キャラクター保管所
バックアップ
リスト
モバイル版
ヘルプ
ログイン
Twitterでログイン
登録
トップ
Webサービス
キャラクター保管所
クトゥルフ PC作成ツール
Conrado・Garcia
ID:4267967
MD:52eaaa49affbb98a79830da5ee328dda
Conrado・Garcia
タグ:
あこに
非表示
簡易表示
通常表示
生まれ・能力値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
能力値
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
その他増加分
一時的増減
現在値
STR
CON
POW
DEX
APP
SIZ
INT
EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
簡易表示
通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
通常表示
<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
簡易表示
通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
簡易表示
通常表示
<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
↑ページ上部へ
非表示
簡易表示
通常表示
パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
↑ページ上部へ
その他メモ
▼職業/特徴表▼ ▶職業 [職業]マフィア構成員 [ベース]オリジナル [その他]年齢補正によりEDU+1 ▶特徴表 [2-5 鋭い洞察力] →優れた感覚の持ち主であるため、<目星>に+30%。 [2-7 珍しい技能] →INT*5%の日常生活には役に立たないが特定の人を感心させる技能を1つ持っている。 <人相学><Quarters>に85%振り分け ▶技能説明 [精神分析]義姉がおかしくなたのをきっかけに勉強を始め、今はファミリーのために使っている [ナビゲート]労働者時代からあちこちを練り歩き地理を頭に入れるようにしている。マフィアに加入してからは何かあった時の逃走ルートの確保や優位に戦える立ち回りの為続けている [医学]兄やミリア、甥と、自身にまとわりつく"結核"という病から医学に対して関心を持ち始めた。ニコラスと知り合ってからは彼からも時々学んでいる。 [人相学]占いと言うよりは相手の出身地や家族構成、職業を当てる程度のもの。持ち前の鋭い洞察力で相手の顔立ちや身なりからそういった事を当てるのは、労働階級の生まれ故もあるだろうか。 [Quarters]酒場に入り浸ることが多くいつの間にか慣れたものになっている。普通のQuartersなら間違いなく百発百中であるが、彼が得意とするのは目隠しをしてのQuartersだ。こちらは百発百中とまでは行かずともやはりそれなりに上手い。 ※Quarters 2人で25セント硬貨(Quarter)を酒の入ったグラスにワンバウンドさせて投げ入れ、負けた方がグラスの酒を飲んで競う酒場の遊び。 要はグラスにノールックでコイン投げ入れられるってだけ 大抵は<人相学>のカムフラージュに使っており、軽く目を引く特技を披露しながら相手を見据えその隙に相手の事を言い当てる。 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ▼人物▼ ▶過去 ※左はシナリオスタート時点を1920と仮置きした場合の年数 1871-0-誕生 │ 1881-10-リチャードと出会う 1882-11-甥が産まれる │ 1884-13-結核により兄死亡 1885-14-マフィア加入、ミリアと出会う 1886-15-ミリアと交際スタート │ 1889-18-ミリアと結婚、ミリア・甥が結核により死亡 1890-19-リー加入、ニコラスと知り合う、リチャードがカルロッタと出会う 1891~1892-20~21-リチャード交際スタート 1894-23-リチャード結婚 1895-24-HO1誕生、カルロッタ死亡 │ 1910-39-スティーヴンと出会う │ 1920-49-現在 ▶表の顔(他のPCたちが知っていてもよい情報) 明るく気のいいおっさん ファミリーへの思い入れも強く、ドンの息子であるHO1やドンの補佐のリーに対しても実子のように接している。 