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二万円 愛流(にまんえん あいる)
ID:3166258
MD:4072a83e6092a7a6ac5166bf55d3963e
二万円 愛流(にまんえん あいる)
タグ:
のヮの式二
二万円家
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生まれ・能力値
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その他増加分
一時的増減
現在値
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幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
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技能
職業P
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(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
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初期値の技能を隠す
複数回成長モード
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<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
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<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
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通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
特徴:大酒飲み、大切なもの 職業特記事項:ファンに対して説得に+20%のボーナス 日々酒に溺れる21歳。その正体は、元超人気アイドルの「めるる」。また、双子の妹には、かつて「新問 薊」としてモデル活動をしていた二万円羽沙真がいる。 いわゆる「絡み酒」であり、酔うととにかく人にちょっかいをかけまくる。人の身体によじ登ったり、関節技をかけたりするほか、アルハラ常習犯でもあり、悪意はないもののかなり有害である。また、テンションが上がると一升瓶を振り回したりするため、あぶない。あぶないよ。 アルコール依存症の治療は行っているものの、禁酒時の離脱症状にどうしても耐えることができず、なかなか困難な状況にある。 しかし、家族の支えによって精神面の方は回復傾向にあり、少しずつ前向きになれている様子。 (ガチャッ) 「ただいま〜!」 「友優和お姉ちゃん〜〜!!!聞いて!!今日の算数のテスト!羽沙真また100点だったんだって!!」 羽沙真はすごく頭がいい。 「すごいよね……!ほら、羽沙真もおいで〜♡……ほら、こっちこっち……!」 ちょっとはずかしがりやさんだけど、真面目で、しっかり者で、いつもがんばってて…… 「えへへ〜!羽沙真はやっぱりえらいな〜〜!なでなで♡」 そして……すっごくかわいい。 私の大切な、大切な妹。 「あぁ〜〜ほんとかわいい〜〜♡……はっ!そうだ友優和お姉ちゃん……ごめん私、ご、55点だった……がんばったつもりなんだけど……はぁ……」 『愛流はちゃんと頑張ってたから大丈夫よ。問題が難しかっただけだから、落ち込まなくても大丈夫。次、良かったら一緒に勉強しましょう。お菓子も用意しましょう!』 「お……お姉ちゃん………!!うわぁぁぁありがと〜〜!!!」 友優和お姉ちゃん。