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クトゥルフ PC作成ツール
Theodorus( テオドルス )
ID:4495628
MD:5ba6e2bcf9832ca082ed6091e3a66a2c
Theodorus( テオドルス )
タグ:
梅の花
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生まれ・能力値
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CON
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APP
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その他増加分
一時的増減
現在値
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CON
POW
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APP
SIZ
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EDU
HP
MP
初期
SAN
アイ
デア
幸運
知識
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SAN
現在SAN値
/
(不定領域:
)
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技能
職業P
/
(うち追加分:
)
興味P
/
(うち追加分:
)
表示
初期値の技能を隠す
複数回成長モード
非表示
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通常表示
<戦闘技能>
成長
戦闘技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
回避
キック
組み付き
こぶし(パンチ)
頭突き
投擲
マーシャルアーツ
拳銃
サブマシンガン
ショットガン
マシンガン
ライフル
非表示
簡易表示
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<探索技能>
成長
探索技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
応急手当
鍵開け
隠す
隠れる
聞き耳
忍び歩き
写真術
精神分析
追跡
登攀
図書館
目星
非表示
簡易表示
通常表示
<行動技能>
成長
行動技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
運転(
)
機械修理
重機械操作
乗馬
水泳
製作(
)
操縦(
)
跳躍
電気修理
ナビゲート
変装
非表示
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通常表示
<交渉技能>
成長
交渉技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
言いくるめ
信用
説得
値切り
母国語(
)
非表示
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<知識技能>
成長
知識技能
初期値
職業P
興味P
成長分
その他
合計
医学
オカルト
化学
クトゥルフ神話
芸術(
)
経理
考古学
コンピューター
心理学
人類学
生物学
地質学
電子工学
天文学
博物学
物理学
法律
薬学
歴史
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戦闘・武器・防具
ダメージボーナス:
名前
成功率
ダメージ
射程
攻撃回数
装弾数
耐久力
その他
%
%
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所持品・所持金
名称