他のファミリーに対してもとても気さくで軽い。ひょいひょいと話しかけては適当に絡んでくる。 忠誠心も人一倍であり、リチャードに対しては特にだ。 HO1に対してももちろん、締めるべき所は締めると言った具合だろうか。 もちろん裏切り者には容赦なく、常にファミリーの安全と安寧を第一に行動する男が彼である。 ふらふらと奔放に出歩きがちでたまにリチャードに窘められるほどだが、どうやら昔は逆だったという話も。 ▶裏の顔(他のPCたちが知らない情報) 近頃の体調が芳しくない、もとより自分の人生には病というものが纏わりついて仕方なかったがついに自分にもその牙を向け始めたようだ。 できることなら治療をしたいと思っているし、リチャードより先に死ぬつもりは無い。 ただし、ファミリーのために終われるのならば本望だとも思っている。 病などという理由で死ぬつもりは毛頭ないが、ファミリーのためこのファミリーに骨を埋める覚悟はとうの昔に出来ている。 愛する家族を守りたいという気持ちは、人一倍だ。 ◤家族構成 縁者は全員死去/今はベルナルディファミリーが自身の家族という意識がとても強い ◤知人 「リチャード」 出会いは10の頃。 兄が彼女を連れてきたのがショックで家を飛び出したら、裏路地で喧嘩してるリチャードを発見。 その時はとても苛立っていたこともあり、そのまま唐突に参戦しリチャードと共にボロボロになる。 それ以来気に入られ、何度か合う仲に。 兄と義姉が死んだ時、まだ2歳の甥を抱えリチャードの元へ転がり込んだ。同時にベルナルディファミリーに加入。 それ以降はリチャードの傍で戦いながらも、先陣を切って突っ込んでいく彼を窘めるのに苦労する日々。 彼と背中を預け合うのは楽しいと感じていた。 ミリアと結婚した際は自分の結婚式を彼がサプライズでセッティングしてきた事もあり、お返しに自分も彼の結婚式をサプライズで用意してやったりもした。 何度も彼に救われてきたので、彼を救い支えたいという意識が強い。誰よりも彼に忠誠を誓っている。 2人きりの時はお互いに「ディック」「コリー」と呼びあっている。 子供の頃のように「コリー」と呼ばせるのは現在リチャードのみである。 「リー」 リチャードが拾って以来何かと世話をしている子。甥と歳がとても近いので、どこか重ねてしまっている気持ちもある。 しかしそれら含めた自分の話をきちんと伝えた上で、彼を一人の人として誠実に接し大切な家族として心から愛している。 HO1と併せ兄弟のように可愛がっており、ベルナルディ親子と同じくらい大切で守りたい存在。 「ニコラス」 30年来の付き合いである友人。彼に医学を学んでいることもあり、とても信頼を置いている。 スティーブンと併せ3人で飲むことも多いが、飲めない彼が付き合ってくれるだけでもその信頼は知れているというもの。 ファミリーでは無いものの、大切な友人。 「スティーブン」 探偵業の彼とは気が合う飲み仲間であり、時折情報源としても彼を頼る事がある。 おかげで何度か助けられた経験もあり、ニコラス同様彼のことも心から信頼している。 比較的歳が近いのもあり数少ない友人と呼べる仲だろう。どなたかに似てとても奔放に育ったHO1の愚痴をそれとなく話すこともしばしばだ。 ▶小ネタ ・誕生日:10月30日 ・血液型:O型 ・好きな食べ物:サーモンのカルパッチョ ・嫌いな食べ物:ニシンの塩漬け ・趣味:酒、会話 ・喫煙/飲酒:どちらも良くする ・恋愛対象:ミリア ・童貞/処女:非童貞(子はいない) ・癖:薬指の指輪を撫でる ・利き手:右利き ・イメージカラー:ビンヤード #83515D ・パンツ:黒 ▶一人称/二人称 俺/お前・お前さん・アンタ ▶おおよその口調 「ベルナルディファミリー所属、コンラッド・ガルシアだ。よろしく頼むぜ」 「全くウィン坊ちゃんには困ったもんだねぇ」 「っははは!面白いじゃねぇか」 「ボスの言葉は絶対だ、それが神であろうと歯向かう者には制裁を」 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ▼履歴(通過シナリオ) ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ▼設定詳細 スペインから労働者として移民してきたのが、自分の両親だったらしい。 