私を、羽沙真を、いつも気にかけて、温かく包み込んでくれる。 すっごく優しくて……大好きなお姉ちゃん。 お姉ちゃんはいつも言う。みんなで何かをするのは楽しいことだよって。 私は勉強も運動も得意じゃないけど、みんなとやるのは大好き。どんなに苦手なことでも、だれかといっしょなら楽しくて、がんばれるんだ。 「……羽沙真も一緒にどう?やる……?やる……!?やった〜〜!!……あ、そうだそうだ!今からみんなで買いに行こうよ!おかしの材料!愛寿叉くんとか愛朱くんもよんだらきてくれるかな?」 かわいい妹がいて、優しいお姉ちゃんがいて……他にもたくさんの大好きな家族に囲まれて……学校に行けば、温かい先生や友達のみんなに会えて…… 私……いろんな人にめぐまれてるな…… えへへ……♡ なんだかすごく…… 「幸せだなぁ……♡」 『……さん。二万円愛流さん!ちょっと!』 「……はっ!!!!!あ、え、えと……」 『幸せそうな顔して……何の夢見てたんですか?ほら、問25、当たってますよ。』 「え……?あ、すみません……!!!何ページでしたっけ……?」 『152ページの上から3つ目の式です。お疲れなのかもしれませんが、授業はしっかり聞いてください。』 し、しまった〜〜〜〜!!!思いっきり寝落ちしてた〜〜〜〜!!! 『も〜〜愛流ちゃんってば寝言なんか言っちゃって……かわいいなぁ……』 『何の夢見てたんだよ〜!あれか?最近オープンした肉まん屋にでも行ってたのか?はははっ』 「え!?肉まん!?!?何それ食べたい!!! ……ねぇ肉まんだって愛朱くん……!後で一緒に行かない……?…………行く?よしっ……じゃあ、また放課後……」 『こら、私語は慎む!』 「あわわわごめんなさい……!」 そっかそっか〜!前言ってた肉まん屋さん、ついにできたんだな〜! 最近寒くなってきたし……あったかいもの食べるのも……いいよね……へへへ…… ……あ、そんなこと考えてる場合じゃないな…… えっとえっと……… 「……………解は……√4x?」 『うーん、惜しいですね。この場合、根号が外せるので2xとした方が良いです。』 わー……なんかよく分からないけど惜しかったっぽい……? ああ……お腹空いてきたなぁ…… 『あとちょっとだったね愛流ちゃん……!』 『寝起きにしては冴えてたよな!次は頑張れよ!』 「あ……ありがとう……?へへ……へへへ……」 あ〜〜〜ん肉まんのことが気になりすぎて授業入ってこないよ〜〜〜!!! うおお……待ってろよ肉まん……! ☆☆☆ 多くの人で賑わう振斗区晴鳥町。最近はおしゃれなショップやメイド喫茶なんかもいろいろ出来たっぽくて、いっそう活気付いてる感じがする。 「えへへっ、この辺りは新しいお店いっぱいあるけど、ここだけはほんと、昔から変わってないなぁ〜。」 まずは愛朱くんもいつも一緒に行く手芸店に寄った。新しいミサンガを作るらしい。 そしてついに!待ちに待ったお目当ての肉まん屋さんへ! 確か……この辺りだったはずなんだけど……あれ、どこだ…… 「………ん?愛朱くんどうしたの?……………さっきのお店に財布忘れちゃった!?すぐ戻るから先に行ってって………え、ちょっと、えっ…………!?」 ………行っちゃった。 うーん、先に行っててって言われても場所わからないしなぁ……とりあえずここで待っとこっかな。 『そこのあなた!すみません、少しお時間頂いても?』 そういえばこの辺ってよく芸能人が出歩いてたりするらしいんだよね……やっぱ変装とかしてるのかなぁ……ばったり会っちゃったりして…… 『ほら!そこのお姉さん!』 「え!わ、私ですか?はい!」 え、誰?なんか、すごい目力…… 『あぁ良かった〜〜、あの、私こういう者でして……』 「あ、はい……?どうも……」 これってあれだよね?名刺ってやつ……? ………芸能事務所!?!? あ、あの有名なところだよね……!?私も知ってるもん……! 『お姉さん、アイドルとか興味ありません?いやぁ……さっきの幸せそうな笑顔にビビッと来ましてね……』 「えへへ……ありがとうございま……アイドル!?