タグ： ヨモギ 魔女

魔女に憧れた女の子は、その日念願をかなえ鏡の前で笑顔を浮かべていた。 くるりと舞うように動けば、それがひらりと風に煽られる、「フフフ。」とてもうれしそうな声を漏らす。 しかし彼女はそれに物足りなさを感じていた、彼女にとってそれは今日のイベントを楽しむには不可欠なモノだった、それは庭や、廊下を掃除するのに使用され、魔女には必須と言っていい道具であった。 箒である。 彼女は箒を求め家を探し歩いた。 べつに箒ではなくともいかにも魔女が空を飛ぶ為に利用している雰囲気さえあれば何でも良かった。 そしてついに彼女はソレを見つける、屋根裏にポツンと安置してあった黒い物体と黒いものと同じ素材で出来ていると思われる長く大きい物体であった。 黒いものは魔法を使う道具に見えなくもないし、長いものは空を飛ぶ道具に見えなくもない、ここまでおあつらえ向きにも置いてあったものだから彼女は夢中になってそれを手に持ち触り、調べる、黒い物体を調べ終え、長い物体を調べている時、彼女はソレの重さか、手が滑ったのか持っていたモノをゆかに落としてしまう。 次の瞬間、雨の日に似つかわしくも無いけたたましい騒音と共に、少女は空を飛んだ。

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