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ビジネスマンベース　大手企業のエリート会社員 あおば　きょう 梟(青葉木菟)-「孤独」、「絶望」のシンボル 生まれたころから「喜び」の感情を失っている。 物心つく前に、この感情が人間にとっては当たり前のもので 自分にはその当たり前のものがないと気づいた時からは、時間が経つのが早く感じた。 両親が富裕層だったため苦労はなく育ち、多すぎるぐらいの愛情を与えられた。 幼少期の英才教育を経て、有名大学を首席で卒業後、有名企業に就職する。 ありがちな、親が敷いたレールをひたすら歩くだけの人生を送る。 女性だけでなく同性、上司にも親しまれ、自分の周りには常に人がいた。 何不自由なく、誰からも愛され、毎日がとても平和だと思う。 しかし、心が深い谷のようにぽっかりと空いている。 目の前の人が自分と関わることで楽しさや嬉しさが溢れてくれていても、 自分にはそれがわからない。感じることができない。 お茶を濁すためにただ、笑顔でそこにいる。 まるでその場にいる自分だけが、言語の通じない外国人とへらへら相槌をうっている 退屈で仕方がない、ただの滑稽な人間にしか思えなくて絶望する。 恋人は何度か告白を受けたことがあるため断り切れずに付き合うことがあったが、 笑っているだけでつまらない、一緒にいても楽しいと思えないなどと何度も降られた。 身内などには当然相談できず、ひとりで抱え孤独に苦しんだ。 医者に相談したり、自己啓発本や資料は読み漁り、学者や専門家、霊能者にも頼った。 しかしなにも変わらず、ただ神への憎しみと虚しさだけが残った。 自分は何のためにここにいるのか、もはや自分はなぜこの世界で生きているのか理解が出来きず、 ふとした瞬間、道路に飛び出した拍子にトラックからひき殺されたいと思い、想像する。 だが、自分はこの世の大半の人から嫉妬されるほどの幸せな人間なはずだと、 生きる価値があるにふさわしい人間だと言い聞かせ、明日を生きる。 これが現実逃避というものなのだろうか、と頭をよぎる。 そんなことを考えている暇があったら、感情を隠すための笑顔を練習をしろと呵責する日々。 誰にも気づかれないように笑顔を繕い、人に合わせ顔色を伺う行動を常にしている。 これを幼少期から続けており、もはやプロ以上のポーカーフェイスである。 墓までもっていくつもりだ。 「喜び」がない所為か、他の感情(怒哀など)が余計に出やすい傾向があり、 傷ついた日は体調を崩して寝込んでしまうほど落胆する。 それを誰かに見せることはない。ただ、孤独に、自分が満足するまで苦しみを耐える。 理解者がいればまだ生きやすくはなると思うが、期待なんてできないし、 また時間を無駄にするくらいなら知識を蓄えたほうがいいと思い、暇さえあれば書籍やテキストを読んでいる。 知識が増えることに対する感情は特にはないが、無いまま生きるよりは恥はないと思っている。 育った環境故、時間を無駄にしたり効率が悪いことは何より嫌う。 本当は、絶望する自分と出会いたくないからなのかもしれない。

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