私がですか!?」 『そう……是非貴方になっていただきたいのです!これほどの逸材、滅多に出会えないもので……素質十分ですよ。本当に。』 え?今もしかして私……スカウトされてる……?スカウトだよねこれ……!?本当にこんなこと起きるんだ……. 「な、なんかよくわからないんですけど……大丈夫なんですか……?私で……」 『いやぁ〜もう天使が舞い降りてきたかと思いましたから……貴方の笑顔は、多くの人を幸せにする力がありますよ!私が保証します!』 「天使……?ああ、確かに天使お兄ちゃんはいい笑顔しますけど……ああ〜〜そうじゃなくて……!」 『?……ははは。まあ、そう急いで決める必要はありませんから……!お姉さん、まだ学生さんでしょ?お家の方とも相談して、じっくり考えて、決意が固まりましたら、ここにご連絡お願いしますね……!お待ちしておりますよ……!!』 「は、はい!ありがとうございます!!」 アイドルかぁ……私が……アイドル…… そういえば……友優和お姉ちゃんのあの事件があってから……もうすぐ一年が経つ。 お姉ちゃんは今、教師という夢を叶えるために一生懸命勉強を頑張ってる。 前を向いて……毎日を明るく生きようとしている。 私……お姉ちゃんがあんなに苦しんでたのに……何もしてあげられなかったなぁ…… 《貴方の笑顔は、多くの人を幸せにする力がありますよ!》 私の笑顔で……みんなを幸せに……? もし……私がアイドルになれば。みんなを……友優和お姉ちゃんを、たくさん元気付けられる? ……いや……どうだろう……私にできるのかな…… あ、愛朱くん戻ってきた……!! 「おかえり〜!どう?財布あった?……そっかそっか、ちゃんと見つかって良かった! ……よ〜し、あとは肉まん屋さんを見つけるだけだ……! ……はっ、あそこじゃない!?」 ふお〜〜!ついにお店発見!お待ちかねの肉まんだ……!ほかほかふわっふわの出来立てをいただいちゃいますか〜!へへ……♡ 「……ん〜〜……すっごく美味しい〜……♡なんだか、心までぽかぽかするみたい……♡」 二人で買ったおそろいの肉まん。ちょっと大きめでもちもち……すごくあったかい。 「もぐもぐ…………はっ、そうだそうだ愛朱くん……さっきね、その……スカウトの人に……声かけられたんだ。」 『スカウト…何の?』 「…………アイドルにならないか、って。」 『アイドル…?』 「……私の笑顔には、人を幸せにする力があるって言われたんだ。自分じゃよくわからないんだけど……その……愛朱くんはどう思う?な……なんて……」 『僕は』 『僕は、愛流の笑顔が好き』 『愛流の笑顔には、その力、あると思う。』 『愛流がやりたいなら、僕は応援する。』 「……………!」 (ガシッ) 「ほんと!?!?ありがとう!!!!すっごく嬉しい!!!! …………はっ!!ごめんね急に掴んじゃってっ!!大丈夫!?肉まん落としてない!?」 そっか私……アイドルになっていいんだ……! うん、そうだよ……!きっと今なら私でも……友優和お姉ちゃんのために、何かしてあげられる……! 「愛朱くん……私決めた……!アイドルになって、みんなを私の笑顔で幸せにする……!だから……見てて……!!」 背中を押してくれてありがとう……愛朱くん。 私、頑張ってみせるからね。 私は事務所と契約し、アイドル「めるる」としてデビューすることになった。 私はまだ学生だから、学校の勉強も頑張りながらアイドル活動もするということらしい。すごく大変なことだと思うし、正直、ちょっと不安もある。 だけど、私はみんなの役に立ちたい。私の笑顔で、みんなが……友優和お姉ちゃんが幸せになるのなら、やるっきゃないよね……! そういえば、羽沙真もモデルにスカウトされたんだって!「新問 薊」っていうすっごくかっこいいモデルらしい……! やっぱりすごいな〜羽沙真は!私も羽沙真と同じくらい、いっぱい、い〜〜っぱい、頑張らなきゃな……!! ☆☆☆ デビュー後、私の毎日はあっという間に過ぎていった。曲の収録に、写真撮影に、イベントに……スケジュールはぎゅうぎゅう詰め。