タグ： konn 未完成漂流記

幼ない頃に生き別れた兄を探している（職業：放浪者）。なぜか最近までその存在すら忘れていた兄を。 --- 全寮制の中高一貫女子校に通っている。両親はおらず、女子校に入る前までは施設に預けられていたらしい。 らしい、というのは、10歳より前の記憶がないからだ。辛うじて両親を事故で亡くしたことだけは覚えていた彼女は、人づきあいを避け、教室の片隅で物静かに本を読んで過していた。 そんな日々を送るうち、唐突にいつるは自分に兄がいたことを思い出した。 具体的な想い出も名前も思い出せない。しかし、引っ込み思案だったいつるに対して活動的で、両親亡き後も自分の事をよく庇護して笑いかけてくれていた。 こんな大切な事を、なぜこれまで忘れていたのだろう？兄はいったいどこにいったのだろう？ 突如蘇った想い出に滂沱としながら、冷え切っていた身体の中で何かが燃え上がるのをいつるは感じていた。 このまま人と交わることもなく、ただ流れていくだけだと思っていた日々。 まずはこの日々と自分を変えなくては。そして、兄さんを探さなくては。 無人島での交流会の話を聴いたのは、そんな風に思っていた矢先のことだった。自分を変えようという思いと、何か兄に繋がる予感めいたものを感じて、いつるは無人島へと向かうことにした。 --- ダイス振ったら預金2000万とか出て来たので、これは親の遺産ということにします。

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