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物心がついたころから彼の環境は悲惨なものだった。 父親は普段から家に居ることはなく、繁華街で夜の女性との逢瀬を繰り返しては時たま家へ帰ってきたかと思えば 名ばかりの妻から金を奪い取り、息子であるはずの彼をストレスのはけ口としてまるでサンドバッグのように扱っていた。 母親は結婚当初には普通の女性であったが、夫の凶行を目の当たりにしてからは精神が崩壊し、どうせお金を取られるのだったらと ギャンブルに浸かるようになってしまった。 彼はそれでも、一緒の家に住まわせてくれている母親には恩を感じており、感謝の気持ちをこめて手作りのプレゼントを贈ったことがあった。 その時に「触らないで！汚らわしい！」と唯一信じていた母親から強く拒絶され、自分の心に蓋をしてしまう。９歳の時だった。 両親からの虐待は止まることはなく、通っていた学校のクラスメートや教師たちもそれに気づいてはいたが、誰も彼に手を差し伸べてはくれなかった。 中学を卒業後の進学をこの親が認めてくれるはずもなったが、自分が必死でアルバイトをして家にお金を入れる。という条件で高校に通っている。 学校生活を謳歌したいという浮ついた気持ちは一つもなく、ただあの家からできるだけ遠ざかりたいだけだった。 彼はいまだ愛を知らない。ましてや恋など知る余地もないのだ。 （劣悪な家庭環境で育っているため、興味Pを100ほど余らせています）

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