タグ： 紙魚のうた

人間らしさを突き詰めるかのような幻想文学を多く手掛ける作家。今回「抒情歌」という短編で良部賞にノミネートした。 小さい頃から本が好きで、寝食を忘れて読みふけることがあったらしい。 　両親とは少し疎遠である。べつに両親が悪い訳ではなくおそらく自分のせいなのだと思う。不思議な本を高校の時手に取った。それ以前の記憶はない。 どうやら性格がだいぶ変わったらしく周囲は困惑し、両親、特に母親が自分を薄気味悪く思っていたことを知っている。両親は自分を愛そうと苦しみ努力してくれたのだと思う。自分も応えようとした。 　しかしお互いに疲れてしまったのだ。親の愛した子をなぞること、同じ見た目の別の人間に失ったわが子を見出すことに。よってほどよい距離で過ごすことにしたのだ。 いつも人の感情について考える。分からないなりに穏やかで明るい人であろうと努めている。 時々知りようもない、愛されていた別の自分に思いを馳せる。人間らしさについて考えてしまう、苦しむ人に一縷の光明を見出すのは自分が救われたいからだろうか？分からないから形にする、筆をとることにしている。社会学や人類学の本をよく愛読する。 昔手に取った本は「ソラリス」 ソラリスという惑星が舞台。惑星の海そのものが知性を持つ巨大な有機体であり、その海がステーションにいる人間の心の奥にあるものを読み取って、あたかも本物の人間であるかのような実体をもつものとしてステーションに送り込んでくる。 死んだはずの恋人がソラリスの影響で実体を持つ。主人公と恋人は自分たちの関係、存在に悩み苦しみながらやがて心を通わすようになるが…。　というSF小説

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