タグ： Noahの舟

「偶然があるなら、必然もあるさ。その"必然"は、カミサマって奴が決めるんじゃねぇよ。自分が無意識に決めるもんだ。カミサマがいるなんて戯言吐いてみろ。俺が全部攫って、めでたいなぁって、可愛い花で飾り立ててやるぜ」 ヒューイット家に仕える庭師。 庭の木々の剪定や花々を植えて庭を飾り付けることに至福を感じている。時々、花を活けてフラワーアレンジメントや花束を作るのも趣味。蝶や虫と戯れることも稀にある。デカい図体をしながら花や虫を愛でる様は滑稽だが、彼にとっては周りの目など気にならないだろう。 他の使用人の中で不快に感じている人は特におらず、誰にでも当たり障りなく接する。一定の距離感を保ちながら会話をする。踏み込むこともあまりせず、上手く質問をしながら相手から話してくれるのを待っている。所謂、駆け引き上手。一人でいることも好きだが、皆で集まってワイワイ話すのも嫌いではない。 性格は快活で、能天気。ニコニコしていて、日に当たるのがとても似合いそうな雰囲気。ただ、時折、声音が変わる、空気が重くなるなど、陰の部分を出す時もある。へらりとしていて時々意味が分からない発言や抜けたことをする時もあるが、必ず何かは考えて行動している。庭師としての腕には自信があるが、プライドは低め。理由は秘匿情報にて。 自分が作った庭を写真に収められるのは好きだが、自分自身が写真に映ることはあまり好きではない。写真を撮るとなったら、必ずナチュラルに飛び退くか、映っても端っこの方が多い。 ※以下、秘匿HOに関わる情報あり。 【ヒューイット家に仕えるようになった理由】 カイルの前職は詐欺師であった。 貧しい家庭に生まれたカイルは、金に異常な執着心を持つようになる。両親が狂ったように「金が欲しい」と言い続けていたからかもしれない。そして、まだ幼かったカイルだが、初めて市場にいた人のポケットから財布を抜き出し、"偶然にも"上手くいったことから、そのような手口を繰り返すようになる。ポケットから財布がないことがバレたことは何度もあったが、小さな子どもに罪を被せられることは一度とも無かった。偶然に偶然が重なり、カイルは、『これは一種の才能なのかもしれない』と、自分の腕に盲信するようになる。 両親が栄養失調と精神障害で亡くなった後も、彼は盗みを繰り返し、社会的に除け者とされていたグループともつるむようになる。そこでカイルは、盗みから詐欺に路線を変更した。電話をかけて振り込ませる、偽のセールスを行う、その人の家族を装う…ありとあらゆる術を使って何人も騙してきた。カイルも、カイルの仲間も、金が欲しくて。"生きるため"に、たくさんの人を蔑ろにしてきた。 ある日、彼は"偶然にも"ある集団に詐欺を仕掛けた。それは反社会的勢力で、腕っぷしも強い、世界から恐れられている集団であった。そんなことは少しも知らなかったカイルは、一人で交渉場所に向かい、そこでその集団に攻撃され、応戦するが、改造銃で足を撃ち抜かれる。打ち所が悪かったのか、その弾は身体の中で向きを次々に変え、内蔵までも破裂する羽目になってしまった。顔の火傷の跡は、その時の名残。火傷の方の目は、火傷を負った時に視力が格段に落ちてしまったために変色した。 虫の息となったカイルを救ったのが今の当主。気を失っていたために、どのようにしたのかは分からないが、カイルを襲った反社会的勢力は、跡形もなく姿を消していた。 何とか一命を取り留めたカイルは、当主には自分が詐欺師であったことも既に見抜かれており、「"偽り"の電話をかける手を、"本物"の生花を愛でる手に変えてみるのはどうだろうか」と声をかけられ、自分の盲信と被害者の悲鳴や怒号で汚れきった腕を綺麗に落としたいと考えるようになり、ヒューイット家の庭師となった。それが丁度今から一年前。 花や木々のことなど全く分からなかったが、独学で学び、庭師としての役職を果たし、当主に感謝と敬意を示そうと頑張っている。 プライドが低いのは、詐欺師としての本能がまだ残っているから。詐欺師は、自分さえ良ければそれでよし。周りのことなどどうでもいい。自分にとってそれが良い方向に行くなら、土下座でも骨折でも何でもする。 写真に映りたがらないのも、詐欺師時代の本能。写真に残ったら、いつどこで証拠として出されるか分からないだろ？ 【リアムとの関係】 『坊ちゃん』と呼び、可愛がっている。 悪戯好きなことには否定はせず、寧ろ肯定派。笑って見守っている。 時々、自分の手持ちの飴を与えて、次に植える花は何が良いか聞いたりする時もある。

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