タグ： 真理凸男

死神の部屋の机の引き出しを開けば、綺麗な封筒に畳まれた紙が入っているものを見つける。 その中を見れば、ロジの遺書と見えるものが置かれている。 「 これは世間一般的に見れば遺書というものになるらしい 久しく顔を見せてないモルタナゴスが興味を持った事なのでせっかくだから書いて見た。けれども、この遺書は読んでくれる人も読んでもらうつもりもないので、死ぬまでの日記みたいにさせてもらおう。 朝焼けの色に見える病気はどうやらモルタナゴスのおかげのようです。神話生物の魂の色が見られないなんて残念だけれど、モルタナゴスのおかげで僕はこの色に慣れている。モルタナゴスは優しいので満月の夜だけこの症状を緩和してくれるので、目の色を覚えるのには事足りる。 僕たちは2人で1つ。片方が欠ければそれは完璧にはならない物。 僕は生で、モルタナゴスは死 僕たちは二人で死ぬのが運命。導かれるのが運命 僕はモルタナゴスとは対極の位置に居る星ですので、死に近づけるほど喜びが増えるのです。それが例え狂気であろうと、も、死その物であるモルタナゴスに触れ合える時が近づけるなんて嬉しく思う モルタナゴスは僕に眠り、貪り、生きる、死神の意識…すなわち、精神です。モルタナゴスがいなければ、肉体である僕は生きていけないし、僕がいなければモルタナゴスは生きていけない モルタナゴスに夜空のどれかが食べられるとなると、何から頂く？なんて聞いてみたら水星から頂くとの返答が帰ってきた。 惑星から頂くなんて貪欲だ。前ならば前菜の矮星から丁寧に、頂く予定だったはずなのに。 22年間ともにモルタナゴスと生きてきたが、ここまではしたない姿を見せたのは初めてだ。 ワタシたち、ロジ・モルタナゴスは命絶えては別れる運命にあるものでは無い この絆は永遠に繋がれたもの ワタシの足の人差し指から伸びている糸は、ロジの首に伸びているもの ワ　　　　　　　　　　か　　　　命　は 　　　　シ　　ち　　わ　　　　運　　　　な 　タ　　　た　ハ　　　 れ　る　 で　　　イ　　 君の書いた文字は本当に、僕の繊細で細く硬い肉体で書いたのか信じられないほどに、命の根からの言葉を感じる。愛おしいね。 君に頬張られた左目が、嚥下される瞬間を未だに覚えている。あの時に、僕の情景が紫にしか見えなくなっていた瞳が君の喉のココマで来てくれた瞬間を覚えている。忘れられない。 満月の夜だ、今日は夜風が涼しいよ 君の髪を触れられたらどれだけいいよかっただろうか 死ぬ時は、君に骨の髄まで頂いてもらうことを約束しよう 喉を詰まらせないようにゆっくりと咀嚼をして ちゃんと僕のラム肉を最期まで味わって 君からの最後のプレゼントはスイセンの花が良かった 」

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