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　桜庭理緒は、市内の大鳥高校に通う学生である。しかし、彼は一般的な人間ではない。過去、幼少期に謎の襲撃を受け、眼前で両親を殺害された際にオーヴァードとして覚醒を果たした、《非日常》に足を踏み入れた者である。 　理緒は覚醒を果たした力を無我夢中で使い、敵を撤退させることに成功した。天涯孤独となった彼はその後、一時的にUGNへと保護された。そこで一般的な者達よりも強大な力であり、それを認識した彼は自身の力の暴走を恐れ、力を使うことの無い《日常》へと戻ることを望んだ。 　桜庭理緒の覚醒したオーヴァードとしての異能。その元となるレネゲイドウィルスは、数奇な運命の元で生み出された――いや、遥かな過去より、時代を超えて受け継がれてきたレネゲイドウィルスの祖とも言われる、《特別な血統》である。それは無自覚に他者へと威圧を与える。故に理緒の周りに人は寄り付かなかった。帰ってきた《日常》は、本来のソレではなくなってしまっていたのだ。しかし、そうであっても特別な力を使う機会のない、《平和な日常》である。 　桜庭理緒が高校に入学すると、目を奪われ、呼吸を忘れる程の者――《天花寺愛美》に出会った。その容姿、雰囲気に一目惚れしてしまったのだ。そして、彼女とは同じクラスになった。しかし、彼女に好意を持っても今までの経験故に、理緒は他者との壁を作り、クラスメイトなどからは避けられる。そんな中、理緒に平気で声をかける者がいた。それこそ彼女。そして、これこそが本当の意味で理緒にとっての《日常》の始まりだった。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 　 　彼が求めるのは《平和》。しかし、それは彼の持つ血が許さない。 　 　レネゲイドの祖。その中でも特に強い力を持った――――《王の血統》 　それこそが彼の中に巡る、《受け継がれる》といった《変異》の起こった、レネゲイドウィルスなのだ。 　彼の特異な血は、様々なモノを引き寄せる。 　しかし、それが味方か敵か。はたまた天災か。其れを知るものはいないだろう。 　――――彼の力が解き放たれる時、それは全ての終わりを意味するのだから

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