タグ： くろさわ家

「山に登るのは、とても好きです」 「……、おちゃめなんですね」 「帰ってこないから、探しに、いく」 兄弟はいない一人っ子の家に生まれた。しかし彼女には母親がいなかった。元々身体の弱かった母親は自分を生んだ時に亡くなってしまったらしい。父親は穏やかで聡明で優しい人で寂しさを感じたことはなかったが、自分は母が自らを犠牲にしてまで生まれるべきだったのかと幼心に考えそれは今現在まで続いている。真面目でしっかりしていて、その上賢い子どもだった。少し大人びていたから学級委員長に選ばれることも多かったが彼女自身は気が進まなかった。目立つのはあまり得意ではなかったからだ。責任感はあったのできちんと仕事をこなしていた。貧乏くじを引きやすい自覚はあったがあまり気にもしていなかった。 子供らしからぬ子供だった彼女だが、一人の女性に出会う。隣の家に住んでいた一つ年上の女の子。(海鳥 鴉 みどりからす)幼馴染の彼女に対しても最初は元来の警戒心を持っていたが、徐々に無くなっていく。明るく気のいい、優しい彼女を本当の姉のように慕った。そんな彼女にある日突然言われる。「ねえ、山！山に登ってみない？一緒にさ！」 山に登る時はいつだって一緒だった。良き友であり、良き師であり、そしてこの日から良きライバルになった。幼いころから山に触れ山と生き、いつしか職業になった。彼女は世界クラスに有名で女性というハンデを背負いながら過酷な山の単独登頂も成し遂げる。憧れとともに負けたくないという気持ちもあった。少し大人しく真面目な性格だった日和も彼女と共に過ごしていく中で徐々に変わっていく。 性格は明るく茶目っ気もある。しかし元来の真面目で目立ちたくないところも健在。少し人見知りである。また自覚はないが、自己犠牲的なところを指摘されることも多かった。世話好きでお節介。山が好き。山に登ることが好き。誰かと登ることが好き。 特徴表持ち探索者(使用はKPに一任) 愛書家/あらゆるジャンルの蔵書を持っている。<図書館>に+20％。さらに図書館に出かけなくても、自宅の書庫で<図書館>ロールが可能となる。 「これからも一緒に登るんだからさ、今回は大事をとって休んでおきなよ」 「……そうね、いってらっしゃい。気を付けてね」 「えぇ！いってくるわ」 …どうして、なぜ、帰ってこないの。なんで、いつも一緒に登っていたのに。山頂の景色にはいつだって一緒に、あなたが。 あぁ、それでも私は山の魅力に取りつかれている。 20190211 狂気山脈(KP蛍光灯さん) 山登　雄大（やまと　ゆうだい） 纒 充(まといみつる) 山を愛してほしい彼女の気持ちを尊敬しなくてはならない。

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