タグ： 肉体ロスト

ハンドアウト二/泣き虫（裏） 本当の貴方は、頭を殴られた時既に死んでいる。貴方は人間ではなく、死肉を被る悍ましい化け物だ。血液と内臓、魂を身体から抜き取って入り込んでいる怪物だ。自分から排出される液体の全てがこの暗闇の世界の中でもいっとう黒く見えるのが何よりの証拠だ。貴方自身に凶悪さや邪悪さは一切無いが、それでも人間の死肉を被る怪物であることには変わりない。助けてくれた心優しい能天気に恐れられてはいけないと、貴方は人間のフリをしている。幸い相手には医学の心得がない様で、今はまだなんとか誤魔化せている。息がうまく吸えないのも、缶詰の味がしないのも、上手く眠れないのも、指が冷たいのも全部全部この密室のストレスのせいにしている。自分の正体が原因なのではなくて、自分の生来の臆病さのせいにしている。何も知らない能天気は貴方の頭を撫で、髪を梳く。自分の正体に気が付かれた時、この心地良い時間は終わってしまうだろう。その終わりが来た時にこの真っ暗な密室から逃げ出せないとしたら、後の自分達はどうなってしまうのだろう。安寧を失って発狂した怪物が無力な人間に牙を剥かないと、どうして無責任に言い切れるだろうか。自分に医学や精神分析の心得があれば、こんな不安も少しは解消されたのだろうか。 貴方は能天気を傷付けたくないし、自分の正体に気付かれたくもない。 ============================== ▲これまで 今の体に入るまでの記憶はないが、これまで化け物として生きてきた記憶はある。 体を奪ってすみませんと申し訳なさそうにするが全部ポーズで内心は人間が好きで羨ましいのがムカつくので人間を馬鹿にするために皮を奪って成りかわる。体を乗っ取るたびにその体の持ち主の性格に多少引っ張られるのが悩み。 今の体の持ち主のことは性格で影響を受けただけでほぼ知らない。 今の体に入る前はとある宗教団体の教祖（職業技能：宗教家）。成り代わっていることに気づかず自分を信仰し続ける信者たちを見てほくそえんでいた。 ▲性格など 一人称：私 おどおどしていて臆病だが自分のやりたいことに関しては押しが強く図太い（POW 17）。性格が悪い。元の体の持ち主の影響で現在は元の性格より気弱で臆病になっている。 好きなものは能天気。嫌いなものは自分の邪魔をするもの。 自分が化け物だと気づかれ能天気との関係が壊れるのが何より怖いので隠すが、怪物であることに特に負い目はない。化け物なのに特に特殊な力がないことは不満。自分の臆病さには嫌気がしているが臆病なんだからしょうがないだろと若干開き直っている。 理由もわからず監禁され自由を奪われていることは気に食わないが能天気と一緒に過ごせる今を心地よく感じている。能天気は外に出られないことをどう思っているのか気になるが怖くて聞けない。 ▲7年間 暇だったのと自分を助けてくれたことにほだされたので能天気にたくさん話しかけた。部屋が真っ暗で視界が悪いのをいいことに忍び歩きで近づいては驚かせたりしている。やりすぎると慣れてしまうので間隔をあけて忘れた頃にやる。あとは前の体で得た知識（オカルト関係）を当事者と知られないように話したり。

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