自分には15個上の兄が一人いたが、兄は自分が産まれてくることを反対していた。「労働者なのにこれ以上ガキ増やしてどうするんだ」「金は?時間は?」「俺は絶対に育てないからな」 そんな兄の言葉をよそに両親は自分を産んだ。 今思えば兄の言葉は心配故だったのだ。なぜなら結局両親は自分を育てる金の為に隙間を塗って働き、家にはいつも自分と兄の2人だけだったのだから。 しかし、兄は兄なりにしっかりと自分を育ててくれた。兄自身やりたいことも沢山あっただろうに、遊ぶ暇もなく自分の世話をずっとしてくれていた。 幼いながらに、自分はそれに深く感謝していた。 だからこそ自分も、もちろん子供ながらにバカをやることも多かったが精一杯兄に報いようと思っていた。 賭博や盗みは兄にバレた時しこたま怒られたので、バレない技術かバレても問題ない金の稼ぎ方を考え、比較的頭の回転が良かった自分は大人たちの会話に混ざり彼らに取り入ることで金を稼いでいた。 10にも満たない頃から、自分はそれなりに自立してしまっていたように思える。 ところが自分が10歳の頃、兄が結婚した。 相手は兄と同い年の、病弱ながら柔らかな笑みが綺麗な女性だった。 正直に言えば嫉妬した、兄が自分以外を大切に扱っていることに。そんな事を思ってしまうくらいにはやはり自分はまだまだ幼稚だったのだ。 そして同時に、酷くショックでもあった。あの頃の自分はもうしっかり自立していると思い上がっており、だからこそ自立した自分を兄は捨てたと思ったのだ。もう自分の世話など不要なのだと。 その日初めて兄に反抗し、家を飛び出した。夜の街をあてもなく闇雲に、何かから逃げるようにひたすらに走り続けた。 そして物陰で一人膝を抱え落ち込んでいる、その時だった。 表の方が騒がしい、先程まで全く人気のなかった場所なのに急に何人かの大人が怒鳴るような声が聞こえてきたのだ。 恐る恐る顔を出せば、15~6程の白髪の少年が一人…5人やそこらの大人に囲まれていたのだ。 大人たちは皆激しい剣幕をしており一触即発の雰囲気の中、その少年は──笑っていた。 そして案の定、数分も経たないうちに殴り合いが始まった。 最初こそ威勢よくものすごい勢いで大人を蹴散らしていた少年だが、当然多勢に無勢で長く持つはずもなく徐々に押され気味になっていく。 その時、少年の背後から角材を持った男が近寄りそれを少年の頭に振り下ろそうとしていた。 自分は咄嗟に飛び出した。 この歳でも労働階級故に力には自信があったが、喧嘩などほとんどしたことが無い。そもそもにこんな事をしていないで巻き込まれる前に早く逃げるべきだった。いつもならそうしていた。 しかし何の因果かその日自分はとても苛立っていた、行き場のない怒りをぶつけたくてしょうがなかった。 勝手な事に、大人に振り回される少年と自分を重ねてしまっていたのだ。 いきなり現れ庇った自分に対して白髪の少年は一瞬驚いた表情をしつつも、楽しそうに笑った。 そこからはよく覚えていない、無我夢中に叫び、殴り、身勝手に怒りをぶつけまくって、気がつけば大人たちは逃げ去り自分は少年と共にその場に倒れ込んでいた。 「お前、名前は?」 これが少年─ベルナルディファミリーの若頭たるリチャードとの出会いだった。 その後、リチャードが簡単な手当をしてくれてる間に少し話をした。 なんでこんな所にいるんだと、10ほどの自分を気にかけた。その様子にどこか兄を思い出して、気が立っていたのもありぽつりぽつりと見知らぬ男に身の上話をしたのだ。 子供だったとはいえ自然と様々な言葉が出てしまうほど、リチャードは聞き上手だった。 両親が自分を産む時兄が反対していたこと、それでも育ててくれる兄に感謝して1人前に早くなろうとしたこと、でも兄が彼女を連れてきた時ショックだったこと、色々な思いを吐き出した。 あの頃は自身も同世代の友人などをあまり作らず、大人とばかり接していたために15~6程とはいえ歳が近いリチャードは話しやすかったのかもしれない。 初めて知り合ったばかりの自分の話を聞いて、リチャードは優しくも明るく力強い声色で自分の話もしてくれた。 家族が大勢いるのだと、血の繋がりは無いが大切な家族が。そして自分は彼らを愛しており、彼らの幸せを一心に願っていると。 