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本名は「雲出　紗夜（くもず さや）」 不如帰→托卵→うぐいす→うぐいすまめ→えんどう→さや 大本は呉服屋の家系らしいが、とある震災の際の火事で燃えてしまい、 その後ご贔屓だった栫井家に拾われ、下女として働くことになった。 母が自分を身ごもったのは、栫井家に拾われた後の話である。 父はおそらく雲出家の人間の誰か。 父と面識はなく、 ただ漠然と「雲出家」への憎しみが募る日々を過ごすことになる。 捨てられているような形であり、 母は自分を見るたび弱っていく気すらした。 下女としての労働も合わなかったのか、 体も弱かったのが祟り、自分が十の時に結核で亡くなった。 栫井家のことは何と思っていない。 「栫井 つばめ」には重く沈む煙のような嫉妬心を抱いているが、 自分に身代わりの白羽の矢が立った時は、 そんな感情が完璧に凪いでしまうほど、歓喜に震えた。 またとない「雲出家」への復讐の機会だと。 母がなぜ母の姓でなく、 明かすこともできない「雲出」の名を 私に頑なに与えるのか。 母の死に目にも表れなかった愚かな父に抱く憎悪のもと、 「雲出」へ嫁ぐ花嫁となる。 ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ HO1-花嫁 「不如帰」 あなたは雲出の家に嫁ぎに来た花嫁だ。 しかし、あなたは「雲出家」を"食い潰し"たい。 あなたは本物の花嫁ではない。 あなたが世話になっている栫井家は最近事業に失敗し、多額の借金を抱えていた。 そこに声をかけたのが件の雲出家だ。 雲出家は娘を嫁として差し出せば、借金の肩代わりをすると申し出たのだ。 世話になっている家には年頃の娘が一人いたが、不穏な噂のある家に愛娘を差し出すことはしたくない。そこで、同じ年頃であるあなたに声がかかったのだ。 栫井家は、あなたを嫁として差し出すことで莫大な金を手に入れた。 あなたにはもう、帰る家がない。 あなたは何としてもこの家で生き残らなければならない。 「あの声で、蜥蜴食らうか不如帰。」 例え、他の誰もが敬遠する家であっても。

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