仕事がどんどん増える一方、学校のみんなと過ごせる時間は短くなっていった。 私はもう、「めるる」になっちゃったんだなぁ。 『めるるちゃん!お疲れ様!いや〜今回のライブイベントも大盛況だったよ!チケットは即日完売!動員数は過去最大!デビューしたばかりだとは思えないよ!』 そしてどうやら……私はすごい売れ方をしているらしい。 「えへへ〜……♡ありがとうございます!次も、もっともっと、頑張ります!」 『はっはっは!かわいいねぇ〜〜!ほんと、花がパァッと咲くみたいだよ!めるるちゃんの笑顔は!……明日は握手会だね。今日はしっかり休んで、体調を万全にして臨んでね!』 「はい!!今日は本当にありがとうございました!!お先に失礼します!!」 はぁ〜……今日も頑張った頑張った!! こんな疲れた時は大盛りの牛丼でもガッツリ食べたいなぁ〜〜 ……あ、そうだそうだ……ちゃんと変装しておかないと大変なことになる……牛丼食べるだけでも気を抜けないんだよなぁ…… (ごそごそ……) これで良し……と。 「……愛朱くん……!ごめんね、また待っててもらっちゃって……」 『お疲れ様。帰ろう。』 「あ、その前にさ……ちょっと寄り道しない?お腹すいちゃって……牛丼とか、ガッツリ食べたい気分なんだよね……!えへへっ」 はぁ〜〜……それにしてもすごいなぁ。ほんと、街の色んなところに「めるる」がある。看板に、ポスターに、広告に…… 『いらっしゃいませ〜〜!何名様ですか?』 「あ、二人です!」 ちょっと待って、今お店で流れてるのって私の曲……!?わぁぁ……こうして聴くとなんか変な感じするなぁ〜〜 『ご注文どうぞ〜』 「……あっ牛丼大盛り一つ!…………うん、わかった……あの、並も一つお願いします!」 『かしこまりました〜〜』 「ねえ愛朱くん……これ私の歌だ……まさかこんな所でも流れてるなんて……ちょっと照れくさいな……」 『僕もいつも聴いてる。元気がでる歌だよ。』 「……!聴いてくれてるんだ!……な、なんか余計に恥ずかしくなってきた……!!」 事務所から「めるるはよく売れている」とは言われてたけど……こうしてみるとすごく実感する。 ライブに来てくれる人だけじゃない。きっと、私の想像以上に、私を応援してくれている人はたくさんいて……今この瞬間もあちこちで私の歌が届けられてるんだ。 凄いことだよね。本当に。 元気が出る歌、か。 私の歌を聴いて、元気になってくれた人……どれくらいいるのかな。 『お待たせいたしました〜〜』 「あっ!来た来た〜!美味しそう……!!♡」 よ〜し、食べるぞ〜〜!!! お腹いっぱい食べて、明日の握手会も張り切っていこう!!! ☆☆☆ その後も、アイドル「めるる」としての私の活動は順調に進んでいった。 デビューしてから、早いことにもう2年。 「めるる」の人気は凄まじく、気づけば「超売れっ子アイドル」と呼ばれるほどになっていた。ライブは常に満席、テレビ番組には引っ張りだこ、CDの売り上げもトップを独占……世間はまさに「めるる」の話題で持ちきりだった。 そんな頃だった。 今日の仕事を終え、家に帰る途中に何気なく開いたニュースアプリ。私は信じられないものを目にする。 「えっ……新問 薊……突然の活動休止って……」 それは、「めるる LIVEツアー超満員!」の見出しに並び、トップに上がっていたネット記事だった。 羽沙真が……?どうして……? ……何かあったのかもしれない……!早く帰らないと……! ☆☆☆ (ガチャッ) 「はぁ……はぁ……ただいま……」 『ああ、おかえり愛流。今日もお仕事お疲れ様。ちゃんと手洗いうがいしなさいよ?』 「はっ……あ……愛恵枝お姉ちゃん……羽沙真が……羽沙真が……!ごめんちょっと話してくる…………」 『え?あ、ちょっと、こらっ!まず着替えなさいって!! …………まったく。』 羽沙真……たぶん部屋だよね。 (……すぅ……はぁぁ……) (トンットンッ) ……いるかな………? (……………ガチャン……) 『………………はい …っ、あ、愛流……………』 羽沙真………!! ……すごく顔色が悪い……どうしたんだろう…… 「羽沙真……モデルやめちゃうってほんと……?」 