タグ： 山田の宴は首切って終わり

「分かってないなぁ。いい？ぼくはね、かわいいんだよ」 　A型。13歳。花も恥じらう男子中学生。校則を守ってきちんと学校指定の制服を着ているが、上は男子制服、下は女子制服とかいうちぐはぐトンチキ女装具合。スカートの下は普通に短パンを履いている。万が一見えちゃった時女の子に悪いでしょ。そんな格好をしているが別に女の子になりたいわけでも性自認が女の子というわけでもそういう格好が好きだという訳でもなく、ただ似合うから着ているだけ。 　性格は冷静奔放。淡々としているように見えてノリが良く、楽しいことには全力でふざけ倒してことにあたる。ただし表情には出にくいので傍から見れば冗談か本気かの判別がつきづらい。やりたくないことは極力避ける。どうしてもやらなければならない場合テンションがダダ下がる。まぁ中坊なので……。 スタンス:恐ろしく気分屋で飽き性。好奇心が旺盛すぎてひとつの事に長く取り組むことに向かない性質をしている。本人曰く、「剣の道すらここまで続いているのが不思議なくらい」。人をからかうような態度をとるが、自分が上記飽き性を抱えているため「努力できる人間」を無条件に尊敬している。態度には出にくいが。出にくいが！そのため、才ある上でなお向上心を持ち続ける番吉や短い期間で奥義を極めたHO2のことも言葉にはしないがすごいと思っている。人を小馬鹿にしたような態度はとるが、人を貶めるようなことは言わない。 剣:7歳の頃、通っていた剣道場の師範から才を見出され、首武堂に。熱しやすく冷めやすい己の難儀な性格を押してなお真剣に取り組んでいる。つよくなりたい。 　師範→かっこいいよね。ちょっと女の人に弱いとこあるけど。もっといろんなことを教わりたいな。どうしたら、師範みたいに強くなれるんだろう……。 　番吉→ともだち。知り合った時期考えたら幼馴染になるのかな。いいやつだよ。がんばりやだし。それにあいつ才能があるんだ。すっごいよ。ぼくも負けてられないよね。 　佐介→師範の一番弟子ってだけあってやっぱ強い。面倒みもいい方なんじゃない？。あと喋るの好きだよね。ぼくも嫌いじゃないけどあいつには負けるって感じ。人のことからかうのもほどほどにしろよな。 秘匿:師範には死んで欲しくない。だって番吉のたった一人の家族なんだ。家族に死んで欲しくないって気持ちは、分かるから。それにぼくだって師範が好きだ。いなくなって欲しくない。ずっとぼくたちに剣術を教えていて欲しい。 　でも、師範が、決めたんだ。決めたんだよ。あの人が。生贄を出さないと死ぬのに、出さないって。ぼくたちの試験を優先するって。そんなの、ぼくに覆せると思う？なんの意志も、強い熱情も持たないぼくが、あんなに強い人の頑なな意思を、挫けるわけがないじゃんか。 　だから、ぼくは。師範の決断を、絶対に邪魔させるわけにはいかない。ぼくは全力で試験に挑む。そうして、選ばれようと選ばれまいと──師範の最期を、その覚悟を、決意の全てを──見届けるんだ。 過去:天真爛漫で口が悪く手癖も悪く行儀も悪い、ごく一般的なイタズラ坊主だった。双子の姉がいる。名前は真弓。生まれつき体が弱く、また生まれ持った疾患のために幼い頃から入退院を繰り返している。それでも姉はいつも優しく、ベッドの上で咳き込みながら、外を走り回って泥だらけの彼に外の話を穏やかに強請った。得意になって答えてやる。あの通りには野良猫が多い。学校の新しい先生は実はカツラで、母さんの植えた花がそろそろつぼみをつけそうだ。姉はにこにこと聞いた。時々おかしそうに笑って、それはもう、嬉しそうに微笑んだ。 　だから己も嬉しくなって、ついつい口を滑らせた。 「真弓も早く元気になって、一緒に家に帰ろうよ」 　姉は、答えなかった。にこりと無害そうに笑って、またひとつ、乾咳をした。 　姉の病気はいつになっても治らない。両親が医者の話を聞くために病室の外で待たされていた彼は、落ち着きのなさゆえにそっと扉に耳を当てて盗み聞きをした。曰く、娘さんは大人になるまで生きていられるか分かりません、ときた。そんなおかしいことがあっていいものか。どうしてぼくはこんなに元気なのに真弓だけ？ぼくたち、一緒に生まれたはずなのに。