単価
個
価格
効果・備考など
価格総計
現在の所持金:
、 預金・借金:
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パーソナルデータ
キャラクター名
タグ
職業
年齢
性別
身長
体重
出身
髪の色
瞳の色
肌の色
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その他メモ
▽ ➤特徴表 3-4 戦士 ↳近接武器技能の初期値50% 5-1 動物に好かれる ↳大抵の動物に懐かれる ➤技能値 ・職業技能 《ストリートローグ(2015)》より技能取得 <言いくるめ>/<隠れる>/<心理学>/<目星>/<跳躍>/<登攀>/<キック>/<ナイフ> ・興味技能 <マーシャルアーツ>/<斧>/<杖>/<チェーンソー> 取得理由は以下の通り 生き残る為、自衛の為に空手を応用して独学で学んだ<マーシャルアーツ>。 路地に落ちている武器は大体使った事があるので<斧>や<杖>、<チェーンソー>( 但し技能値が低いので扱えるけど使い慣れていない感はある ) ▽ ➤生い立ち 物心ついた頃から、貧民街で暮らしていた、様な気がする。 両親なんて居なくて、貧民街で暮らしていた酒臭いジジイに拾われて、5歳迄の期間は朝から晩まで馬車馬の如く働かされていたのは覚えている。 仕事の出来が悪ければ酒瓶で殴られたり、蹴られて転がされたりした。 そんなジジイを恨めしく思いながらも、この貧民街で生き延びる為に仕方の無い事だと割り切ってジジイに仕える事にした、彼は生きる為に手段を選んで居られなかったから。 5歳になったある日、何時もの様に仕事をしていると知らない男が此方に向かって来るのが見えた。 誰だ?と思いながらその男を眺めながら仕事をしていると、その男は此方をジッと見つめた後、此方に近付き彼に手を差し伸べた。 『お迎えに上がりました』 爽やかに、でも何処か貼り付けた様な笑顔を彼に向けて、男はそう告げた。 初めは人違いか?と思い、彼も相手にしなかったが何時までも付き纏って来る男はずっと同じ言葉を口にした。 見ず知らずで貼り付けた様な笑顔を浮かべている、その男が怖くて、逃げ出そうとやり掛けの仕事を放り出して走り出した。 元々この貧民街の路地は逃げるのに適した地形で、彼はその事を理解して道もそれなりに覚えていたからだ。 けれど、走り慣れた何時もの路地は別の男に塞がれていて、同じ様に爽やかに笑って此方に手を伸ばして来た。 とても、こわかった。 大人は貼り付けた笑みを浮かべて此方に手を伸ばして、捕まえようとして来る。 「ジジイ!助けろ!」と叫んで彼はジジイに手を伸ばした。 けれど、助けを求められたジジイは息を荒らげて金を数えていて、此方に見向きもしなかった。 ジジイに裏切られたショックからか、もう諦めたのか、幼かった彼は覚えていない、ただ伸ばした手を下げた事だけはハッキリと覚えている。 程なくして大人達に捕まって、黒塗りの車に押し込められる。 ……最後までジジイが此方を見る事は無かった。 黒塗りの車に押し込められて進む事数分、赤レンガが特徴的な大きな家に到着した。 大人は相も変わらず不気味な程の笑顔を貼り付けていて、そのまま彼の小さな手を引いて家の中へと入って行った。 その家の中には同じくらいの年の子が沢山居て、中には明らかに年下の様な小さな赤子まで居た。 そして大人は『今日から此処が君の家だよ』と告げた、家なんて与えられた事無かったので驚き戸惑った。 けれど、年長者らしき子供が近寄って来て、此方に手を差し伸べて屈託なく笑い、口を開いた。 『ようこそ、今日から僕らは家族だよ』 そして、此処での生活が幕を開けた。 それは彼自身にとって、地獄の幕開けでもあった。 ▽ ➤孤児院での生活 赤レンガが特徴的なその大きな家は、所謂孤児院の様な所だった。 彼の様に幼い子供が沢山居て、皆家族の様に仲睦まじく生活を送っていた。 最初は貧民街以外で生活した記憶の無い彼は馴染めず、警戒心を緩める事が出来なかった、周りは敵だと貧民街時代に教わっていたからだ。 そんな彼の態度に、最初こそ興味を示していた子供達も次第に相手にしなくなり、彼を避ける様になった。 