その話を聞いて、自分も目が覚めたような気分になった。 兄も、そうだ。愛する人ができて、家族が増えたとしても、兄は自分を愛さなくなった訳では無い。 何かを察したリチャードは、静かに笑って自分を送り出してくれた。 また会える?思わずそう口にした もちろんだ、また会おう。彼は笑ってくれた その後急いで帰り兄と話し合い、兄はむしろ自分が反抗したのが嬉しかったくらいだと笑っていた。 義姉もそんな自分を優しく諭し寄り添ってくれた。 もちろん上手くいかないことだってあったが、それでもその日を境に改めて家族というものを強く感じたのだ。 あれから何度かリチャードの元へは顔を出していた、もちろん相手が相手なのでそう頻繁に会える訳では無いが暖かい彼は何時でも自分を笑って迎え入れてくれた。 おかげで彼に付き合い喧嘩をする事も増えたが、15離れた兄か大人達と接してばかりで歳の近い友人のひとりも居なかった自分にとってはそんな日々すらも新鮮で、そして今まで生きてきた何よりも楽しいと思える時間だった。 リチャードと出会って一年後、転機が訪れる。 兄と義姉の間に子供が産まれたのだ。 甥と初めて会った時、兄に言われた。 「俺、母さんたちにあんなことを言っておきながらなんでお前を捨てられなかったと思う?友人と遊ぶ時間も何もかもを捨ててでもお前を育てたのは、なんでだと思う?」 自分は答えられなかった。 「……抱いてみ。そうすればお前にも分かる」 そう言われ、恐る恐る兄の抱く赤子に手を伸ばす。 小さくて、柔らかくて、ふわふわで……こちらに向かって丸い手を伸ばし、ふにゃりと頬を緩めるその姿に自分は、兄の言葉が分かった気がした。 どうして捨てられようか、こんなにも可愛くて尊いものを。 この世界に生まれ落ちた小さな命を、自分は壊れないよう抱きしめた。 それからは、兄や義姉が忙しい時は自分が甥を育てていた。 兄がしてくれたように、兄への恩を今ここで返せるのだと張り切っていた。上手くいかないことも多く、少しでも気を抜けば簡単に死んでしまいそうな子供の世話など決して楽ではなかったがそれでも自分はそれを楽しいと思えるほどには家族というものを愛していたのだ。 リチャードに会いに行く時間は減ったが、それでも数ヶ月に一度会った時お互いの家族の話をするのが楽しかった。 しかし、そんな楽しみも2年と続かなかった。 冷えきった冬の頃、兄が病に伏せったのだ。 医者による診断は─結核。 不治の病だ。 重篤の兄の枕元で必死に甥は任せてくれと涙する自分に向かって、兄はこう言った。 「お前は自分の人生を生きろ」 と。 あまりにも残酷な言葉だった。兄だって自分の人生があっただろうに、それなのに弟の自分へ兄が託したのは重責ではなく、ただひたむきに幸せを望む「願い」だったのだ。 程なくして、兄は息を引き取った。 不幸なことは立て続けに襲うもので、義姉も兄の後を追うように死んでしまった。 兄が結核に罹った時から様子がおかしかったが、兄が死んでからは完全に心が壊れてしまったのであろうことは想像に難く無い。 輝いていた幸せの終わりはあまりにも呆気なく、何もかもを壊していった。 しかし全てを失った訳では無い、自分はたった一つ残ったかけがえのない家族を抱えて、藁にもすがる思いで、リチャードの元へと駆け込んだのだ。 リチャードはいきなり本部に赤子を抱え転がり込んできた自分に驚きつつも、すぐさま事態を察して手筈を整えてくれた。 リチャードに泣すがるしか無かった自分を、彼はずっと慰めてくれたのだった。 それから自分はリチャードの誘いもあって、ベルナルディファミリーの一員となることとなった。 まさか自分がマフィアに所属するなど少し前には夢にも思わなかったが、リチャードの傍が自分にとって何よりも安心出来る場所だった。 元々自由奔放なリチャードを窘める事も多く、マフィアに加入したのをきっかけに周囲の人間すら自然とリチャードの面倒を自分に投げることも多くなったのには骨が折れたが、それでも明るく力強い彼の近くに居れることは多くを失った自分にとって救いでもあった。 きっとリチャードにとってもまた、一緒にバカやりつつも肝心な時にストッパーとなる自分の存在に頼ってくれていたのだろう。 どちらが兄か分からないが、それでもまさしく兄弟のように自分とリチャードは過ごしていった。 時を同じくして、兄夫妻の葬儀を行った際に参列していた友人たちの中に自分と同じくらいの少女を見つける。 