あいつだけ先に死んで、ぼくが一人で生きてくなんてそんなのおかしくない？ 　姉のためにできることがあるならなんだってしてやりたかった。まずは問題の病気のことを知ろうとして、医学書を読んではみたけれど、すぐに飽きてやめてしまった。こんな時ばっかり自分の性質が嫌になる。諦めて医者に説明を求めれば、彼らはみな、姉の体の中に悪者がいて、それを倒すために医者も看護師も姉自身も頑張り続けているのだとか。なるほど。なるほど？ 　なら、ぼくが、その悪者を全部やっつけたらいいんだね。 　幼い彼は無知ゆえに、純粋ゆえにそんな結論にたどり着いた。彼は父に相談する。強くなりたい。強くなりたい！ぼくが真弓の悪者を、全部やっつけてあげる！父は困惑しながら、街の剣道場に彼を放り込んだ。やがてすぐに、彼の元に、首武堂への紹介という転機が舞い込んでくる。 本質:とても愛情深い。懐に入れた人間へはなんだかんだ甘いし優しい。番吉もこの枠だが、特段顕著なのは姉への扱い。 　姉が治療や入院のために長く伸ばしていた髪を切った時、いちばん動揺したのは彼だった。入れ替わるようにして、やがて彼はその美しい黒髪を、もう既に揃いではなくなってしまった黒髪を、彼女と同じ長さまで伸ばすことにした。姉は、度重なる治療や環境の変化で、その髪から一切の色を失ってしまっていたのだ。 「真弓。ぼくを見なよ。ぼくはお前だよ。ぼくが似合うんだからお前もまぁ似合うんじゃない？同じ顔だしね」 　彼の女装はそれが所以。姉と同じ顔の己が姉のできなかったことを行って話を聞かせる行為は、至極当たり前のようなことに思えた。 「いい？ぼくはね、かわいいんだ。なんたって、お前と同じ顔をしている」 　「世界一」という言葉が出てこないのは、世界でいちばんかわいいのは彼の姉だからです。 　最初は。それだけだった。 　姉を助けたかった。姉を守りたかった。姉を奪おうとするものなんて、害するものなんて、存在しなくていいと本気で思った。今も思っている。だからすべて、斬り捨ててやろうとそう思った。 　それが無理なことだなんて、もうとっくに分かっているのに。 　病気は体の不調だ。呪いでもない限り、原因を斬って取り除くのは剣士ではなく医者の仕事だ。己は医者になれなかった。勉強をしようとしても上手くいかなかった。自分が恨めしい。 　なら。目的が果たせないとわかってなお、己が剣を握り続ける理由ってなんだろう。飽き性で何事も長続きしないような己が、ずっと拘っているのは──こだわっていたいのは、なぜだろう。 　あぁ。そうか。そうだ。 　はじまりはたしかにそうだった。姉が大好きで、だから取り上げられたくなかった。 　いつの間にか、それが、姉だけではなくなったのだ。 　諦めたくない。捨てたくない。見放されたくない。失望されたくない。期待に応えたい。恩に報いたい。ぼくだってやれると、証明したい。 　だってぼくは。みんなのことが、大好きだから。 ステータスについて:せっかく＋補正が付くのでPOWとDEXを入れ替えてます。あとダメボが欲しくてSTRを振り直しました。 名前:夜竪真弓・刀真→矢盾真弓・刀真 　剣が無ければ盾を破れない、弓がなければ矢をつがえない。真の弓と真の刀は、己の敵のみを真っ直ぐ射抜くだろう。 ************************************** ＨＯ１ 山田 吉之信が生きている 。 《後遺症 : 兄貴肌 姉御肌 》 自分より年下の探索者がその セッション 内 に存在する場合、好きな技能 を １つ 選び、 １０の補正が 入れることができる。しかし、そのセッション内に年下の探索者がいない場合は、技能値を振っている技能の内どれか１つに、 １０の補正を入れなければならない。 ◇オリジナルAF『山田の妖刀』 ◇ 　探索者が愛用している刀。多くの妖怪を斬ったことにより、妖気を吸い取っているため妖刀と化している。尚、このアーティファクト名は仮名になります。自身が愛用する刀に名前をつけることも可能なので、名前を付けた場合はアーティファクト名がその名前ということになります。

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