警戒心剥き出しだった彼に、根気強く手を差し伸べてくれた少年と少女が居た。 少年の名前は〝アポロン〟、少女の名前は〝アルテミス〟、二人は双子の兄妹で、この孤児院の子供達の中で一番長く在籍している子だった。 兄のアポロンは何時も穏やかに笑っていて、周りの子供達からも慕われるリーダー的存在の人物だった。 妹のアルテミスはとても好奇心旺盛で、子供達を連れてよく野山を駆け回っていたお転婆な人物だった。 『ねぇ、こっちに来て一緒に遊ぼうよ!』と彼の手を引くのは何時もアルテミスで、少々強引なアルテミスを『こらアルテ、強引に引っ張っちゃ駄目だよ』と窘めるのは何時もアポロンで、二人の付かず離れずな距離感に、彼は次第に心を開いた。 心を開けば他の子供達も自然と寄って来て、アポロンやアルテミスが居なくても話が出来る様になるまで成長し、穏やかな日々を送っていた。 アポロンとアルテミスはそんな彼の様子を見て嬉しそうに、けれど何処か寂しそうに微笑みながら見守り続けた。 『そう言えば君、名前なんて言うの?』 アルテミスの問い掛けに、彼は答える事が出来なかった。 だって彼には名前なんて無かったから。 彼が言い淀んでいると、アポロンは何かを察したのか、少し考えた後で口を開いた。 『名前が無いなら一緒に考えよう。 何時までも番号で呼ぶのは家族っぽくないからね』 そしてアポロンとアルテミスを筆頭に、彼の名前を決める事になり、色々な書物から良さそうな名前を探して吟味を始めた。 そしてアポロンが読んでいた書物の中から、一つ名前を見つけて彼に提示する。 『■■■■■、何処か遠い国の言葉で〝神の贈り物〟と言う意味だよ。 君のその綺麗な顔と髪はきっと、神様から与えられたものだと思うから』 優しく微笑むアポロンと、良い名前だとはしゃぐアルテミス、そんな二人の様子に周りの子供達も良い名前だと褒めた。 名前なんて貰った事が無かった彼も、その日は嬉しくて自分の名前を大事そうに口にした。 けれど読み書きが出来ない彼は自分の名前も書けず、他の子供達の名前も書く事も出来ない。 読み書きが出来ない事を口にすると、アポロンとアルテミスは揃って『教えてあげるよ』と快く引き受けてくれたので、二人に読み書きを習う事になった。 学が無いので勉学に自信は無く、読み書きにも苦労を強いられたが辛うじてアポロンとアルテミスの名前、そして自分の名前だけは読み書き可能になった。 朝はアルテミスの喧しいくらいの声で起床し、家族皆で朝食を摂り、アポロンに読み書きを習う。 家族皆で昼食を摂り、アルテミスと子供達と共に遊び、夕食を摂り、お風呂に入り、眠りにつく。 こんな平穏な日々が繰り返され、彼は幸せを噛み締めていた。 これから先もこうして、家族皆で幸せに平穏な日々を送っていくのだと、信じて止まなかった。 ……あの日、あんな現場を目撃しなければ。 ▽ ➤地獄の始まり 彼が孤児院に迎え入れられ早数年、推定年齢13歳のある日、孤児院の子供が数人居なくなる事象が発生した。 消えた子供達の名前を彼は全て頭に入っており、どの子も数日前から消息を絶っている。 長年在籍しているアポロンとアルテミスも酷く動揺していて、特にアポロンは『今までこんな事無かった』と呟いており、これが〝異常事態〟である事を嫌でも理解させられた。 「アポロ、アルテ、俺探しに行って来る」 彼はそう言い残し、孤児院を飛び出して失踪した子供を探す事にした。 後ろでアルテミスが何か言っていた気がしたが、彼にはよく聞こえなかった。 ……聞こえなかった方が、彼は案外幸せだったかもしれない。 孤児院を飛び出し、野山を抜けて以前暮らしていた街に出た。 この街は週に二回程訪れており、尚且つ孤児院の職員に保護されるまではこの街の路地裏、貧民街で暮らしていた事もあり、彼は土地勘があった。 大通りを抜け、貧民街へと向かい生活している人達に聞き込みして回るが、失踪した子供達らしい目撃情報は一つも無い。 肩を落として帰ろうとした彼だったが、不意に一人の男性に声を掛けられ足を止める。 『外を疑うより、孤児院内を疑った方が良い。 あまり孤児院の人間を信じ過ぎない様に』 彼はこの男性が何を言っているのか、理解出来なかった。 何故〝家族〟を疑わなくてはいけないのか、寧ろこの男性の方が信用出来ないでは無いか?そんな事ばかり考えていた。 