タグ： カケスの巣

ガブリエル寮の天使見習い。西の国出身。 寮の雰囲気通り、勤勉で努力家。あまり気さくではないが性格は悪くない。 集中力がある反面、集中しすぎるとほかのことに目が行きにくくなる癖がある。 現世では教養として音楽に触れる機会が多かった名残か、天使となってもトランペットは得意。レバーが苦手。 彼の両親は熱心な信徒で、子供が天使に選ばれて楽園で幸せに生きることを望んでおり 特に父には厳しく教育されたが、アスランは静かに淡々と食いついてくるタイプだったので相性は悪くなかった。 「学びを止めた時こそが、人が老化を始める瞬間だ。天使になればきっと永遠に若々しいままなのだから、その身体に見合った志を今から持っておくべきだ」 「どんな小さなことでも、毎日積み重ねこそがいつか考えもしない道に繋がる」というのが父の教え。 寮の決まりで成績への意識は高い。座学は勿論、現世では触れることのなかった剣術にも興味が深い様子。 クールな雰囲気だが、自分の興味がある分野には分かりやすく食いつく。 ◆最悪のif人生 アスラン・エレネル(Aslan・Erener) 生まれはトルコの辺境。閉鎖的な社会で、宗教的な制約の多い地域。 アスランは両親と妹の4人家族。母は神に捧げる音楽を奏でる仕事をしており、彼もまた母親の跡を継ぐことを志していた。 しかしある日、母は事故により急死。アスランと妹をかばった末の悲劇であった。 家族は悲しみに暮れたが、やがて母を強く愛していた父親が精神の均衡を崩し始めてしまう。 まだ10代半ばのアスランに対して暴力を振るうようになり、それは性的なことにまで及んだ。 アスランにとっては非常に屈辱的で、なおかつ優しかった父親の豹変は絶望的なことであったが、自分が虐げられている分妹に危害が加えられないのであれば耐えられた。 この生活は数年間続き、大人に近づくにつれてアスランは母親の残した仕事もこなすようになる。 そんなある日、父親は妹にまで手を出すことを仄めかす発言をする。激昂したアスランは手にしていた母の遺品であるリュートで殴打し、 そのまま弦で父親を絞め殺してしまう。これに関して裁判が行われたが、宗教の規則と結び付きが強い社会であった為父親の凶行はもちろん、 聖なる楽器で尊属殺人を犯したこと、肉親で同性との性行為に及んでいる身体で宗教儀式に関わっていたことにも風当たりは強く、判決は死刑。 アスラン自身も散々な扱いを受けてはいたものの、実の肉親を殺めた己への失意のままに情状酌量を求めることもせずに刑は執行される。享年22歳。 ただひとり残された妹も身売りをするようにどこか遠くへ嫁ぐことになり、彼女の行く末だけがアスランにとって最後まで気掛かりであった。

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