『………!!…ちがうの…辞めるんじゃなくて、私……………ちがう、ちがう、から……!辞めるんじゃない、辞めたいんじゃ、私は、わたし、本当に…………ちがう、ちがうの……………私は…やらなきゃ、いけないのに………………』 ……羽沙真……?何か変だよ………? 「どうしたの……?一体何があったの……!?」 『………ぁ、ちが…わた、し…………ごめん、ごめんなさい、ごめんなさい……ごめっ、なさ……ごめん………』 ……………何………?その目……………… 怖い 「羽沙真…………何かあったなら教えて…………ねぇ…………どうしてそんなに震えてるの…………?」 『………ちがうの……全部私の所為………私が、悪いだけだから………愛流は、何も…気にしないで………大丈夫………大丈夫だから…………』 羽沙真が悪い……?そんなはずない…… だって……羽沙真はいつも一生懸命で…… ……………笑ってる………………? 怖い いやだ……怖い…… 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い 怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い (ギュッ……) ………………… 「……あの……うまく言えないけど……あまり自分を責めちゃダメだよ?羽沙真は頑張ってた。すごく頑張ってたからね。今はとにかく……ゆっくり休んで。 ……………ごめんね。」 (パタン……) ………………… 私は反射的に扉を閉めた。 そして、今は逃げるように、足早に羽沙真の部屋を離れている。 こんなこと……思っちゃだめなのに…… 実の妹が、羽沙真が…… 怖くて仕方なかった。 あんな羽沙真、見たことない。 私が知ってる羽沙真はあんなんじゃない。 まるで……何かに取り憑かれてるみたいな…… (ドンッ) 「わっ!!!!大丈夫!?!?」 『………別に大丈夫だけど……ちゃんと前見て歩きなよ。危ないでしょ。』 あ、美継ちゃん…… 「ご、ごめんね!!私のせいでぶつかっちゃって……!!……その、考え事してて……」 『………へぇ。あんたが考え事ねぇ。』 「えっと……羽沙真のこと……なんだけど……」 『……はざ……羽沙真……!?』 「う、うん!!!……羽沙真、何か変というか……本当に人が変わっちゃったみたいで………………美継ちゃん、何か知らない……!?羽沙真……どうしてあんなことになっちゃったんだろう……」 『…………………本当に、何も知らないんだね。あんたは。』 「……!!美継ちゃん、知ってるの!?羽沙真のこ 『なんで何も知らないの!?!?あんた、姉でしょ!?!?』 えっ…… 『あんたは考えたことすらない。羽沙真が今までどんな気持ちであんたのことを見て、どんな気持ちで生きてきたか……何も知らず、知ろうともせず、散々のんきに生きておいて……今さら不安になってそれ?ふざけないでよ。』 「……どういうこと……美継ちゃん……」 『どうせわからないよ。あんたには。あんたみたいに恵まれた人間には……羽沙真の気持ちなんて……』 私には……わからない……? ……ううん、関係ない。私は、わからなくちゃいけないんだよ。だって……私はお姉ちゃんだもん。 「わからないままなんて嫌だ……私は……わかりたい。羽沙真をわかりたい。だから……教えてよ。」 『…………あんたは……愛情を独り占めするんだ……羽沙真に向けられるはずの愛情までも。 ……羽沙真はきっと……自分を好きになりたくて、必死に頑張ってたんだよ。それなのに……あんたはその笑顔だけで……いとも容易く手に入れてしまう。羽沙真がどれだけ努力しても、手に入れられないものを……全部、全部……!』 ……独り占め……私が……愛情を……? 『…………ほんと、良いよね愛流は。