けれど、何故だかその言葉が頭から離れる事は無かった。 モヤモヤした気持ちを抱えながらも男性に軽く会釈をし、貧民街を後にして孤児院へと戻ると、アルテミスが泣きそうな顔をしながら出迎えた。 勢い良く飛び付かれて体勢を崩し、地面に尻餅付いた彼を見て、アポロンは苦笑を浮かべながらもアルテミスを立たせ、それから彼に優しく手を差し伸べてくれた。 『おかえり、■■■■■』 アポロンの優しい笑みも、アルテミスの柔らかな笑みも、何時も通りのもので、彼は疑う事さえしなかった。 何時も暖かいアポロンの手が、少しだけ冷たかったのを気付かない振りをする程、疑いたくはなかった。 然し、彼の淡い期待はその日の内に全て打ち砕かれる事になる。 その日の夜更け、喉の乾きを覚えて彼は目を覚ました。 普段は夜中に起きて水を飲む、なんて事は無かったのだが、その日は特に喉が渇いて起きてしまい、変に目が冴えてしまった事もあり、起きて水を飲むついでに夜風に当たってこようと考え、寝床を抜け出した。 台所で水を飲み、孤児院の裏口からテラスの方に向かおうとした時、何やら人の足音と話声が聞こえ、彼は咄嗟に倉庫の方に身を隠した。 倉庫の中から少しだけ覗くと、そこには数人の大人の職員達、そして大きな袋を両脇に抱えたアポロンとアルテミスが列を生して歩いているのが見えた。 暫く様子を見る様に息を潜めていると、こんな会話が聞こえて来た。 『102番(アポロン)、618番(アルテミス)。 今日は四人、さっさと………くれよ?』 『分かっています。 ですから、……だけは…』 『嗚呼13番か。 明日辺りに……が決定してるぞ』 『ちょっと、話が……じゃない……!』 『静かにしろ618番!誰かに見ら……、どう説明……だ?困るのは………』 下衆な大人達の嘲笑が響き、大人達は先に裏口へと消えて行った。 残されたアポロンとアルテミスの表情は見えなかったが、何かを言う事も無く、袋を抱え直して大人達の後を追い掛ける様に裏口から出て行った。 完全に出て行った事を確認した彼だったが、直ぐにその場を出る事は出来なかった。 「よく聞こえなかったけど…、何か企んでんのか…?」 会話内容こそあまり聞こえて居ないものの、何かを企んでいる事は何となく理解出来た。 護身用に、と倉庫に置いてあったナイフを手に取り、それを衣服に忍ばせてから倉庫を後にし、後を追う様に彼も裏口から出て行った。 そして、彼の目に飛び込んで来たのは目を疑う様な光景だった。 アポロンとアルテミスの両脇に抱えられた袋には、口に粘着テープを貼られて手足を麻縄で縛られた子供が入っていた。 二人は子供を予め掘られていた穴の中に落とすと、その上から土を被せた。 子供はどれもぐったりしていたが、遠目から見ていた彼でさえもその子供がいずれも〝生きている〟事を理解した。 今まで信じて疑わなかったアポロンもアルテミスも、こうして子供を生きたまま埋めている事を理解した彼は、呆然とし、現実を受け入れる事が出来なかった。 『外を疑うより、孤児院内を疑った方が良い。 あまり孤児院の人間を信じ過ぎない様に』 この時の彼の脳裏に、昼間の男の声が過ぎる。 「──嗚呼そうか、信じてたのは俺だけだったのか」 信じていた、あの二人を、この施設の職員を。 信じ過ぎていたが故に、今こうして空虚な気持ちになっているのだ。 彼はあまり頭が良い方では無かったし、考えるのも得意では無かった。 けれど今回ばかりは直ぐに気付いた、〝二人に裏切られた〟事に。 「アポロ、アルテ」 後先なんて考えられなくて、二人の名前を呼んで物陰から出て行く。 名前を呼ばれた二人は肩を揺らして酷く動揺した瞳を彼に向けた。 大人は舌打ちをしたり、必死に笑顔を貼り付けようとしたり、反応は様々だったがそれに関して彼は反応せず、ただ大好きだったアポロンとアルテミスの元へと歩いて行った。 「これどういう事だよ」 この時の彼の目はきっと、嫌悪の色に染まっていただろう。 今まで敬愛していたアポロンとアルテミスが、今はとても穢らわしいものに見えてしまうからだ。 懐いてくれていた彼にその様な目を向けられ、アルテミスは『違う、違うの■■。 これには理由があって…』としどろもどろに言い訳を紡ぐ。 今にも泣きそうな顔で言い訳を紡ぐアルテミスに対して、隣のアポロンは酷く動揺した様子で、近寄って何かを言おうと口を開いた。 