タグ： ﾎﾟﾝﾎﾟﾝﾊﾟｲﾝ ぴぴ式芋虫

◆Matthew（マシュー） 流暢な日本語を話す外国人。 ニコニコとして人当たりのいい人物。 誰にでも気さくに話しかけ、話題が尽きない。 アメリカでインディーズのバンドを組んでいるらしい。 今回来日の目的は、「愛しい人に会いに来た」とのこと。 ◆膿山 真寿（うみやま まじゅ） 欲望のためなら手段を厭わない詐欺師。 名前も顔も職業も何でも偽る。偽れるだけの知識がある。 思考の柔軟性に欠けるものの、大抵の人間はルックスや人柄に騙されて話の齟齬をあまり気にしないのだ。 真寿が11歳のころ、色狂いの母親が結婚詐欺にあい、それに気が付いた数日後リビングで首を吊っていた。 精神的に不安定だった母親の面倒をみてきたのは一人息子の真寿だ。 母親が精神の病を拗らせば、自分しか介護できる者がいないような親戚状況。 ゴミ袋の嵩が増し鼻の曲がるような腐乱臭がする家。 母親の介護もとい看病のため学校を休むことも多々あった。 朝の光を背負い込み、糞尿を滴らせながらぎしりぎしりと揺れるる母親を見て、真寿は涙が止まらなかった。 解放された。 母親という呪縛からとうとう逃れることができたその事実に感激し、涙があふれた。 考えなしの母親が死んだせいで保険金は全てふんだくられたが、それでも大層感謝した。 詐欺師の男がいてよかった。 自分にとってはなによりも、ろくに顔も見たことのないような彼が救世主だった。 そして、学んだ。 そうか、こうすればお金は手に入るのか。 学校にすらろくに通えていない真寿が最初に覚えた金の稼ぎ方、それが”人を欺く”ということ。 しばらくして、真寿は無事に資金繰りをすることができるようになった。 頭の回転が速いか、と言われればNOだが、知識をストックだけの容量はあった。 女はみんなパトロン。金を運んできてくれる。 何不自由のない暮らし。やっぱり神様は見てるんだ。 俺の壮絶な幼少期を、こうして今引き戻しさせてくれてるんだから。 ああ、いますごく楽しいよ。 幸せ。 （ーーー本当に？） ある日、オレは見つけた。 いや、見ていた。そのステージを。 いつぶりだったか、涙を流したのなんて。 感激した。世の中にはこんな清らかな感情が、あるものなのか。 その男の演奏を聴いて、まさに心が洗われるような心地だった。 涙があふれて止まらなかった。 コイツだ。 コイツしかいない。 コイツを使えばオレはもっと人生優位になれるはずだ。 こんな人間またといない。 ああ、そうだ。そうしよう。 コイツは金になる。 金の卵だ。 いや、ちがう。 オレの。オレだけの。 もっと知りたい。 オレにだけ見せて、聞かせて。 オレを見て。 ああ、こんなにも綺麗なお前は、どんな死に様なんだろうか。 きっと、あのババアよりも崇高な…… でも、簡単にくたばってもらっちゃ困る。 オレはもう一度、"感激"したいんだ。 なぁ鳴無、その腕も、その声も、心も、 お前の全部をくれよ。 4,10　夜に弱い 2,2　影が薄い あと、実はドМ。

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