タグ： 案山子ダブクロ

民警の犬、執行人、同族殺し……彼女を呼び表す声は多いが、最も端的に表す呼び名は『焼却炉』である。 オーヴァードと対する際、レネゲイドウィルスごと対象を「殺菌」する焦土兵器。故に彼女が現れれば、オーヴァード達は恐れ戦き逃げ惑う…… 全てを焼き尽くす人口太陽。それが彼女『塵を踏む者』である。 彼女は元々オーヴァードではなかった。しかし、自身の妹がオーヴァードとして覚醒し、その身柄が確保された際、美影は自身の体を検体として捧げることで妹の処理執行を保留とさせることに成功した。オーヴァードの血縁者、レネゲイドウィルスとの親和性を期待され、タルタロス傘下研究施設の所有物となる。 その後、彼女は期待通り強力な力を手にした。契約者としてではなく、オーヴァードへの覚醒と言う形を以て。彼女は研究所の成果物として民警での運用が決まり、その枷として妹・光姫は人間としての立場を保証されることとなる。 同族への同情、どうしようもない現状、日々誰かを殺さねばならない呵責。それが積もる度に彼女はその火力を増していく。 せめて苦痛なく、一瞬で全てが終わるように。彼等・彼女等がそれ以上弄ばれることが無いように――人類にとっては汚らわしき者の焼却炉でしかない彼女は、己を「火葬場」として定義することで、自身の擦り切った精神を保ち続けている。

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