ただその言葉の数々を信じるには、もう遅過ぎた。 「信じてたのに」 嫌悪の滲んだ目でアポロンを見つめ、隠し持っていたナイフでアポロンの首を切り裂いた。 何かを言おうと開いた口は言葉を紡ぐ事は無く、そのまま首筋から鮮血を噴き上げて地面に倒れて行った。 視線を下に向けると、首筋から未だに鮮血を流すアポロンが息絶えて倒れており、生気を無くした瞳は彼の事をジッと見つめている。 噴き上げる鮮血は彼の顔にも掛かっており、手の甲で頬を拭って顔を上げた。 顔を上げた先に、完全に怯え切った様子で顔を青くしているアルテミスと、ざわつき動揺している大人達がいる。 嗚呼そうだ、最初からこうしたら良かったんだ。 血で汚れたナイフを握り直し、大人達の方へと一歩足を進める。 何か悲鳴の様な、命乞いの様なものが聞こえたが今の彼には聞こえない。 『ご、ごめんなさい…!許して、許して…!』 アルテミスの涙に濡れた声が聞こえる、彼には耳障りな声にしか聞こえない。 地面に座り込んだアルテミスを見下ろし、そしてナイフを振り下ろせば首筋に深々とナイフが刺さり、抜けばそのまま彼女は地面へと倒れ伏した。 地面に血が流れ出て、ゆっくり彼の足元を血で汚す。 大人達の方へとゆっくり顔を向け、絶望の色に染まった大人達を見て、彼は口元に弧を描いた。 短時間で二人の命が奪われた、次は自分達の番だと悟った大人達は逃げたり、命乞いをしたり、抵抗したり、色々な反応を見せてくれた。 然し、彼はその反応を見て尚も笑っていた。 逃げようとした大人は足の腱を切られ逃げられなくなった後、腹を滅多刺しにされて絶命した。 命乞いをした大人は土下座する姿勢から頭を踏み付けられ、背中を滅多刺しされて絶命した。 無謀にも抵抗しようとした大人は足の腱を切られ、手首を切られ、抵抗出来なくなった所で首筋を切られて絶命した。 その場に立っていたのは、返り血で真っ赤に染まった彼のみだった。 死体の山々を重ね、積み上げ、その上にどかりと座った彼は空を見上げる。 不気味な程大きく、残酷な程に美しい真っ赤な満月が、血に塗れた彼を照らしていた。 「……嗚呼もう、どうにでもなれ」 この光景を目撃されるのは不味い、そう思って彼は真っ赤に染まったナイフを持って、施設の中へと戻って行った。 そこから始まるのは彼の一方的な殺戮劇、寝ていた子供達を一人ずつ丁寧に殺して回った。 眠りについたまま二度と目覚める事が無くなった子も居れば、目が覚めて泣き叫んだ後に絶命した子もいた。 その殺戮劇を何処か楽しんでいる様にすら思える程、彼は狂った様に笑っていた。 施設の子供達全てを殺して回った後、彼は着替えて施設を後にした。 このまま施設に残るのは得策では無い、と判断した結果だ。 施設を去る前、彼は一度だけ施設へと視線を向けて口を開く。 「じゃあな」 一言だけ口にして、彼は施設を後にした。 思い出の詰まった楽園は、もう何処にも面影は無い。 ▽ ➤施設を出た後の話 施設で大量殺人を犯した後、彼は生きる為に貧民街に戻った。 あの時育てた癖に金に目が眩んで彼を捨てたジジイは、未だ同じ所で生活していた。 彼の姿を見て、ジジイは少し驚いた顔をして、それから顔を真っ赤にして怒りを顕にした。 『高い金でお前を売ったんだ!どうして戻って来た!?』 目の前のジジイが何を言っているのか、彼には理解出来なかった。 真っ赤な顔で怒り狂うジジイの説教を聞いている内に、頭痛と吐き気に襲われる。 ガンガンと痛む頭に、ジジイの耳障りな説教が響き、不協和音にすら聞こえた。 「うるせェ」 隠し持っていたナイフで、目の前のジジイの首筋を掻っ切った。 先程まで喧しかった声が止み、伏せていた目を開けるとそこには血塗れのジジイが倒れ伏して鮮血を噴き上げている。 手に持っていたナイフは赤黒く染まり、血液で汚れてしまっていた。 辺りはざわつき、通報するべきか、いやでもここは警察が不介入の所だ、等と話す声も聞こえた。 目撃者は多数いた、貧民街は狭く情報が出回るのがとても早いのを、彼は知っている。 周りの声がまた不協和音を頭に響かせる、嗚呼五月蝿いうるさい。 衝動のまま、彼はナイフを振るう。 一人、また一人と絶命していく中、頭に響く不協和音が和らいで行くのを感じ、不協和音を消す為にナイフを振るい、絶命させていった。 