何も出来なくたって、羽沙真みたいに優秀じゃなくたって……ただ笑っているだけで……いろんな人から愛してもらえるんだから……』 ……… …………… 『……羽沙真……きっとあんたが…………羨まし……かっ…………』 ……………… …………………… ………あれ……美継ちゃん………… ……………泣い……てる……………? 「美継ちゃん……どうして泣いて 『十分でしょ……!!これで……!!……もう……もうほっといてよ……!!!』 「あ!!!待って!!!美継ちゃん……」 美継ちゃん…… …………………… 《…………良いよね愛流は。何も出来なくたって、羽沙真みたいに優秀じゃなくたって……ただ笑っているだけで……いろんな人から愛してもらえるんだから……》 ……美継ちゃんの言う通りかもしれない。 私はただ笑っているだけの……空っぽな人間だ。 その笑顔で愛してもらって……みんなから支えてもらって…… どんなに苦手なことでも、誰かと一緒なら楽しくて、頑張れて…… ……ああ、そっか。 私、一人じゃ何も出来ないんだ。 (ザワッ……) ☆☆☆ 『ええ?追加レッスンを?めるるちゃんが?』 「はい……!あの、私……歌もダンスももっと上手くなりたいんです。トップのアイドルとして恥ずかしくないように。」 『お仕事もあるし、すっごく大変だと思うよ?第一、めるるちゃんの武器はかわいい笑顔と等身大の愛らしさ。上手すぎないのが丁度良いくらいだと思うんだよね。』 「……!だめなんですそれじゃ……!!!私…… "笑ってるだけのアイドル"をやめたくて。……………もうすぐ高校も卒業しますし、そしたら……その分の時間を技術を磨くのに回せるかなって…………実家を離れることも考えてます。その方が打ち込める気がして……」 『ほほう………なるほどね…………いや〜〜めるるちゃんは頑張り屋さんだなぁ〜〜!今のままでも十分かわいいけど、最強になりたいんだね!!よしわかった!トレーナーや講師陣とも話をつけて、特別に長期レッスンを組んでもらうよ!!』 「ありがとうございます!!!精一杯、頑張ります!!!」 こうして私は、高校卒業後、寮で生活することになった。 家族とあまり一緒に居られなくなるのは寂しいけど、アイドルとして成長するためには、もっと、もっと頑張らなきゃ。 ☆☆☆ そのまま毎日は慌ただしく過ぎていき…… (バサッ) 「はぁ〜〜〜〜………今日も疲れた……ふかふかのベッド………あったかい………」 気が付けば、寮暮らしを始めてからもうすぐ2年が経とうとしている頃だった。 レッスンの甲斐あってか、最近はいろんな人から、歌やダンスが上手くなったと褒められるようになってきて、ああ、ここまで頑張ってきてよかったなぁと思えている。 ただ、家族にも会わず、仕事とレッスンをひたすら繰り返す日々は想像以上に過酷だった。「二万円愛流」として過ごす時間はほとんどなくなってしまい、私の日常はすっかり「めるる」に支配されていた。 上がり続ける人気、それと一緒になって膨れ上がる周囲の期待とプレッシャー…… そして何より私を苦しめたのは……「めるるの笑顔」だった。 どんなに辛くても、「めるる」は悲しい顔をしない。いつも笑っていなくちゃいけない。 何故なら、アイドルだから。 ……ああ、 毎日がただ楽しくて、 何も考えなくても自然と笑っていられた あの頃が懐かしいな。 (スッ……) 愛朱くんが作ってくれたミサンガ。このミサンガが、私を護ってくれるお守り。大切な、大切な…… …………… ……愛朱くんに……みんなに……会いたい…… 独りぼっちはやだよ…… 「……ぐっ……ぐすっ……うっ……」 ……ああ……ベッドの上でくらい……「二万円愛流」でいていいよね…… (♪♪♪〜) 何……?電話……?こんな時間に誰から…… 「……はい。……めるるです。」 『誕生日おめでとう。愛流。』 「お、お父さん……!?」 『はっはっは!お前ももう20歳か……大きくなったな……!……明日、愛朱が車で迎えに行くと言っている。愛流はそれに乗って家に帰ってくるといい。パーティで盛大に祝ってやるからな。ああ、安心しろ。事務所にはもう話をつけてある。』 ……ふふっ……はははっ! もう、お父さんったら何者なのほんと……!