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完璧がはびこる世界で、不完全なものに惹かれた男がいた。 彼はしがないロボットリサイクル職人。 その日は月が綺麗だった。 彼のもとにはいつもどおりの使い古されて機能しなくなったロボット達が運び込まれた。 その中に一体、外傷のない動作も完璧な家庭用アンドロイドが紛れ込んでいた。 ただ一つ、言語機能が作動しない以外は。 言語機能のない家庭用アンドロイドは必要ないと彼女は廃棄されたのだろう。 そんな彼女に彼は惹かれた。なぜだか運命を感じたのだ。 誰かを愛したことがない彼にとってこの出会いは衝撃だった。 それから彼は彼女を一人の女性として愛し、返事のない愛を囁き続けて二人だけの結婚式を挙げた。 月が自分たちをめぐり合わせてくれたと感じた彼は、新婚旅行で月に行こうと決めたのだ。 不完全な家庭用アンドロイド。 姫織（きおり） 女性型ロボット。言語機能は作動しないがその他の機能は正常に動く。 主人と認識した人の命令は絶対で、基本的にサポートに徹する。 主人の危険をいち早く察知し動くことが可能。 手先が器用 動物に嫌われる

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