残り数人、となった所で獲物を探す彼の元に走り込んで来る人影が一人、然し反応する間も無く彼はそのままぱしゃりと何かの液体を浴びせられる事となった。 何事かと顔を上げると、そこにはボロボロの男がポリタンクを両手に持って彼の方へと向けていた。 そのポリタンクの口は開いており、その口からはぽたぽたと水滴が垂れていた。 浴びせられた液体の匂いは灯油の様な匂いがして、やばいと彼が思った時にはもう遅かった。 『燃えろ化け物!』 そう叫ぶや否や、別の男がライターを彼に向けて投げて来る。 灯油を浴びせた男を仕留めて直ぐ、ライターを振り払おうとして、服を掠める。 灯油を浴びせられた彼の服はみるみる内に燃えていき、その内彼の全身を火が覆い尽くした。 全身が熱い、視界は真っ赤に染まる。 ライターを投げた男が最後の生き残りだったのか、燃え盛る手でナイフで腹を刺して絶命させると、それ以上増援が来る事は無かった。 然し問題は此処からだった。 火だるまになった彼を助けてくれそうな人は何処にも居なくて、熱さで絶叫しながら路地裏の方へと足をゆっくり進めて少しでも人通りの多いところを目指そうとする。 それも無謀な挑戦だった様で、貧民街の入口で彼は燃え盛ったまま倒れ伏してしまう。 薄れて行く意識の中、真っ赤に染まる視界で最後に捉えたのは、此方を見下ろし何かを呼び掛けている少女の姿だった。 ▽ ➤出会い 彼が意識を取り戻して最初に見たのは、見知らぬ天井だった。 起き上がろうとするが、思う様に身体が動かない。 ベッドの上で寝転んだまま、此処は何処だろうか?と視線を辺りに向けると、少女が一人、此方をジッと見つめていた。 『気が付きました?』 少女に声を掛けられ、彼は驚いて飛び起きようとして、全身の酷い痛みで呻き声を上げる。 そんな様子の彼を見て、少女は呆れた様に眉を八の字に顰めて彼の額を軽く小突いた。 『動いちゃ駄目ですよお兄さん。 お兄さん、全身酷い火傷なんですから』 ほら、と少女は手鏡を彼に向ける。 手鏡を覗き込んだ彼は、自分の現状を見て驚いた。 彼は今、全身包帯で覆われて見るに堪えない容姿になっていた。 現状を理解した様子の彼を見て、少女は手鏡を仕舞うとまた彼の方へと視線を向ける。 『お兄さん、XX地区の貧民街入口で火だるまになって倒れていたんですよ。 何であんなところに居たんですか?』 少女の問い掛けに、彼は自身の記憶を辿ろうとする。 然し、彼は自分の名前は勿論、何故貧民街で倒れていたのか、それ以前に何をしていたのか、記憶を全て無くしていた。 「わ……、わかんねェ……。 な、何も…覚えて、ねェ」 少しだけ出せる様になった声は酷く掠れていて、それでも何も分からない、と言う事を少女に伝える。 少女は少し驚いた様に目を見開いた後、何かを考える様に顎に手を当てて少しの沈黙、そして少女は彼に向き直った。 『…ねぇお兄さん、お願いがあるんです』 鈴の音の様な少女の声が、静かな病室に響く。 お願い?と首を傾げる彼に、少女は話を続ける。 『私、この街から出た事が無いんです』 『だから私、世界を見て回りたいんです』 『でも腕っ節に自信は無いから…、お兄さんには私の用心棒になって欲しいんです』 『一緒に旅する事でお兄さんも記憶を取り戻せるかもしれませんし、悪い話では無いと思うんですが、どうですか?』 少女からの提案に、彼は少し考える素振りを見せるが、答えは殆ど決まっていた。 あの提案は決して悪いものでは無いし、何より彼は無くした記憶を取り戻したいと言う願いがあった。 少女の用心棒として共に世界を旅する事で、彼も記憶を取り戻せるなら安いもんだ、とさえ思ったのだ。 「良いぜ、一緒に旅してやるよ」 口元を吊り上げ、楽しそうな表情を浮かべながら了承する。 少女はその答えに嬉しそうに微笑み、包帯の巻かれた彼の手を両手で優しく包み込んだ。 『私はレピオです。 よろしくお願いしますね、お兄さん』 『そう言えばお兄さん、名前…も覚えてないんでしたっけ?』 レピオと名乗る少女の問いに、肯定する様に頷く。 少女は少し考えた後、何か思い付いたのかポンと手を打ち提案をした。 『だったら名前を付けましょう。 良い名前があるんです』 『〝テオドルス〟なんてどうでしょう?』 