タグ： あまぎ はく ジニア #c53d43

幼い頃から、人と同じように物事を悲しめずに過ごしてきた。 感動する物語や悲しい事件に心を痛めることも無く、そのことに違和感を感じながらも、目を逸らし続けて生きてきた。 やがて小説家になり、自分にはあまり理解のできなかった青春や、それに対しての羨望を書き綴っていた。 決して人気ではないが、それでも日々を過ごすには十分だった。 3年ほど前(当時22歳)に、学生時代の友人を不幸な事故で失ってしまう。 自身もその事故に巻き込まれた1人だったが、運良く一命を取り留めることが出来た。 意識を取り戻し、事故の詳細と友人の死を聞いた際に「あぁ、生きていて良かった」と喜んでしまった。 友人が死んでしまったと言うのに、そんなことを思ってしまった自身に絶望し、あの事故で自分も死んでいれば良かったのだと思うようになる。 その後リハビリなどを終え、自由に動けるようになった彼女は自身の死を望むようになる。 彼女が死を望むのは、その外見の美しさとはかけ離れた自身の内面の醜さからである。

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