タグ： 誰がロックを殺すのか

古室奏穏（こむろそうおん）。本名。 和楽器バンド「ITATSUKIイーハトーブ」の尺八担当。 常に虚無僧がかぶる深編笠をかぶっており、かぶって外出るときは外出中はほっっっっっとんど外さない。 素顔を公表したことは無いし、バンドメンバーを前に外したことも片手で数えられる程度。 外さないと入れないところには行かないようにしているし、 バンドメンとご飯行くときとかは個室にしてもらった上で被ったまま。 声は高め、背は低め。というか小さい。普段着はバンドTかジャージ。 一人称は「拙僧」　メンバーのことは「〇〇殿」　ファンのことは「衆生の皆様～！！」 陽気で口数も多いが、その風貌から最初は無口キャラだと思われることが多い。 「真白殿、この小瓶は何用かな？は、化粧水。ほほう、拙僧には縁遠いものだなぁ！」 「大志郎殿、こちら其方の…ああ隠さずとも良い良い、拙僧もふぁんだぞ！！」 「フィガロ殿～！今週のじゃんぷ読みましたかな～？？？ 　拙僧このしーんに感銘受けまして！はいこれ新曲歌詞原案！！」 街の大きな駅前でストリートライブ虚無僧をやっていたら、名波真白に声をかけられた。 バンドは初めての経験だったが、他者とのハーモニーで研かれるものもあろう、と 快諾。作曲と作詞の能力を遺憾なく発揮することとなる。 最初に彼らに提案した曲は「春と修羅（mental sketch modified）」 ～何故その出で立ち～ 小学生の時分より勉強は全然好きじゃなかったが、本を読むのが好きで、 地元の作家である宮沢賢治の本をよく読んでいた。 そして、一等好きで、一等嫌いなお話があった。 「よだかの星」という。 皆に醜い、醜い、と蔑まれ続けたよだかが、遂に思い詰めて、 その身を灼いてもらおうと空を飛び回る。しかし太陽にも星にも 相手にされない。 奏穏は、アルビノであった。 弟は両親に似た艶やかで真っ黒な髪と、黒曜石のような眼をしているのに対し、 奏穏はきしんだ白髪と、山火事のように気味悪く燃える眼を持っていた。 家族は決して彼を疎んだりけなしたりはしなかったが、周囲は違った。 親族はいつも話のタネにし、学校の同級生たちは「雪ウサギ」と囃し立てた。 奏穏を話題にする者たちは皆、髪と目の話から始めた。 よだかは、自分だと思った。 しかし、辛いお話の最後。よだかは「自分のからだがいま燐の火のような 青い美しい光になって、しずかに燃えているのを見」る。 涙が伝うのと一緒に、メロディが声帯を震わせた。 この一文が、彼の最初の作曲となった。 自分を表現するものは音楽だ、と気づいた瞬間でもある。 音楽こそ、自分を現す。音楽こそが自分である。 音楽で「古室奏穏」になりたい。 アルビノに負けない強い音楽の個性を求め、出会ったのが、尺八を吹く虚無僧という存在。 仏教の教えは難しくてよくわからなかったが、 般若心経の「真実や本質を見抜く力によって悟りの境地にいたる」という考えは好ましく思った。 自分の音楽が自分の容姿をものともしなくなるまで、彼は虚無僧として容姿を隠すことを決めた。 ※仏門に入ったわけでは無いので僧の知識はからっきし。適当なことを言ってごまかしている。 ※笠もアマゾンで買ったし。 (ここからノイズの。) 　今、巷で噂の楽曲投稿者「Mr.Noise 」の正体は、古室奏穏その人である。 　彼は先天性のアルビノと事故による顔の火傷痕により、周りからの視線に晒され暗い少年期を送っていた。 しかし、その心に音楽という光が差す。目に見えない音楽というもの。 見た目で判断されることの無い音楽そのものになりたい、と彼は強く願っている。 虚無僧姿で自身を覆っているのも、真の理由はこれに尽きる。 　 　その為、顔非公開はもちろん、歌詞のある曲はVOCALOIDや他者への依頼で声を隠し、 投稿コメントには楽曲の紹介以外の文字は打たず、SNSアカウントも無い。 バンドメンバーにも「Mr.Noise 」については一切を隠している。 　代表曲は、 『星めぐり』 『精神』 『ポラーノの広場』 『双子の星』 　どれも、宮沢賢治の作品からである。 　名波真白のことが好き。 　その感情の名が恋慕なのか、明確な名前がまだない。 　奏穏は容姿の醜さ、真白は美しさで周囲からの外見だけの評価を受けていた。 　そこにまずシンパシーを感じたし、容姿に自信をもっているところに憧れがある。 　そして、奏穏の音楽を聴いて真白は美しいと思い、バンドに誘ってくれたわけだ。 　「好き」の感情は、そこからだ。「古室奏穏」という音楽を美しいと言ってくれたのだから。

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