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ネット上で踊り手「bugiardo （イタリア語で嘘つき。ピノキオの原作者がイタリア人であることに由来）」として活動しながら、コンテストなどにも出演し、何度か賞も受賞してる結構すごい人。活動名は、人間なのにマリオネットのように振る舞っていることから、あやつり人形として有名なキャラクター、ピノキオの有名なシーンをとって「嘘つき」とした。 ダンサーとして活動する際は、体にマリオネットのような関節の線を描いている。まるでロボットのような機械的できびきびとしたダンスと、人間らしく緩急のついた優雅な舞の二刀流で、そこそこ人気がある。 細身ながら鍛えられた身体で、激しいダンスも難なく踊りきる。だが踊る際は長袖長ズボンで踊っていることが多いので、あまりその筋肉は日の目を見ない。肌を隠す理由は、マリオネット関節を描くのが面倒だから。両利きなので、手の関節は自分で描いてる。また、利き足もないので、言葉通り自由自在に体を操っている。アクロバットもできる。ただ、マリオネットっぽくアクロバットをするのが難しいので、あまりやらない。 マリオネットのように自身の身体を操るために、人間の身体、特に関節について独自に研究した。関節の仕組みや可動域を理解しているということは、どこを抑えれば動かなくなるかを理解しているということでもある。力も強いので、理論値相手に組み付いて拘束することができる。 ネット活動は、動画撮影、編集担当の相方「Puppeteer」（英語で“人形師”、ディズニーがアメリカ出身であることに由来）と二人で運営している。相方は中学の同級生の男。プログラマーとして働く傍ら、晄大の活動の裏方を担当している。コンテストやツアーには同行しない。クラスで好きな踊り手の話をしてたらすごい勢いで晄大に捕まった。本人も動画編集やネット活動に興味をもっていたので快諾した。現在は報酬ももらいつつ趣味程度に楽しんでいる。 猿子 淑佳（ましこ　よしか）とは高校の同級生。当時風紀委員だった猿子に、瞳の色や制服の着崩しについてお小言を頂戴した一件から、話すようになった（？）。風紀に厳しい彼女といると、息が詰まる部分もあるが、自分の領域に踏み込んでこない彼女と過ごすのは非常に息がしやすかった。また、淑佳は周りにいない独特な人で、反応が面白い人とも思っており、彼女のことは「よっちゃん」「よしかちゃん」と呼び、気に入っている。 飄々としており、他人に手の内を見せない男。例の事件後、親に捨てられた（と本人は考えている）ショックにより、感情が表に出ることがなくなった。しかし、その分ダンスで感情を表現するようになり、それで心を保っていた。表情も、小学生の内は薄ら笑いの鉄面皮だったが、中学でPuppeteerと、高校で淑佳と出会ってから、表情も取り戻しつつある。 他人に関せず、我に関すなスタイル。ただ、淑佳には関わる。Puppeteerとも能動的にかかわる方だが、彼には彼の家庭があるので、あまり他人の自分が彼の時間を占有するのは良くないと思っている。 もとより体を動かすのが好きだったが、教団内でバタバタすると怒られるので我慢していた。両親と引き換えに自由に踊れる環境を手に入れてからは、思う存分ダンスに打ち込んだ。引き取られた叔母（父の妹）夫婦は息子がいなかったので、晄大を可愛がった。叔母夫婦のことはありがたいと思っているが、自分が親に捨てられたことに変わりはない、と本人はほの暗い考え方をしている。叔母夫婦は好きに過ごして部活や習い事も自由にしていい、と言ったが、晄大はダンスサークルに入ることだけを望んだ。 母方の祖母が北欧人で、瞳の緑は隔世遺伝した。髪はキャラ付けとして染めた。黒いカツラや帽子をかぶれば街を歩いてもバレないし、瞳の色も相まって良いキャラ付けができるので、本人も割と気に入っている。 教団には、事件が起きた日までの10年間を過ごしたが、その頃の記憶はほぼない。覚えているのは、オリコという少女がいて、言葉遊びや宝遊びをして一緒に遊んでいたことくらいである。そのオリコという少女の顔はおろか、声や身長、年齢なども思い出せない。彼女？と遊んだ記憶がおぼろげながらあるということは、それだけ自分にとって楽しかったのかな？と考えている。事件が起きてから、彼女？にお礼を言えたかも思い出せず、悶々としている際に踊り手の存在を知る。自分は好きなダンスに思う存分打ち込めて、他人からも評価してもらえ、有名になればオリコに見つけてもらえるかもしれない、と考え、踊り手としてネットの世界に身を投じた。もしオリコに見つけてもらえたら、なんとかコンタクトを取って、遊んでくれたお礼を言おうと思っている。 実の親のことは他人のように認識しており、生死やどこで何をしているかなどに興味がない。いまだに宗教を信じていようが、宗教の自由ってのがあるし僕には関係ないよね、というスタンス。一時期自分を捨てた、自分のもらえるはずの幸せや愛を奪った、と恨みまくっていたが、一周して興味を失った。教団に対しても、自分の好きなダンスを制限する良くないもの、という印象が大きい。教団がなければ自分も両親と普通に暮らせていたかもしれない、と夢物語を見ることもあったので教祖一発殴ってもまぁ怒られないでしょ、と思っている（問題になっても嫌なので殴らないが）。 他人に干渉されるのを嫌うので、事務所に所属していない。また、ミニマリスト気味で、部屋にものが少ない。少ないリアルイベントで貰った差し入れや手紙は取ってある。消耗品は普通に使っている。 どちらかと言えば刹那主義。歳をとると思うように身体が動かなくなる＝ダンスができなくなるので、長生きに興味がない。タバコは体力が落ちたり、息切れしたりとパフォーマンスに影響が出そうなので吸わない。酒は飲む。そしてザル。身体が火照るので練習の時は飲まないが、家でも外でも割と飲む。 ダンスに対して非常にストイック。スキルアップのためになりそうなことは貪欲に吸収する。己を鍛えるのに余念もない。自分は自分、他人は他人という考えが強いので、スキルアップを怠る人を見ても怒りが湧いたりはしない。勿体ないことしてるな、とは思うが、教えてやる義理はないので思うだけ。 オリコちゃんには会えたけど、お礼を言うような人物ではなくなってしまうので、感謝の意は心にしまうことにした。いつか、彼女と昔を懐かしめたら、その時に例を言おうと考えている。 『アンチテェゼ・ポジション』 「どうも、bugiardoこと榎本晄大です。よろしくね」 「ん？あぁ、よっちゃんはPuppeteerじゃないよ、彼女は友達」

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