『遠い国の言葉で〝神の贈り物〟と言う意味があるんです』 『お兄さん、綺麗な顔と髪をしてますし、きっとそれは神様からの贈り物ですからね』 提案された〝テオドルス〟と言う名前は初めて聞く筈の名前だったのに、何故かとても懐かしい響きが残った。 火傷の所為で顔も昔と違って大きく変わってしまった筈なのに、少女は彼の顔を、髪を褒めてくれた。 少女の褒め方にも懐かしさを覚えたが、何故懐かしさを覚えたのか、彼は未だ分からない。 妙に懐かしいその響きに首を傾げているだけで、肯定や否定等の反応を示さない彼を見て心配したのか、少女は彼の顔を覗き込む。 そして直ぐに少女は目を見開き、少し慌てた様子で彼の背中を摩ったり頭を撫でたりし始めた。 「い、いきなりなんだよォ…」 突然の少女の奇行に驚き、手を振り払おうとする彼だっのだが、ふと自分の顔に違和感を覚えて自分の頬に手を添えてみる。 顔に巻かれた包帯が、何故か濡れていた。 どうやら目から流れている水が原因の様で、ごしごしと目元を擦っても次から次へと流れ出て来る。 「何だこれ、れぴお、止まらねェ」 次から次へと溢れるその水に、困惑した様子で少女に助けを求める。 少女はそんな彼の様子に、少女は優しく微笑んで背中を摩ってその水の説明をし始めた。 『その目から出る水はね、涙って言うんですよ』 『お兄さんは随分溜め込んでたみたいだから、気が済むまで泣きましょう』 『人間は泣く生き物なんです、恥じる事ありませんよ』 今まで声を上げて泣いた事の無かった彼はこの日、情けなく声を上げて泣いた。 その間も少女は黙って彼の背中を摩り続け、泣き止むまで彼の傍を離れる事は無かった。 この日は彼が泣き疲れて眠るまで、彼は泣いて少女は黙って傍に居た。 ▽ ➤旅の始まり 全身大火傷を負い、リハビリを始めた彼だったが、奇跡的な回復力で予定よりも早い回復をして医者を驚かせた。 思っていたよりも早く退院の目処が立ち、その早さに流石の少女も驚いた様子だった。 大火傷した傷跡は残ってしまう為、全身包帯で覆われてしまったが、特に彼は気にしていない様でそのまま少女と共に退院の準備を進めていく。 「なあレピオ、何処に行きてェとかあんのか?」 退院の準備を進めながら、彼は少女に何処へ行きたいかを問い掛けた。 準備の手は止める事無く、少女は少し黙って考えた後、その問いに答えた。 『最初は海の見える国に行きたいです』 『海って大きくて広くて、青くて綺麗なんですよ』 具体的な国名は教えてくれなかったが、海は彼も見た事が無かったので楽しみだった。 トランクケースに荷物を詰めたその翌日、お世話になった病院に別れを告げて、少女と彼は目的地へ向かって歩き出した。 世界を見たい少女と、記憶を無くした青年の冒険譚が今、始まる。 ▽ ➤登場人物としての彼について 言葉遣いがそこまで綺麗ではなく、乱暴な言葉遣いが目立つ。 難しい言葉は苦手で、長い名前は呼ぶ事が出来ない( 三文字以上は呼べないので、三文字以内の呼称で呼ぶ )。 文字の読み書きが出来ない、基本的に同行している少女・レピオが文字を読んで解説をしてくれる為、彼本人が読む事はほとんど無い。 頭がそこまで良くないので、頭で考えるよりも先に身体が動くタイプの典型的な脳筋。 その為、勝手に突っ走ってはレピオから懇々と説教を受ける事になる為、それなりにセーブしているらしい。 かなりの怪力の持ち主で、馬鹿力。 力加減を間違えると粉砕し兼ねないので、レピオから力加減を覚える訓練を受けている。 彼は自分の名前を含め、レピオと出会う前の記憶が一切無い。 レピオの話ではとある地区の貧民街の入口付近で火だるまになって倒れていた様で、偶々近くを通り掛かったレピオが慌てて人を呼んで消火活動をし、黒焦げになった彼を病院へと搬送したと言う。 『もう少し発見が遅れていたら、お兄さん今頃死んでましたね』とレピオは揶揄う様に言うが、割と洒落にならない。 ただ何故貧民街に居たのか、それをレピオに聞いても彼女は何も話してくれないし、しつこく聞こうとするなら『知らないですよ』と言われる。 火傷跡は二度と治らないと言われ、爛れた肌を保護する目的で全身を包帯で被っており、火傷の薬はレピオが塗ってくれているので彼自身そこまで気にしていない様子。 