タグ： MoMo家の男性陣

公安警察。 昔から正義感の強い青年。 父親と母親、どちらも警察官で家を空ける事が多かったため、姉と一緒に祖母の家に住んでいた。 父親・母親・姉も、大慈と同じく正義感が非常に強く、悪人にさえ「悪人にだって、人の心はある」と考えていた。 父親は警部、母親は警部補で、バディで活躍していた。 殺人を犯した犯罪者にさえ、慈悲を持って接し、刑事たちからの評価は高く、刑務所から出てくる人間の中には、わざわざお礼を言いにくる人もいた。 そんな両親の背中を見て育った大慈は、いつか二人のように、誰でも慈悲を持てる人間になりたいと思っていた。 ある日、両親は立て篭り事件の現場に向かうことになる。 その事件の犯人が「芥警部を出せ」と要求したからだ。 そこには父親が以前逮捕し、釈放された犯人がいた。 曰く、犯人はこう言う。 「俺を慈悲を持って捕まえてくれた貴方に殺されにきた。さあ、俺を殺してくれ」 異質な嗜好の持ち主だった。 作戦では、父親が犯人の気を引きつけている間に、母親と他数名で裏に周り、確保する流れだった。 しかし、その作戦は惜しくも失敗に終わる。他数名の警察官が物音を立てて、犯人に存在を悟られたのだ。 犯人はすかさず、物音を立てた警察官に拳銃を向けた。裏部隊の動きが全く取れなくなった時、犯人が母親を見据える。 まるで、何もかも知ったると言ったように、ニタリ、と笑って、母親がこちらに来れば他数名の警察官に手は出さない、と言った。 それに従う以外の選択肢はなく、母親は犯人に囚われた。 犯人はまた、父親へこう言う。 「こいつを殺されたくなければ、俺を殺せ」 父親は混乱する。どちらも打てるわけがなかった。しかし、母親は「大丈夫！」と叫ぶ。 「この人を許してあげて」と。 今までバディとして、家族として過ごしてきた父親には母親の指示する行動が分かってしまった。 父親は、母親を撃ち抜き、犯人を生かした。 犯人は叫ぶ。 「なぜだ、なぜ、俺を殺してくれない」 犯人は初めから準備していたであろう、逃走経路から逃亡した。 こんな状態でも犯人の逃亡が成功したのも、ひとえに指揮官である父親の思考がうまく纏まらなかったのが大きかっただろう。 父親の射殺は罪にならなかったものの、「刑事としても、父親としても失格だ」と言って、父親はその後、刑事を辞めて家に引きこもってしまう。 そんな中でも気丈な姉は「大丈夫！お父さんは少し疲れただけ！きっと、お父さんたちがした事は正しかった！犯人は改心してくれたわ！」といっそ盲信的な慈悲に満ちていた。 大慈も「うん、そうだよね」と姉に縋っていた。頼れるものが姉しか無かったからだ。 両親の教えは間違っていないと信じたかった。 しかし、残酷にも父親の引退を聞いた、引き篭もり事件の犯人は、姉と祖母を酷い暴行の末、殺害した。 その際、犯人は無事、逮捕された。 連行される犯人は一人残された大慈に向かって、こう呟いた。 「君は残してあげるよ。お父さんのように、慈悲を持った警察官になってくれ。そして、俺を殺してくれ」 その晩、父親は自宅で首を吊り、自殺した。 犯罪者に「人の心」なんて無い、と突き付けられたようだった。 「慈悲」を持って、正義を全うしていた両親もそれに倣っていた姉も、何も関係のない祖母でさえ、全てが消えて亡くなった。 犯罪者に必要なものは「強さ」だ。 慈悲なんて捨てて、相手を潰しに掛かるべきだ。 でなければ、自分のように全てを失ってしまう。 優しさ、とは猛毒だ。 卑劣な犯罪者は優しさにつけ上がり、更に被害者が増やす。 犯罪者は殺さなければならない。 両親の背中に憧れていた大慈は全く逆の信念を持って、警察官を目指し始めた。元々、素質はあったのか、公安警察になる事が出来た。 現在、「NOBODY」の調査を行うため、裏の情報が仕入れるため、ギャンブラーとして生活している。 ギャンブルの知識はあるが、勝つ事はほぼ稀である。 性格は仕事に真っ直ぐで、悪く言えば、仕事に執着している。 仕事に執着しすぎで、最近付き合っていた彼女にフラれた。 振られた理由は情事中に仕事の電話に出て、そのまま仕事へ出かける、を三度繰り返した為。 「仕事とセックスでもしてろ！！！！」と頬を叩かれてフラれたので、割とショックを受けている。 酒が好き。煙草も好き。女も好き。 どれも程々に好きで、女にも一途。 顔がいいので、すぐに彼女は出来るものの、上記の理由で一年ぐらいでフラれる為、その度に凹んでいる。 でも、仕事の執着はやめられない。 同期である入間とは、よく酒を呑みに行っては、彼女にフラれて悲しい、と零している。 腕につけている青いミサンガは姉がくれたもの。大事につけている。 「俺の名前は芥　大慈だ。あぁ？ふざけた名前だって？かっけぇの間違いだろ」 「悪人に心なんてねぇ。そんな甘いこと言ってると足元掬われるぞ」 「死んでこその犯罪者だろうがァ！」 「……なんで、真面目に仕事してたら……フラれんだろうなァ……入間ァ……」 ―――【通過シナリオ】――― 2021/9/24 NOBADY*2 HO1 生還 2022/5/5 ラストグラス　生還

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