タグ： 探索者天下一武道会

警視庁特殊犯罪捜査零課所属のメカニック。 表面上は人懐っこく、誰彼構わずハグをする。 放っておくと女の子がもれなく餌食になっている。同僚の安藤里保がいい例である。 仕事をし、休憩時間に誰かを散々抱き締め回し、チーフについて煙草を吸いに行くというのが彼女のルーティーン。 葉室は自身が幼少期に遠方の親戚に引き取られているため、生き別れになった妹がいる。 中学時代に育ての親からCOされて以降、ずっと探し続けていた。コンピューターに強いのも、刑事になったのも全て妹のため。妹の存在を知ってからというもの、人生の全てを妹に捧げる覚悟で生きてきた。零課を初めとする同僚や警視庁内の関係者、外部の人間にまで人懐っこく話す理由の全ては妹への手がかりを掴むため。異性関係は顔面偏差値に応じてそれなりにあったものの、葉室は他者を好きになったことがない。彼女の世界には妹しかいない。「杏は可愛いし優しいけど一度たりとも俺を見たことがないよな」が振られ文句。 零課の同僚である不平井誠、元同僚の相模原涼の2人とは警察学校時代からの付き合い。 たまたま入学式の席が並んでいたとかそのレベルのきっかけしかなかったが、自分に興味のない不平井と必要以上に干渉してこない相模原は葉室にとってかなり心地よい存在だった。 山下律、安藤里保も同様に、葉室にとって手はかかるもののいじりがいのある愛らしい同僚であった。 以上は、相模原涼が殉職するまでの話である。 n年越しに一連の謎が解決し、改めて相模原涼と妹である南玲子を弔った後。 生きる理由の全てが妹であった葉室は虚無感に包まれてしまう。 謹慎明けにやれ退職だやれ元凶だと騒がしい零課を鎮める手伝いをしつつ、自身の退職に向けての意向を固めていた。 4人の中で唯一の純然たる被害者であるが、その自覚はない。自らの意思で怪物と化した妹をこの手で終わらせられず山下律に手を下させてしまったこと、そのせいで彼が加害者としての罪の意識に苛まれていることに罪悪感と無力感が強まるばかりである。結成から数年間の付き合いがあり、それぞれの理由で加害者として苦しんでいるのを前に被害者ヅラが出来るほど面の皮は厚くなかったというのが真の理由かもしれない。 結局紆余曲折を経て、葉室は現在もまだ零課に留まっている。 刑事を続ける意味も、生きている意味さえも失った葉室が未だ零課に根を張っているのは、彼女に対して一番興味が無いであろう不平井に背中を明け渡されたからである。 今は亡き相模原の居場所を守るため、葉室は今日も後ろを向いている。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