儚げで優しそうな、どこか義姉に雰囲気の似た彼女はどうやら本当に義姉の親戚だったらしい。そういえば義姉から妹のような存在の話は聞いた気がした。 彼女は「ミリア」と名乗った。 ミリアもまた、心の傷を抱えていた。 彼女にとっても義姉は大切な家族で、自分の兄に対して嫉妬していたのだと。 そして2人が結婚してから義姉とは疎遠になり、謝る前に去ってしまったのだと。 その事に酷く後悔し涙するミリアに、自分は深く共感した。 お互いを心の支えとしていくのに、そう時間はかからなかった。 ミリアに甥と会わせて欲しいと言われた時も快く了承した。 お互いの家族が残した宝物に触れた時、ミリアもまたあの日の自分と同じように大切に甥を抱きしめたのだった。 まだ3歳ほどで言葉も拙く、やっと時々歩き始めた甥の話をする度にゆっくりと彼女にも笑顔が戻って行った。 柔らかく笑い優しい瞳でこちらを見る彼女に、酷く胸が高鳴ったのは今もよく覚えている。 ミリアもまた、そんな自分に好意を向けていたらしい。翌年には交際を始めた。 ゆっくりと、ゆっくりと幸せが戻ってくるような感覚がした。 そんなある時、小さな抗争が起こった。 シマの工場地帯にてとある資産家の会社が不当労働行為を働き、人身売買も行っていたというものだ。 規模こそ大きくは無いものの放っておけるものでは到底無く、自分はリチャードと共に制圧に向かうことになる。 想定していた武力を相手が上回ったのもあり、鎮圧は困難を極めた。 そんな中で自分はリチャードを庇い、1度生死の境をさまよったのだ。 気が付けば天井と、自分の顔にボロボロと涙をこぼすミリアの姿があった。 生きている、その事に何よりも安堵した。 置いて行かれるものの辛さは何よりも自分自身が分かっている、だからこそその時はミリアを精一杯抱きしめてやった。 リチャードはミリアに散々言われたのか多少大人しげな様子だったが、ミリアが自分達を気遣い部屋を後にした直後呆れたようにまた笑っていた。 「こんな環境にいるんだ、済まなかったとは言わねぇよ。だから……ありがとう、助かった。 それと、お前が生きていてくれて本当に良かった。」 言葉や表情こそ笑っているものの、自分を撫でる彼の手が小さく震えていたことは印象強かった。 マフィアの頭と言えど、あれだけファミリーを大切にする彼だ。自分のことだって当然のように家族として扱ってくれていた。ミリアのように泣いて怒られたって不思議ではない。 それでも彼は笑うのだ。彼は、そういう人間なのだ。 この人の支えになりたいと、自分はこの日そう強く感じたのだった。 それからはより一層ファミリーのために尽くした。今まであまりやってこれなかった勉学にも手をつけ、リチャードの隣に立ち彼を支えられるよう尽力してきたのだ。 しかしそうしているうちに、あまりミリアと甥に構っている時間が減って行った。 ミリアはそんな自分をずっと心配していたし、リチャードも時折苦言を呈する事があったが、それでも自分はこの居場所も守りたかったのだ。大丈夫だ、もう二度とあんな事にはならない。そうミリアに言い続け自分は変わらずファミリーの近くに居ることが多かった。 しかし流石に自分もそれに関して何も思わなかった訳では無い、ミリアが進んでやっている事とはいえ甥の世話まで甘えてしまっているのだ、ミリアの事ももちろん大切な家族だと思ってる以上蔑ろにするつもりは無い。自分はミリアのためにある事を考えていた。 夏の終わり頃。その日は、よく晴れた暖かい日を選んだ。 普段あまりしない洒落た服を着込み、ファミリーの1人に頼み込んで紹介してもらった高いレストランへと足を踏み入れる。 お互い裕福ではない家庭の出だ、2人して緊張する様に笑いあって、久々に誘ったデートを楽しんだのだ。 そして夜、川を挟んで夜景が一望できる取っておきの場所を彼女と歩き、膝を着いた。 「俺の、妻になって欲しい」 一世一代の見栄の張りどころ、プロポーズの瞬間自分は一体どのような顔をしていただろうか。 泣きながら「Yes」と口にする彼女が世界で一番愛おしかった事だけは、鮮明に記憶に焼き付いた。 その後リチャードのサプライズによってその3日後には式が執り行われ、自分たちは正式に夫婦となった。 きっとこんな気持ちだったのだろうと兄を思い返しながら、彼女と一緒になれた幸せを噛み締めたのだった。 