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ゆずりは　かげり 元々は双子であったが、母親が妊娠初期に産気づいてしまったために片割れが流れてしまった。 陽向と翳という名前に決まっていたため、生まれてきた方は翳と名付けられた。 1人だけでも健康に生まれてきたことを喜んだ両親たちだったが、翳が育つにつれて異変に気付く。 翳は人間が一般に持つと言われる喜怒哀楽の心を、いつまで経っても表すことがなかった。 両親は我が子を気味悪がって色んな病院に連れて行ったが、脳にもどこにも異常はなく、ただ感情だけが脱落していた。 両親はこんな気味の悪い子が生まれてきたのはお前のせいだと互いに責任を押し付けあい、翳が死んで陽向が生まれてくればよかったのにと嘆いた。 何軒目かに連れて行かれた精神科医で他人の感情の真似をしたらいいと言われ、翳はようやく人並みに振る舞うことができるようになる。 小学校、中学校と他人の感情の真似をし、だいぶ演技力を身につけることができたと思われる。 しかしまだ15歳でしかないため、ふとした場面でそぐわない言動をとってしまうことがある。 翳の興味は他人の感情の発露を見ることにある。 感情とは何なのか、何故同じ事象を目の当たりにしても人によって抱く感情が違うのか、他人と同じように振る舞っていれば感情があることになるのか、感情はそんなにも尊いものなのかを知りたいと思っている。 大勢の感情を集めるには、新聞部は最適な身の置き場であった。 他人から感情を吐露してもらいやすいように、いつもは明るく親しみやすい人物として振る舞っている。 どんなに共感しているように見え、親切に振る舞い、好意的に見えようとも、翳の中身は空っぽである。 自分の意思で動く人形適度の価値しかない存在だ。 最終的に望むところは、感情を模倣することが出来るようになれば生きている価値が発生するのかを見極めること。 また、生まれた時から感情を有している他の人々にも生きている価値があるのか知りたいと思っている。 他人とは観察対象である。 翳という人物は、中身のないマトリョーシカであり、色のようなものである。 死んだ片割れは男だったようで、彼を惜しむ両親のために男のような喋り方をしている。 一人称はボク、二人称はキミ 学校のストレスチェックで引っかかり、小金井先生には本性がバレてるんじゃないかな

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