちない笑みになるのも無理はないだろう。 <誕生日> 3/24 <シナリオ> 「」なんてね　8/22ロスト 楽園のアノニマス

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