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丹樟 茉莉[にゅくす まつり/Matsuri Nyx] 盤椎探偵事務所(旧・丹樟探偵事務所)の前所長、丹樟 家重(にゅくす いえしげ)の一人娘。頭脳明晰とまではいかないが探偵である父に憧れ、幼い頃から洞察力と直感に優れ努力を惜しまない性格もあり、拙いながらも父の仕事を手伝い、いつかは探偵事務所を継ぐと言って憚らないおしゃまな女の子……だった。そんな彼女が目標実現の最短距離として目指したのは少しでも早く学業を修めることだった。常軌を逸した努力とちょっとした幸運の結果、中学卒業と同時にフランスの大学院への飛び級の切符を手にし、たった3年という年月で博士号を取得しつい最近帰国した。そこで目にしたのは所長として探偵事務所の椅子に座る、貧弱な刑事だと思っていた歳の離れた従兄弟の姿だった……。 根は真面目で温厚な性格だが、遠い異国で歳の離れた学友に囲まれ学校生活を過ごしたため妙に大人びた喋り方になってしまった。もとより余り喋る事が得意ではない為ややもすればぶっきら棒で無愛想に思われがち。盤椎所長の事は嫌っている訳ではない(寧ろ幼い頃はよく懐いていた)が自分が就く筈だったポストを一方的に奪われた形となっている為当たりがきつい。 一人称は「わたし」。盤椎所長の事はプライベートでは「由宇兄ぃ」、人前では「由宇さん」と呼ぶ(意地でも『所長』とは絶対に呼ばない)。 長く伸ばした黒髪を腰の辺りで無駄結びにしている。外出するときはまとめてキャスケットに押し込んでいる事が多い。背が小さい事を気にしている。その点では石栖 璃凜(現所長繋がりの知り合い)と気が合う一方、殊武力、暴力と言った事を毛嫌いし、何でも頭でスマートに解決する事こそ探偵の成すべき事と拘泥している。日本人離れした外見は母方の祖母がゲルマン系の血を引いていた為。 フランス留学では情報工学を専攻し、無線通信技術及びソフトウェア開発で論文を書いて博士号を取っている。電子工作も専門ではないながら趣味で行っており、簡単なガジェット作りや自作のパソコンなど、電気関係には強い。 「……由宇兄ぃは早く死んでその椅子を明け渡して下さい。遺言状はちゃんと用意してからお願いします」 名前の由来はギリシア神話の夜の女神であり、原初の世界から分かたれ、光なき世界を支配した死の女神『ニュクス』から。早々に舞台から退場した伯父と、表舞台を奪われた娘の立ち位置から。茉莉はそのままマツリカ、ジャスミンから。ジャスミンは夜に花を開く。 人間関係についての覚え書き ・盤椎 由宇 → 憧れの就職先を奪っていった目下のところ倒すべき敵。決して人間的に嫌っている訳ではない。寧ろ探偵に対する憧憬や趣味の面など、意気投合できるところが多く仲は良い。が、現状はとにかく会えばツンケンしている。「財力的にも知識・技術的にも新しく探偵事務所を興せばいいじゃないか」とは由宇の言だが、「父の遺した探偵事務所を継ぐことに意味がある」と拘泥している様子。割と一途で意固地。 ・石栖 璃凜 → 由宇経由の知り合い。割りかし話が合う。映画の趣味は合わないが唯一シャーロック・ホームズ(ガイ・リッチー監督版)はお互い好きな模様(バリツ!) ・葵出 紫 → 現時点では無関係。 ・南雲 零 → 探偵事務所に居る見習い探偵。年上だが微妙に頼りないと感じている(彼女にとって頼り甲斐のある男性となると父親以外には数少ない)。父の代から居た? その場合はおしゃまなクソガ……小さな探偵に翻弄されるなぐもんが目に浮かぶ……。 ・佐野 宏 → 由宇経由の知り合い。事務所に入り浸る面子の中でまだ辛うじて信頼に足る人物。コミュ障同士なのでそんなに会話は弾まない。 ・柳 有史郎 → 由宇経由の知り合い。事務所に入り浸っている面子の中でも若干苦手に思っている。饒舌な男性に信用が無い。 ・常陸 栗栖 → 由宇経由の知り合い。ただただ胡散臭く思っている……が、軽佻浮薄ながら柔軟な人当たりの為嫌っては居ない模様。何故か何かと情報を握っていたり非合法すれすれのムーブも熟知してこなせる為何かとお願いしている。

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