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《通過シナリオ》 ・ネリネ 11月10日生まれ/O型 一人称：俺/二人称：きみ、おまえ、あなた 感度：14/18 胃袋：59/100 眠気：30/100 4-2.方向音痴…〈ナビゲート〉の初期値が1になる。また、成長ロールで成長させることができない。趣味技能→30pt 6-10.好意を寄せられている…シナリオに登場する誰かに好意を持たれている。KPの裁量で、誰が、なぜ好きなのかを決定する。どれほど好意を寄せているかは1d100で決定する(数値が大きいほど好き) 1d100→82 生徒に人気の英語教師。方向音痴のくせに趣味がアウトドアで、よく遭難する。わりと危機感がないので対策を取らない。 《座右の銘》 There is more to life than increasing its speed. ＿＿＿速度を上げるばかりが、人生ではない。 ▽ 誘は旅行が好きだ。着の身着のまま、心が赴くままに、世界を見ることが好きだ。教師になろうと思ったのは、人より少し遅かった。世界を旅して、その美しさに心を動かされて、誰かにこの喜びを共有したくて、誘は教師という道を選んだ。 《過去》 玉響誘は、比較的裕福な家庭に生まれた。 外資系企業に勤める父と、ウエディングプランナーの母。出張が多く、海外にツテのある両親の影響で、年に一度は家族で海外旅行をするほどに、誘は恵まれた環境にいた。 ある年の冬、両親が飛行機事故で死亡した。小学校から帰り、両親の帰宅を今か今かと待ち望んでいた時に、テレビの告げた無情な訃報。誘の人生は一変した。 当時、海外で長期休みを過ごすような子供は同年代にはおらず、誘はクラスでは羨望の的だった。特に鼻にかけていたわけでもないが、誘は無意識に、自分を“与える側”の人間だと感じていた。 子供とは、無垢で、無邪気で、そして残酷なものである。誘に向けられる視線は、羨望から憐憫へと変わった。「ああ、お父さんとお母さんを亡くして、可哀想だ」そんな目線が、誘には耐え難い苦痛だった。 だから、勉強も、運動も、なんでも一番をとれるようにした。両親がいなくても大丈夫だと思いたかったし、思わせたかった。けれど、そんな誘を見た周りは、誘を“気丈に振る舞う哀れなヒーロー”に仕立て上げた。テスト、生徒会、部活動、誘の「大丈夫」の証明は、可哀想な人間の証明に上塗りされた。 そして、誘を支えていた糸が、ぷつりと切れた。 それは、唯一自分自身の努力を認めてくれていると思っていた教師との、三者面談の時間。両親のいない誘は二者面談をした。将来は大手の企業に勤めたいと語る誘に、彼は一言、 「そんなにがんばって働こうとしなくても、俺たち大人をいつでも頼っていいんだぞ」 と言った。彼からすれば、善意の言葉であっただろう。けれど、その言葉は、誘の、誘のための努力を、すべて“両親が死んだ哀れな子供”に引きずり落とした。 誘はその日、財布と通帳と、それから身分証明書を持って失踪した。誰も自分のことを知らない世界に行きたかった。そうして、両親の遺産と、学生時代にかけ持ちしたアルバイト代を叩いて、彼は日本中を旅をした。 成人して、ふと、海外に足を伸ばしてみようと思った。誰も誘を知らない、という環境は、誘を少しだけ穏やかにした。そこでやっと、亡くなった両親に、もう一度向き合ってみようと感じたのだ。 パスポートの手続きをして、両親を奪った飛行機に乗り込んだ。隣に座る少年と、すぐに打ち解けて仲良くなった。彼は、イギリスに留学するのだと言う。それは、綺麗な黒髪と赤の瞳を持った、少し不思議な少年だった。 まずは、イギリス。そして、ヨーロッパ諸国を渡り歩き、アメリカ、アフリカ、アジアと回った。誘を一人の人間として認めてくれる世界がそこにあって、誘は自身の体験を、今、過去の自分のように悩んでいる子供たちにも伝えたいと思った。 そうして、教師としての誘が生まれたのだ。 《備考》 帰国後、日本人女性と恋に落ち子を成したが、その1年後に妻子共に死亡している。交通事故であった。事故の相手は善人で、二人を殺めてしまった良心の呵責に耐えられずに自殺。彼だけでも助けることが出来たのではないかと心のどこかで後悔している。 《イメージソング》 エミリーと15の約束/majiko -生きたい時に生きて、死にたい時に死になさい。 価値はあなたが決めるものよ。

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