タグ： 具 ロスト

車椅子で片目の男の姿を模した入れ物。 最後に自分が見た人間であり、本体の彼はその後亡くなっている。 本体モデルの体は戦争で脊髄刺されて麻痺になった外国青年兵だ。衛生面の問題で傷口からウイルスが入って死んでしまったが… 違う次元に住む自分にはどうにもしてやれず無力さを悔やんだ事を覚えている。 その思いが強く、人間の器として出現してしまったのかもしれない。 人の人生というものは、あまりに短く唐突に終わるが、その一瞬の線香花火のような煌めきに憧れざるを得ない。 ただ生きながら死んでいるようなこの生き方より、なんと魅力的なことか。 本当の名前も随分長い間呼ばれず、自分さえぼやけてきた。 偉大なるあの方のみが私の名を呼ぶ。 その時ふと思い出す程度の、忘れ去られた名だ。 だから、折角人になるならばと、人間の作った書物の中で最も面白いと感じた聖書を開いた。 自分の境遇と重ねてその名を借りる事にした。 アダム。アダムとはヘブライ語で人間という意味のようだ。 彼はりんごを食べたせいで、楽園を追いやられ、地に落ちる。 その結末を君は望んではいなかったのかもしれない。 でも私がなりたいのは、君だ。 そのためにはカミを殺さなければならない。 人の生みだす神と忘れ去られた太古の神。 まるで赤子と爺だ。 先ある有望なものを殺すのか、私が人になるのか。 それはまず会って決めるとしよう。 ※本当は歩くこともできるし視力もある。 ※真名何にしようかなって悩んでます

※歌詞を引用、及び記載することは禁止となりました(Youtubeや歌詞サイトのURLだけ書くことをお勧めします)。
↑ページ上部へ