その時自分は忘れていたのだ、幸せな時間を一瞬で奪い去るものの存在を。 丁度、家から少し離れたシマの境目での仕事を任され数日家を空けていた時だった。降りしきる雪の中を慌ててこちらへ走ってくるファミリーの一員を見て、嫌な予感がした。 そして嫌な予感とはいつでも的中するもので、彼は自分に告げてきた。 妻と甥が、結核になったと。 まただ。また、連れ去られてしまった。 どれだけ鍛えても、どれだけ勉学に励んでも、どれだけの意志を持って彼女らを守ろうと胸に誓っても、奴はこうしていとも簡単に命を奪い去っていく。 お前など無力なのだと、突き付けてくる。 悔しい、苦しい、もう、嫌だ。 自分はまた、あの日のようにその場から逃げ出した。 気がつけばそこは、リチャードと初めて出会った場所だった。無意識にあの日と同じ道を辿っていたらしく、そしてそのまま蹲った。 夜の工場地帯、足を踏み入れる者などほとんど居ない物々しくも静かな場所。 そこでひたすらに泣き叫んでいた。 少ししたら、隣に誰かが来た気配を感じて顔を上げる。 すると、そこには自分の隣で横になるリチャードが居た。まるであの日のように倒れ込み天を仰いでいるリチャードが。 それからどちらからともなく、話をした。 色んな話だ……昔の話、今の話。沢山の時間を共有してきたつもりでも知らない話もあった。 悔しい気持ちも辛い気持ちも全て吐き出して、リチャードはそれを聞いていてくれた。 結局、この男にまた救われているのだ。 それが尚更情けなくてまた泣いた。 「お前、名前は?」 あの日と同じ質問だ。それは同時に、自分にまだ生きる理由がある事を思い出させるに十分すぎたのだった。 それから程なくして、リチャードが1人の幼い少年を連れてきた。 リーと名乗ったその少年はどうやらリチャードが拾い救った人物らしく、あろう事かリチャードはその世話を時折自分に任せていた。 もちろん驚いた、当然だろう。7つになった頃の甥が死んで久しいと言うのにこの男は……。 しかし同時に、理解されているなとも感じた。 守るべきものが居て、愛されている自覚のある人間は、そうそう立ち止まることなど出来ないのだ。 リチャードの信頼は、自分に再び前を向かせるのに十分すぎるほどだった。 同じ頃、1人の医者と出会う。 ニコラスというその男とは嫌に話が合ったのを覚えている、そして未だに時折飲みに行く友人だ。 彼自身は酒が弱く水しか口にしないがそれでも飲みの場に付き合ってくれるのだ、それが彼らしくも思う。 彼と仲良くなったのをきっかけに、医学の勉強を始めた。自分の周囲にまとわりつく病は自分などが勉強した所でどうにかなるほど甘くはないが、それでも勉強せずにはいられなかった。 守りたいという自分の意思に、ニコラスは応えてくれた。 少しした頃、カルロッタという女性が入ってきた。リチャードが連れてきたのだが、明朗快活でしっかりとした女性だった。 何となく、リチャードが彼女へ向けている感情を察した。 それを肯定するように翌年には交際を始めていたのだ、もちろん応援していた。 彼の恋路を、何より2人の幸せを。 それを支える事は自分の喜びでもあったのだから。 だからこそ、その二年後にリチャードが彼女へプロポーズをした時は式の段取りをこちらで取ってやった。サプライズだ。 驚くリチャードに仕返しだと笑ってやれば、彼はやはり嬉しそうに笑ってくれた。 そして二人の間にはウィンストンという男の子が1人生まれ落ちた。 カルロッタと、引き換えに。 酷い有様だった、もちろんボスとしての姿は保っているもののだ。 かく言う自分自身何もかもが辛かった。しかし今支えるべきはリチャードだ、自分は仕事も彼個人に対しても全身全霊で向き合い続け、ウィンストンやリーにも心配や寂しさを感じることの無いよう尽力した。 自分のやっていたことが正解だったかは分からない、ただそれでも、1番支えたい人が1番辛い時なのだ。思いつく限り、自分が出来うる限りの力を尽くし続けたのだった。 自分は今もずっと、家族を守るために生きている。
※
歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました
(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ
エラーメッセージ
「クトゥルフ神話TRPG」は
ケイオシアム社
の著作物です。
クトゥルフ神話TRPG