すごすぎるでしょ! 「え……あ、ありがとう……!楽しみにしてるね……へへ……♡」 ああそうだった!私、今日20歳になるんだ……! お父さん、私を祝うためにわざわざ日本に帰ってきてくれてるんだね。日付が変わる瞬間に電話なんて……すごいなぁ…… でも、すっごく嬉しかった。 久しぶりに、「笑った」って感じがするな。 今日は何だか、良い夢が見られるかも。 ☆☆☆ お父さんの予告通り、誕生会は盛大に執り行われた。楽しい音楽にケーキにご馳走……そして、久しぶりに会う家族。全然変わらない人から、すっかり雰囲気が変わった人、初めて会う人なんかもいる。荒楽暮くん……すごく強そうな名前だ…… ……そういえば羽沙真……いないなぁ…… (トクトクトク……) 「……あ、愛朱くん、ありがとう……!」 そっか、20歳ってことはお酒が飲める……! これってワインだよね?すごくいい匂い…… 『とっておきのヴィンテージものだ。愛朱がお前のために自分で貯めたお金で買ったそうだぞ。よく味わうといい。』 「えぇ!?すごい!!!私、ワインのことはよくわからないけど、絶対高いやつだよね……!はぁぁ……なんか緊張してきた……い、いただきます……!」 (ごくっ……ごくっ……) !!!!! お、おいしい〜〜〜〜!!!!! 「え、凄いねこれ……♡お酒ってこんなにおいしいんだ……♡」 『はっはっは!それは良かった。あまり飲みすぎるなよ?』 「わかってるってば〜!♡」 なんか、ちょっとふわふわしてきた……頭がじわ〜って熱くなって、それが何だか心地良くて……最高に……幸せって感じ……♡……これが酔うってことなのかな…… ああ……何も考えなくていい……楽だなぁ……すごく…… なんだか……ねむくなってきたなぁ…… へへ……♡しあわせぇ……♡ ☆☆☆ 私はあの誕生日パーティ以来、すっかりお酒の虜になり、暇さえあれば飲むようになった。 どんなに疲れても、どんなに辛くても、お酒はその苦しみを全部忘れさせてくれるんだ……まるで魔法の呪文みたいに。 私はもう、お酒抜きでは生きていけない身体になってしまっていた。 『めるる……貴方、また飲んだでしょ!?パフォーマンスに影響が出てるわよ!仕事の前には飲むなってあれほど……!!』 「あ……ご……ごめんなさい……」 『貴方、プロでしょ……!?もう少し自制心を持ったらどうなの……!!せっかく売れてるのに……全部台無しになるわよ!?』 「ごめんなさい……ごめんなさい……ごめんなさい……」 『明日はライブもあるのに……!!はぁ……もう……!!』 わかってる。わかってるんだ。 わかってるのにやめられない。 お酒がないと、私は耐えられない。 辛くて、辛くて、辛くて…… 『良い!?明日は仕事が終わるまで、一切アルコールを口にしないこと!!これ以上みんなに心配を掛けないでちょうだい……!!』 「ごめんなさい……絶対飲みません……飲みませんから………… …………………失礼します……」 (ガチャン…) ……明日は飲まずに仕事……大丈夫かな…… とりあえず……今は一杯が欲しい…… 早く……この苦しみから解放されたい…… 今日のうちに……全部飲んでしまわないと…… ☆☆☆ そして迎えたライブ当日。 マネージャーとの約束通り、今日はお酒を飲まずに来た。来てしまった。 ……大丈夫、きっと大丈夫……だよね…… 『開演5分前です。ステージに上がってください。』 「はい……!」 大丈夫……大丈夫大丈夫…… (パッ) 『うおおおおおおおお!!!めるるだあぁぁ!!!』 『めるる〜〜〜〜!!!こっち向いて〜〜〜〜!!!』 すごい歓声…… みんなが私の声を、私の笑顔を……待ってる…… (……ガクッ……ガクガク……) え…… 嘘……嘘でしょ…… 手脚が……震え……て…… ………とにかく、最初の挨拶を…… 「……みんな〜〜!!今日は来てくれてありが…… (ゴトンッ!!!!) っ……!マイクが……!! ……拾わないと……拾えるかな……ま……まずしゃがんで…… (パサッ……) あれ……また何か落とした……? ……ああ、愛朱くんのお守り…… ……………そっか。