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特徴表 2-1 手先が器用 ❖生まれつき瞳孔と虹彩が真っ白な男。そのせいで小学生の頃からからかい（ほぼいじめ）の対象となっており、それが理由でクラスになじめず、最上は前髪を伸ばし自分の目を隠し徐々に保健室通いの生徒になっていった。そして中学に進学しても運悪く自分を揶揄ってくるグループの中心人物と一緒の学校になってしまい、学内で会う度に執拗に絡まれ、さらに暴力性を増した虐めを受けるようになり、彼の中でその憎悪は膨らんでいった。 ーーーそんな折だ、たまたま噂話で知った『嫌いなヤツに悪いことを起こせる』おまじないを知ったのは。 単なる好奇心だったのか、それとも本当に痛い目に遭えばいい、どう思ったのだっけ。 いや、ともかく、明確な『悪意』を持ってそれを行ったことは自身が覚えている。 どうせなら楽しみにしたい、そう思って夏休み中に『それ』を実践した。 結果は最高のものだった、夏休みが明けてあいつの姿を見たとき、笑ってしまいそうになった。 眼帯をして、松葉づえをつき、ギプスをはめた足を引きずって歩くあいつの姿と言ったら・・・ しかしその姿をみた自分が感じたのは『これだけじゃあ足りないんじゃないか？』という感情だった。 そうして、あらゆる呪い本や果てはネットの眉唾もののそれらにまで手に付け、彼は見事『完全なる復讐』を遂げたのだ。 自分が試した妙な呪いが流行っていたせいもあって『呪いだ』なんて言われて、校内中、いや町内中その噂で持ち切りになったことを覚えている。 人の不幸は蜜の味、なんていうけどなら自分の不幸を笑うやつには何をしてもいいんだっけ、じゃあ人の不幸を笑う自分に降りかかる不運は、・・・笑われても仕方ないのだっけ？ ともかくそうして少年は『味を占めてしまった』。 それからの転落は容易だった。自分にとって都合の悪い人間、悪意を向けてくる人間にかたっぱしから、呪い（まじない）をかけそいつらが様々な不幸に陥る姿を愉しむ人間になってしまった。本当の最初はもしかしたら、罪悪感があったのかもしれない、たとえそれが自分にとって正当な理由のあるものであれ、人の不幸を痛みを蜜として舐めることに抵抗があったのかもしれない、いやあったのだ。それを覚えていた頃は。 言うなればそれは中毒性の高い娯楽と一緒だ、上手く行けば上手く行った回数が多いほどその蜜は甘さを増す、そうしてまた次を、次の獲物を、と渇きという欲を満たすために求めてしまうようになってしまった。 さてはて、そうして欲に蹂躙された人間が自分にとってどうであったかなどという理由があるかないか、どうでもよくなることにさして時間はかからなかった。それだけのことなのだ。 今日も『自分が不幸に陥って楽しめる人間』を善良な人間の生皮を被って彼は漁っている。 ❖性格-現在 表面上は人懐っこく明るい。ただ人の話はあまり聞かない節がある、しかしこれは幼少時に身についた防衛本能の癖であり、また現在は意図的なものである。 人の噂も七十五日、だったか。今は地元を離れ、おかしな目の色と悪意を長く伸ばした前髪で隠して表向きは『善良な人間』として生きている。 ❖家族構成など 物心つく頃には母子家庭であり、母親は髪も肌も眼も全てが真っ白な、病弱な女性であった。 母は施設育ちで身寄りがないらしく、施設をでた後に父親と出会ったらしいが、それ以外のことは何を聞いても教えてくれなかった。 病弱であるのに、自分を育てるために昼夜問わず仕事をしており、そんな母親を心配させたくなくて、いじめられていることは言い出せなかった。（虐められていることを知れば理由も知るだろうとも思ったので余計に言えなかった節もある）（母親譲りの白い眼をいじめの理由にされていた為） 高校に上がるころ、母親は今までの無理がたたったのか、ついに本格的に体調を崩しさらに病に臥せってしまう。何年かの入院暮らしのあと、治療の甲斐もなく、母親はこの世を去った。母親は身寄りのない天涯孤独であり父親の存在も知らされていない雨音も、また同じように天涯孤独になった。

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