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高校で保険医を務めている。同じ高校の科学教師である《雅楽川　弥樹》と交際中。 お酒に弱く、カシオレ一杯で酔いつぶれる。酔ってると普段見せないような甘える姿や弱い一面が見える。 元ヤン。昔はかなりやんちゃしていたらしく、地元ではそこそこ有名だった。 喧嘩の時は主に蹴りを使っていた。目にもとまらぬハイキックが相手のあごに突き刺さるのだ。 現在は更生しているが、怒った時にはそのころの片鱗が見れるだろう。 喧嘩で怪我をした生徒などがやってくると、自分も元ヤンゆえか厳しく説教することも多い。 その自分の経験に基づく熱い言葉と、時折見せるやさしさに心打たれた生徒も多い。 そのせいで彼女の保健室にはいつのまにか悩みがある生徒や不良などが連日詰めかけるようになった。 今では保健室兼お悩み相談室と化しており、ここで更生した生徒は数知れない。 本人もあまりの忙しさに苦労しているようだが、生徒から信頼されているようで悪い気はしていない。 一番悩んでいるのは、アドバイザーの役割を奪われた進路指導の先生らしい。 ～～～～～～～～～～～～～～～雅楽川　弥樹との馴れ初め～～～～～～～～～～～～～～～ 保険医として採用されたばかりの4月、学校教員同士の親睦会であいつと出会った。 他の教員が酔いつぶれる中、あいつだけは平然とした顔で酒を飲んでいたのが印象に残っている。 …ただ、あたしは酒に弱いから、すぐに酔いつぶれて他の記憶は何も残っちゃいない。 …目が覚めたら、あいつが必死にあたしを介抱してくれてたこと以外は。 別の日、あたしから食事に誘った。 …といっても、別に特別な感情があったわけじゃない。ただお詫び代わりのつもりだった。 そこで色々な話をした。あたしと全然違う性格だからどうなるかと思ってたが、意外に話は弾んだ。 駅で別れた時、無意識に「じゃ、またな。」と言ってしまった。 まあどうせ学校で会うんだから間違っちゃないが、どうもあいつは誤解したらしい。 まああいつとの食事も悪くはなかった。これはもう一回誘うしかないか。 …気が付けば、あいつと色々な場所に出かけていた。映画も行ったし、二人でショッピングにも行った。 朝から二人で待ち合わせて、帰りには次の予定を話し合う。段々と、あいつが隣にいることが自然になってきていた。 …そのうち、あいつと一緒にいるだけで楽しくなっていることがわかった。 それだけじゃない。待ち合わせの時は無性にドキドキするし、別れるときは少し残念な気持ちになる。 あいつとのメール交換が毎日の楽しみになり、ふいに電話がかかってくると妙に焦ってしまう。 ………いつのまにか、あたしはあいつを好きになっていたらしい。 あいつはあたしのことをどう思っているのだろうか。嫌われてはいないと思うが、全く顔に出さないので判断がつかない。 もしあたしが一方的に好きなだけで、迷惑な女だと思われていたらどうすれば…。 …珍しく、あいつから私を食事に誘ってきた。 それは嬉しいのだが、こんな高級そうな店には来たことがなくて落ち着かない。 あいつもずっとソワソワしているというか、少し上の空な気がする。何でこの店にしたんだ…？ 食後ふと窓の外を見ると、きれいな夜景が一面に広がっていた。 思わず見とれてしまった。あいつはこれを見せたかったのか…？ ふと前を見ると、あいつが緊張したような顔でこっちを見つめていた。 「さっきからどうしたんだ？なんか今日変だぞ？」 そう聞くと、あいつは意を決したように話し始めた。 「…なあ、朝比奈。…教師としての立ち振る舞いがある…っていつも言ってたの、俺の方だった…よな」 「…スマン、俺は…今の自分の感じていることが、よく、わからないんだ。生まれてこの方、こんな思いを抱えたことなんて…」 「…けど！それも正直に…言うのが…！教師だと…！…思う！」ガッと手を取る 「…好きだ。…鳴海。認めたくない…！でも！お前のことが…！好き…だから…」 「…付き合って、くれないか？」 …最初は、困惑。その次に、混乱。最後は嬉しさが一気に襲ってきた。 両想いだったこと、告白されて凄く喜んでいること、初めての経験でどうすればいいかわからないこと、 色々と言いたいことがあったが、自然と口から正直な一言がこぼれていた。 「…言うのが、遅ぇよ。」 …その後のことは、よく覚えてない。照れ隠しにワインを飲みすぎてしまったからだ。 …ただ一つ確かなことは、あのときのあたしが幸福感に包まれていたことだ。

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