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「なぁ、そいつをそいつたらしめるものって、何だと思う？」 「それは、記憶だよ」 「例えば俺が、勉強した事を忘れたとする。そうしたら、こんな偏屈じゃなくなるかもしれない。偏屈じゃない俺なんて、俺じゃないだろう？」 「例えば、俺がお前らを忘れたとする。そうしたら……そんな俺はもう“秋塚 秋也”では無い、ただの“秋塚 秋也だったもの”だ」 「俺はな、お前らが大好きだ。約束だって、守りたい。ずっと一緒に、居たい」 「だから、お前らが俺“だった”残骸とこれから先も一緒に居るのは、耐えられない」 「記憶を保てない俺“だったもの”と一緒に居る事で、お前らがそいつを俺として記憶していくなんて“秋塚 秋也”にとっては死んだも同然だ」 「だから」 「俺は“秋塚 秋也”としてお前らの記憶の中で、お前らとずっと一緒に居る為に…肉体の死を選ぶ」 【作成方法】 クトゥルフ2015「医師」(秋也が就職を目指している職業) 職業技能ポイント：［EDU*20］ 【探索者特徴】 スポーツ万能：1つの技能に+20％、3つの技能に+10％、合計4つの任意の運動系技能にボーナスを加える。 【参加シナリオ】 世界再演(たぬき様作)→PC2秋劇で参加。全員ロストでシナリオクリア。探索者として引退。 【修得呪文】 『門の創造』：使ったものを別の場所、別の、別の世界へ行かせてくれる呪文。門を創造するには POWを永久的に喪失する必要がある。門を使うためには創造した POW の値とおなじマジックポイントが必要である。門を通る度に正気度を 1 減らすこと。ドリームランドなら POW10が必要になる。門をくぐる際の MP は他の人から借りることも可能。 呪文 解呪：マジックポイント 5 とネックレスに込められた強大な何かを消費することで対象 1 人にかけることが出来る。ネックレスを持つ人物が相手の許可無く勝手にかけることが可能。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 【性格】 物心がついた頃から知識欲が旺盛で、常に何かしらの専門書を読んでいる。 相手の気持ちを考えて行動する事が好きでは無いし、他人との交流にも興味が皆無で、加えて物言いや態度が大きい為、周囲からは孤立している。 そんな自分の心を開いてくれて、しかも「ずっと一緒に居よう」と約束してくれた幼馴染3人の事は、秋也にとって唯一の特別な存在であり、彼らとの交流にはそこそこ時間を割く。 偏屈で自分のやりたい事は絶対曲げない頑固。 また、勉強大好きだが生まれつき運動神経は高く、特に危機回避能力に長けている。 【家族・過去】 ごく普通の一般家庭の長男として生を受ける。 しかし秋也の両親は、勉強ばかりで周りと馴染もうとしない、気難しい息子を疎んじ、秋也が生まれてから少し年数の空いて生まれた双子の姉弟ばかり可愛がるようになった。 秋也にとってはたとえ家族であろうと必要以上の干渉は不要である為、ちょうど良かったが。 そんな秋也が、幼馴染3人以外に唯一心を開いていたのは、一緒に住んでいた祖母だった。 聡明な祖母の話は秋也の知識欲を満たし、祖母からの愛情は素直に受け入れ、また自身も祖母へ愛情を抱いてお返しも出来た。 しかしその祖母は秋也が中学にあがって直ぐに、アルツハイマーと脳の腫瘍を合併して、進行の格段に早い認知症を患ってしまう。 日に日に色んな物を忘れて、本人も「何でこんな事をしているんだっけ？」と後から思うような謎の行動を取り、段々と別人になっていく祖母を、一番近くで見ていた秋也は、中学にあがったばかりで多感な時期でもあった為、激しくショックを受ける。 そして別人になり寝たきりになって、そのまま亡くなってしまった祖母を見て、秋也は「記憶は、その人をその人たらしめる何より重要なものなんだ」「記憶が失われれば、その人はその人じゃなくなる」「では、記憶を失ってから亡くなったばあちゃんは、二度死んだ事になる」「あの世なんてものがあるなんざ思っていないが、あの世があるのだとしたら、ばあちゃんは今頃、自分が誰かも分からず、さまよっているのだろうか」「そんなの…そんなの、辛すぎるだろ…」と思った。 それから、脳の病気は何よりも恐ろしいものと思い、自分や幼馴染達をそんな病気から守る為に、医師になろうと決めて本格的に医学を学び始める。 【ハンドアウトに対する秋也の思い】 記憶を失う事を何よりも恐れていた自分が、記憶を失う病にかかるなんて。しかも原因不明だなんて。 秋也は激しく絶望する。今までせっかく吸収してきた知識も消えてしまう、大切な幼馴染達の事も忘れてしまう、新しい記憶を持つ事も難しい、治療方法は不明。 秋也にとっては、死刑や余命の宣告も同然だった。 そして秋也は考える。きっと、幼馴染達は記憶を失った自分の事も“秋塚 秋也”として受け入れてしまうだろうと。 しかし、記憶がその人をその人たらしめると考える秋也にとって、知識が豊富な事が自分の最大の長所と思っている秋也にとって、記憶がなく、知識もない自分など、最早“秋塚 秋也”では無い。 そんな自分を“秋塚 秋也”だと大切にする幼馴染達は、嫌だ。今の“秋塚 秋也”を忘れて、満足に記憶を保持出来ない“秋塚 秋也”を“秋塚 秋也”として覚えられてしまうなんて、それこそ自分にとっての死だ。 それならば、記憶を完全に失ってしまう前に…夏が終わる頃に、俺は肉体的に、死のう。 そうすれば、俺の記憶には死なずに済む。あいつらの記憶にも、今の俺が残る。そうすれば、あいつらの記憶の中に居続けられる俺は「ずっと一緒に居る」という約束も守れる。 そうと決まれば、この最後の夏は楽しく過ごそう。 そういえば、専門書を読むのに夢中で、あいつらとも毎年、そこそこにしか遊んでいなかった。知識を吸収する意味も無いのだから、これから死ぬまでは、あいつらとの時間に俺の全てを遣おう。 高校生最後の夏なんだ、志望校へも余裕で入学出来る成績を保ってる俺が、最後に青春を謳歌したいと言い出しても、誰も何も可笑しくは思わないし、とやかく言わないだろう。 (上記の理由から、秋也は夏が始まる頃くらいから、幼馴染達から見るとちょっと雰囲気が変わったように感じるかもしれません)

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