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「もがりはワサビNGなので！　あとボイル海老と赤身と卵巻きもダメなので～」 やたら騒がしい新人俳優。演劇や物語を含む虚構を悉皆愛し、あらゆるクソ台本をも完璧にこなして見せるという心意気で劇団に入団した。一人称が芸名であったり仕草が芝居がかりすぎていたりと日常生活のキャラが濃ゆい。常にへらへら笑っており、自他ともに認める能天気さで劇団でムードメーカー(またはクラッシャー)の役割を担っている。 演劇の腕前は自身では満足のいく出来栄えであるものの、一部の他者には認めてもらえない程度なのだろう。ただ演技そのものより舞台上でのアクロバットパフォーマンスの方が得意なのもまた事実。誰かに嫌われても然程気にしないがはちゃめちゃに言い返す。 他者に対する接し方はおおよそ平等、誰に対してもうぜえし誰に対しても遜ったりしない、ある意味怖いもの知らずの大物ぶるまいをしている。 のだといいな。 全ての虚構を美醜問わずに愛し、すべての物語に敬意を払うのはこの世がすべて価値のないものだと思い込んでいるが所以。もがりの目にはこの世にある全ての営みがつまらなくくだらないものに見えている。愛も正義も友情も繊細な心の動き全てもきらいできらいで嫌いで嫌い、馴れ合いなんてもっての外。なので全てを演劇に捧げるふりをしながら虚構へと逃げ出した。 自分を認めない世界もそれを肯定する空気も否定する優しさも不確定要素と感情の蔓延る何もかもが気持ち悪くて仕方がなく、違和感ばかりを抱えて生きてきた。 もがりにとって認めさせるということは虚構が真実より尊いと理解させることでもある。 魔法はその為に必要な手段として認識しており、学習意欲は何よりも高い。 身体技能を向上させる類の魔術は一切取得しようとしないがうつくしい魔法ならば全力で受け入れようとするだろう。

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