切れちゃったんだ。 あーあ。 ザワザワ…… ザワザワ…… 『めるる……大丈夫かな……』 『……これ、やばいんじゃ……なんか震えてね?』 ザワザワ…… ザワザワ…… みんな見てるなあ。 全部見られてるなあ。 ああ、そうだ。笑わないと。 「あ……はは……ちょっと待ってね……」 どんなに辛くても、 「めるる」は悲しい顔をしない。 いつも笑っていなくちゃいけない。 何故なら、アイドルだから。 できない。 私には無理だ。 『めるる!?!?どこ行くの!?!?!?』 『あれ、歌は!?!?』 『まさか、ライブ放棄!?!?』 私は衝動に任せて、ただ逃げた。 震える身体をあちこちにぶつけながら、がむしゃらに走った。 ファンやスタッフが何か言っていたかもしれないが、私にはもう、どうでもよかった。 (はぁっ……はぁっ……) ステージを下り、施設を飛び出し、ビルの隙間を潜り抜け、通りに出て…… 「………!!!」 そこにあった段差を踏み外したところで、私の意識はふっと途絶えた。 ☆☆☆ 『……気が付いたようね。』 「……あ……愛育姉さん……?な……なんで私……家に……」 『会場近くの通りで倒れていたところを車で運ばれたそうよ。擦り傷と軽い打撲だけで済んで良かったわね。処置ならもう終わっているから安心しなさい。』 「あ……ありがとう……」 『今日はもう休んでいた方がいいわ。愛朱、愛流を部屋まで送ってあげて。』 「……はぁ、ごめん……ほんと……」 あ〜あ、まあ逃げちゃったな。私。 今頃、事務所もファンも大騒ぎなんだろうなぁ。 あはは。 もう、どうだっていいや。 私はもう、「めるる」には戻れない。 戻らない。 だって今、すごく楽だもん。 もう、みんなの期待に応えなくていいんだから。 笑っていなくていいんだから。 お酒だって、好きなだけ飲めるんだから。 これでいいんだ。 これで…… 「……うっ……うぅっ……うああああぁ……」 みんな……応援してくれたのに……ごめん……ごめんね……!! (ガチャッ……) 「ありがとう………… ……………ごめん愛朱くん……ちょっとだけ……一緒にいて欲しい…………お酒……一緒にお酒が飲みたい……」 はぁ……とりあえず飲んで落ち着こう…… ……ほんと……お酒がないとダメになっちゃったなぁ……私……あはは…… ごめんね。愛朱くん……お酒まで取りに行ってもらって……付き合わせちゃって…… 「……あ……おかえり……ありがとう…… ……ん?これっておにぎり……わざわざ作ってくれたんだ…………」 愛朱くんのおにぎり。ああ、昔よく作ってくれたっけ。おにぎりは元気が出るよって。 「いただきます………」 あ……美味しい……何だか懐かしくて、安心する味だ…… 「今日は……今日は好きなだけ飲んじゃって良いよね……もう私はアイドルじゃない……全部忘れちゃって……良いよね…………えへへ…… ……ほら……かんぱい……」 私はそれはもう、浴びるようにお酒を飲んだ。 吹っ切れちゃったら逆になんか楽しさすら感じられて、もう何もわからないけどいっぱい笑って、いっぱい喋った。 愛朱はずっと話を聞いてくれて、結局そのまま……朝になっても一緒にいてくれた。 ☆☆☆ ☆☆☆ ぃやっほ〜〜〜!!!♡ あれからいろいろあったけど〜〜私は元気にやってるよ〜〜!♡ 髪も切った!ピアスもいっぱい開けた!携帯番号も変えた!私はうまれかわったのだ〜〜♡ふっふっふっふ〜〜ん♪ 『……今月20日、人気アイドル"めるる"がライブ中に逃走する事件がありました。現在も行方不明となっており……』 ああ〜〜ん……悲しいニュースだ〜〜……せちがらい世の中だねぇ……ぐすん…… 「あっしゅ〜〜にほんしゅおかわり〜〜♡」 やっぱりねぇ!!!そんなときは飲むに限るんだよ!ねぇ〜〜!♡ のめるのめるのめるぞ〜♡さけがのめるぞ〜♡ あぁ……今日もおさけが……おいしい……♡ わたし……しあわせ♡
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