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テーマ「色褪せた青春」 売れないミュージシャン、マイクスタンドで観客に殴りかかるのがパフォーマンス、よく取り押さえられる 趣味は路上ライブ、家でCDの自主製作 特徴　影が薄い・奇妙な幸運「神話生物や神性のランダム攻撃の際に、攻撃対象から除外される」 ーーーそれは、色あせた青春。 小学校に入る前、日本にやってきた 訳の分からない音を口から出す奴に囲まれて、よく海辺に逃げて遠くを眺めていた。 子供なりに「人は分かり合うことなんて出来ないんだ」なんて香ばしいことを考えていたと思う。 そんなある日、一際異音を吐く奴が話しかけてきた。それがジンとの出会いだった。 何が楽しいのか分からないが毎日来るので、調子を合わせているうちに日本語はどんどん上達していった。波打ち際でデタラメに歌うのは、ジンとの決まりの遊びになっていった。 中学二年生のころ、大嫌いな父に駐屯基地の見学に連れていかれたのが転機だった。機械で殺しあう世界なんてこりごりだ、デタラメにかき鳴らしたギターに合わせてそんなようなことを叫んでいたと思う。 誰もこないと思った基地の端で、自分にとって初めての友人が初めての観客になった。 楽器なんて女がするものだと思い込んで、周りには秘密にしていたので、やけっぱちに歌い上げたのをよく覚えている。 観客はいつしか自分の隣で走り始め、立ち止まれないままに人生も半ばまで来てしまった。 周囲に笑われるよりも隣の戦友に嘲われることを恐れてか、積み上げたものへの執着なのか、自分でも煮え切らないまま音への恋を続けている。

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