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「何が出来るかって？ 金の為なら、死ぬ以外何でも出来るに決まってるだろ、バカ野郎」 -怪物a 犀原 燈- 現在無職。黒嵜町在住、一人暮らし。食生活を始めとして生活の質は良くないようで、常に髪は整えられず、無精髭が目立つ。 体格は良く、筋肉の付き方からして普段から身体を使っていることは見て取れる。 重度の喫煙者であり、同じ銘柄をポケットに3つは常に持ち歩いている。 5年前から借金取りに追われる日々を続け、現在は借金に次ぐ借金で多重債務者となっている。 持ち前の身体能力、小さめだが生きるのに必死な脳味噌、悪運を使って今日も逃げ続けていた、のだが。 本日はツイていなかったようで……。 【過去】 犀原はかつて警察官であり、愛する妻と娘に恵まれた幸せな生活を送っていた。 しかしそんな幸せの絶頂の中、娘が難病にかかってしまう。治療に必要なのは多額の資金。到底当時の犀原に払いきれる額ではなかった。 もちろん犀原は必死に働き、方々に頭を下げ、真っ当な方法で治療費を集め続けた。 それでも必要な金額には足りない。 犀原は気付く。「真っ当な方法ではダメだ」と。 かつて正義感が強く、警察官になるほどだった犀原の心は、娘を助けたい一心で暗く歪んでいった。 そうして犀原が選んだのは、闇金。臓器売買。その場しのぎで多額の金を得るための、暗い道だった。 ただ、娘と妻にはこれ以上迷惑をかけたくなかった。 彼は愛する娘と妻に一通の置き手紙を残し、忽然と姿を消した。そうして一人で生きる道を目指し、五年前、黒嵜町へと移り住んだのだ。 警察官である彼は、そこの治安の悪さを知っていた。そこは誰も犀原のことを知らない街であり、これからの人生を一人で、責任を負って生き続けるのはうってつけだった。 彼はこの街で戸籍も経歴も全て消し、新しく「犀原 燈」と名乗って生きているのだった。 犀原は今日も走り、逃げ続ける。 何のために生きているかは分からない。 ただ、愛する娘と妻が今日も生きていてくれるのであれば、それで構わない。 その為に、名前も生きた証も全て捨ててきたのだから。

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