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まだマルシェが転入する前——『シュヴァリエ』がリーグ5筆頭チームになる、およそ1年前。たった1度だけ結成された、幻のRファイトチームがあった。 メンバーは3人。5人に満たない半端チームは、しかして圧倒的な『暴力』で瞬く間にリーグ5全勝を果たす。 1度しか出場しなかったチームのメンバーを、覚えている者はほとんどいない。うち1人は現生徒会会計の「あの子」だったのでは、と噂されているが…それ以外については謎に包まれている。 「…もしもし？お、はろはろー。……中央駅だよ。改札前で待ってるんだけど…なんとね、今日はアナが珍しく非番なんだって。……あはは、焦らなくても大丈夫だよ。で、なんかそっちから声聞こえるんだけど。……え、変態ってソレ大じょ、…切れちゃった」 「どしたの風夏？何か揉めてんのあの子」 「絡まれたんだって。いつもの勧誘じゃないかな。声からして多分あれは…シュヴァリエのリーダーさんだね」 「…あの高慢ちきか。ユキはほんと苦労人ね」 「君ほどじゃないと思うけどね。…じゃ、待ちますか」 霊山風夏は、中等部3年生のオーヴァード。能力を隠しひっそりと暮らしていたところをUGNに保護され、アカデミアへ入学する。姉と妹は事情説明済みの上で日本本土に置いてきた。 起源種に感染しており、かつその高すぎるポテンシャルからどう考えてもSランク超の力を持つが、上手いこと手を抜いてAランクに落ち着けている。 図書委員であり、基本は中等部図書室に常駐している。彼女以外はまともに働かないため、ついたあだ名は『図書室の主』。的確に欲しい本を選んでくれる美少女として、図書室利用者には人気を博している。本人は否定しているが。 ・地位：中等部一般生徒、Aランク ・所属：中等部図書委員 ・好きなもの：世話焼き(本人は否定)、放課後 ・嫌いなもの：特になし 「ボク？霊山風夏だよ」 「…ん、いらっしゃい。貸し出しだね」 「これ、返却期限超過。今回はいいけど、次はないからね？」 「何かお探し？…なるほど、それ系なら確かあのへんに——」

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