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『ソープスクール』HO4 職業技能：芸術家で取得 無口な美術教師。口数が少ない割には構われたがりで、放っておかれると拗ねる。喋ったら喋ったで我が強くふてぶてしい。典型的な陰キャコミュ障。 趣味は死んだふりで、授業前には必ず教室のどこかで倒れている。バリエーションがやたらと豊富。斧が頭に刺さっていたり、胸にポッカリと穴があいていたり。アキレス腱を矢に射られていたりすることもある。赴任したばかりの頃、造形がリアルすぎたために各所から苦情が入り、その影響で現在はだいぶマイルドな表現に落ち着いている。生徒もすっかり慣れてしまったのか、「またやってるよ」くらいのリアクションしか返してくれないことが不満。 元々身体が弱く、中学の頃には長期入院していたことがある。入院中のことはよく覚えていないが、誰かが見舞いに来るたびに絵を描き、いろんな人に見せていた。何がきっかけで絵を描くようになったのかも曖昧だが、絵を描くとみんなが自分のことを褒め、たくさん構ってくれた。絵を描くこと自体がが好きになり、趣味としてよく絵を描くようになった。 両親は中学を卒業する頃に離婚した。離婚の理由に興味はなかったが、両親はいつだって揉めてばかりいた。妹の面倒を見るのは自分の役目であり、また、自分の相手をしてくれるのも妹だけだった。身体が弱く何かと費用が嵩む仁は父親に、まだ幼かった妹は母親に引き取られた。離婚以来、母親とはあまり連絡をとっていない。 父親はこちらに関心がないらしく、必要最低限の会話しかしてくれなかった。ある日ふと、父が一番心配してくれたのは自分が倒れて入院することになった時では？と思い至り試しに玄関で横になり父の帰りを待ったところ、父は倒れ伏す自分の姿を見て酷く狼狽していた。こうすれば父は自分に構ってくれるのか、と認識しそれ以来何度も同じことを繰り返すが、すぐに無視されるようになった。これならどうだと凝り出した結果、技術だけが上達していった。 就職が決まり、今の学校に赴任した際にも生徒とのコミュニケーションの取り方が分からず死んだふりをした。驚きどよめく生徒たちの様子に高揚し、以降何度も同じことを繰り返している。 杏が自殺し、死んだふりをするなんて不謹慎だと学校に怒られたがやめる気はない。死んだふりをしていたら死んだ杏の気持ちも分かるだろうか。教室の床の冷たさを感じながらぼんやりと考えるが、今のところ分かりそうにもない。

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