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アルデンテ — 2021/03/31 三宅 梓美（みやけ あずみ） 　16歳　女子高校生 　F県の片田舎に住む女子高生。 　狭いコミュニティーの中で暮らしている。 　頼みを断れない癖、煮え切らない態度でいる事が多い。 　両親が宗教にハマっていて、 　自ずと強要されている。 　勧誘に意気込む母はすこし怖い。 　小学生の時、 　三宅が親と宗教勧誘に来た、とクラスで噂になって 　大変恥ずかしい思いをしたことがある。 　身体が弱いのか　よくコンコンと咳をしてて、 　高校にあがってからできた友人に「病院いきねん」と心配された事がある。 　親が連れてってくれないから、とか　大丈夫とかで返して、 　そういった断りを続けるうちに、 　その子はいつの間にか離れていってしまった。 　 　暗い印象になるからと、前髪を作ることは許されなかった。 　父は怒ると耳や髪を引っ張ってくる。 　困っている人がいれば助けるのは当然で、 　不平不満は全て自分に跳ね返ってくる。 　そう母に言われて育った。 　学校も家も楽しくない。 　居場所はない。 　あずみは空気だった。 　自分が居てもいなくても、変わらない。 　明日が憂鬱な日々だ。 　 　自分が将来、何になりたいのか分からなかった。 　どうやって生きていくのか分からなかった。 　いい子でいれば良い事がある筈なのに、 　事実　全くもってそんな事はないのだと、わかっていた。 　絶望も希望もない平坦な日 　雑念ばかりで埋まる思考 　世界の何処にも自分は居なくて、 　世界の何処でも自分は必要とされていない。 ------------------------------ 【新聞記事】 XX日XX時ごろ、 F県XX内のXXXXで、校舎4階から生徒が飛び降りたと教員が119番通報した 〇〇署員らが現場に駆け付けたところ、女生徒（16）が倒れており、 約10時間後、搬送された病院で死亡した。 4階に位置する校舎窓を越えて飛び降りたとみられ、 同署は自殺と断定し、死因などを調べている。 【善隣教】 　すべての不幸・病気のもとになっているのは、 　自分の心ぐせ、生活ぐせによるもの。 　この性分を反省し、気を切り替えて、 　「明るく、やわらかく、やさしく」生きる生活を送ることにより、 　自らの運命を開拓してゆこうというのが善隣教の教えの根本。 　「幸福健康は明るい心より生まれ」 　「不幸病気は暗い心より生まる」 　「神は心中に蟠りを持たず　片時も心暗き処へ居らず」 　「常に心明るき処へ居らんとする者に対して」 　「救いを垂れ給う」 　 　「汝等今日より、心明るき処へ居りて人生を楽しめ」 　「人に世に　大いなる御慈光（みちひかり）を！」 　『やります、やります、やります』

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