タグ： 千代子ちょこ VanishVenom

みんな。 私は、暁月レイアです。 ふふっ、素敵な名前でしょう？ だって、仲間と共に最後まで歩んだ、勇敢なる"戦場の麗人-バトル・レディ-"ですもの！ あ、今のを、次の会報の見出しに使いたいのですか？ ええ、もちろん！宜しくてよ！ふふっ！ 貴族の暁月家、といえば一つしかありませんでしょう？ 暁月 レイア。それがわたくしの名前。 古より代々受け継がれてきたこの身に流れる高貴な血と知識は、現代に必要不可欠なもの。 当然、わたくしの事も存じておりますわね？知識ある方であれば知っていて当然ですが？ 庶民は貴族を敬い、慕う者。貴族は？もちろん、庶民を守る者ですわ。 敬意には笑顔を。侮蔑には悠然と。仕打ちには断罪を。 わたくしは貴族、ですもの。当然ですわ。 ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- わたくしが幼い頃、母上は病に伏せ、この世を去りました。 そして3年前。大切な人、父上を亡くしました。 父上から一心に深い愛情を受けて育ったわたくしは、ただただ悲しかったのを覚えていますわ。 沢山、沢山泣きました。ええ、心が苦しくなりましたわ。今でもこの心苦しい気持ちが消えませんの。 わたくし、使用人たちからは好かれていましたわ。もちろんですわね。 ですから寂しくはありませんでしたわ。今でも大切な使用人たちですの。 他の方々？わたくしの立場に嫉妬しただけの庶民の方々ですわね。気にしていませんわ。 宜しくて？わたくしは暁月家の人間です。それ相応の礼節を持って接していただくのが常識ではなくて？ ---------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ↓本当の過去↓ この「暁月 レイア」という人物は本来は存在しない。 否、暁月 レイアは存在する。存在、した。 そう、本物の暁月 レイアは既にこの世の人間ではない。3年前、父親が死んだショックで病気を患い、死亡した。 父親が死んだ際、レイアは「沢山泣いた」そして"傍観者"は「心苦しさを覚えた」 レイアが死亡した時、傍観者は憂いた。 『可哀想な娘(こ)。レイアは死んでいない。そう、レイアは私。可哀想なあの子の未来を紡ぎましょう』 傍観者はドッペルゲンガーと呼ばれる伝説だった。 ドッペルゲンガーは姿形をレイアを成した。声はレイアを真似た。性格はレイアを模した。 そして記憶は塗り替えた。ドッペルゲンガーとはそういうもの。 だから"今更"レネゲイドビーイングと言われても困ってしまう。その記憶はもう無意識に追いやったから。 この影法師はいつ終わる。いや終わらぬ夢だ。 気付きは崩壊をもたらす。 気付きは消滅を意味する。 所詮は太陽の側で沸き立つ影でしかない。影は本物に寄り添うことしか出来ない……はずだったけれど、それでも私を求める声がする。 ならば私はいきましょう。 私と言う存在として、私は声に答え続ける。

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