レピオと出会い、彼女はとある提案を持ち掛けた。 それは〝世界を見て回りたい、用心棒として旅に同行して欲しい〟と言うものだった。 記憶を取り戻す為にも、世界を見て回った方が良いのでは?とも言われ、彼は用心棒として少女の旅に同行する事となった。 彼─テオドルスは、少女レピオと共に世界中を旅をする。 失った記憶を取り戻す為、世界を見て回る為、二人の冒険譚が始まろうとしている。 ▽ ➤少女─レピオについて( 彼は知らない情報 ) 彼を助けた謎の少女─レピオ。 その本当の名前は〝アスクレピオス〟、アポロンとアルテミスが製作したアンドロイドである。 表情は乏しく、長い間地下施設に収納されていた為世間知らずな部分が目立つ。 テオドルスと言う名前を付けたのは、アポロンとアルテミスが彼の事をそう呼んでいたから( 忘れている様だったので敢えてそれは言わなかったが )。 本当は彼に思い出して欲しくない、だって彼の好きだったアポロンとアルテミスは既に彼の手によって命を落としているのだから。 殺人鬼としての記憶を無くしたままでいて欲しい反面、アポロンとアルテミスの思いを汲み取って欲しいと言う気持ちもあるので、世界旅行を提案した。 世界の景色を記録し、思い出を作りながら人間として生きられる様に感情を勉強する、それが彼女の真の目的である。 『お兄さんとの旅が、良きものになりますように』 ▽ ➤パーソナルデータ 名前¦Theodorus( テオドルス ) 性別¦男 年齢¦推定20歳( 本人に年齢の概念は無い ) 誕生日¦不明 血液型¦不明 好きな食べ物¦スナック菓子 嫌いな食べ物¦タンポポ 好きなもの¦今は無し 嫌いなもの¦邪魔してくるもの 好きな事¦昼寝する事 苦手な事¦頭を使って考える事 トラウマ¦炎( 恐怖で動けなくなるレベルで無理 ) 趣味¦今は無し 特技¦特に無し 一人称¦俺 二人称¦お前 性格¦頭を使う事が苦手で頭より先に身体が動くタイプの典型的な脳筋。 間延びした様な話し方がやや目立つ。 頭脳仕事は主にレピオに任せており、彼はほとんど力仕事担当。 備考¦記憶が無い。 このテオドルスと言う名前も、レピオに付けてもらった名前。 何処で生まれて育ち、何処で生活していたのかすら覚えていない。 唯一の持ち物は血塗れのナイフだけ。 何故このナイフを持っているのかは不明。 レピオに助けられた恩があり、彼女の用心棒として、何より自分の記憶を取り戻す為、世界を旅する事となる。 旅の目的¦記憶を取り戻す事 ▼ 名前¦Lepio( レピオ ) 本名¦Asklepios( アスクレピオス ) 性別¦女( 構造上 ) 年齢¦見た目10歳程度 製造日¦不明 血液型¦無し 好きな食べ物¦アイスクリーム 嫌いな食べ物¦ピーマン、ニンジン 好きなもの¦無し 嫌いなもの¦無し 好きな事¦お兄さんと話をする事 嫌いな事¦メンテナンスされる事 一人称¦私 二人称¦あなた 性格¦感情はあまり無く、乏しい部類のタイプ。 アンドロイドにしては旧型でやや古め。 テオドルスの事は製作者によって情報を入れられており、本当は彼の事を知っているが敢えて黙っている。 備考¦テオドルスの過去を知りながら、彼と行動を共にする少女。 その正体はある二人が開発したアンドロイド。 長い間地下施設に収納されていた為、世界の事を何も知らない。 人間に一番近いアンドロイドになる為に、自分の感情を理解する為に、テオドルスと共に世界を旅する事となる。 彼に記憶を取り戻して欲しくないらしいが…? 旅の目的¦世界を見る事( テオドルスの記憶を取り戻させない事 ) ▽ ➤イメージソング □テオドルス編 ・怪物/YOASOBI ・一番歌/湘南乃風&中田ヤスタカ ・ドーナツホール/ハチ ・Vital/遠藤正明 □レピオ編 ・心做し/蝶々P ・ERROR/Niki □テオドルスとレピオ編 ・メランコリーキッチン/米津玄師 ▽ ➤蛇足 アスクレピオス 幼女(型アンドロイド) 102番 10/2からす座β アポロンの遣いはカラス 618番 6/18オリオン座α アルテミスの恋人はオリオン 13番 西洋で忌避される数字は13 テオドルスの番号
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